「器用貧乏」の使い方・例文
「器用貧乏」のような四字熟語は実際の例文を使って使って解釈していくと分かりやすいですね。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.彼は配属された部署の仕事は一通りすぐできようになるが、数字で成果を出したことがない。そのため上司からは「あいつは器用貧乏だ」という評価を受けている。
2.彼女は習い事マニアで、これまでに手芸やお菓子作り、ピアノにヨガと沢山受けてきた。しかし飽き性で長続きしないため、どれも大成しなかった。まさに器用貧乏の典型だ。
3.あなたは器用貧乏なところがある。今取り組んでいることを真剣に極めて見ると、才覚が見いだせるかもしれないよ。
例文1と2は「器用貧乏」を相手に対する批判として使った用例になります。「器用貧乏」はこのように、何でもこなせるけれど秀でたものがない人、極めたことがない人をネガティブに表現する時に使われるのが一般的です。
ところが例文3は様子が違いますね。例文3は「器用貧乏」を相手へのアドバイスとして使っている場面です。相手の能力やポテンシャルを認めつつ、もっと集中して取り組めばもっと才能が花開くよと伝えたい心情を想定しました。このように逆説的に「器用貧乏」を使うと言いたいことがより効果的に伝えることができますね。
その1「多芸は無芸」
「器用貧乏」の類語表現の1つ目は「多芸は無芸」ということわざです。
「芸」は技能や技芸を指します。「多くの芸を持っている者は、かえって一つの芸に精通しにくく、これといったすぐれた芸をもっていないことが多い」という意味です。まさに「器用貧乏」ですね。「器用貧乏」と同じように、良い意味で使われることはありません。
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