
端的に言えば器用貧乏の意味は「何でもできるが、突出した点がない」ですが、語源やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
元予備校校舎長で教育系ライターのみゆなを呼んです。一緒に「器用貧乏」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/みゆな
元大手予備校校舎長、現在は教育系のライター。国語、特に現代文の指導経験が豊富。難解な言葉や表現を中高生がスラスラ理解できるように解説するのが大得意。
「器用貧乏」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto
「器用貧乏」とは興味深い四字熟語です。「器用」なのに「貧乏」とは、どういうことでしょうか。実は「器用ですね」と褒める言葉ではなく、どちらかというとネガティブなイメージを持っている表現です。使い方によっては相手の気分を害してしまいかねません。意味をしっかり理解し、正しい使い方をマスターしましょう。
それでは早速「器用貧乏」の意味や語源・使い方を例文も交えながら見ていきますね。
「器用貧乏」の意味は?
「器用貧乏」には、次のような意味があります。
なまじ器用であるために、あちこちに手を出し、どれも中途半端となって大成しないこと。また、器用なために他人から便利がられてこき使われ、自分ではいっこうに大成しないこと。
出典:新明解四字熟語辞典(三省堂)「器用貧乏」
「器用貧乏」とは器用なので何でもそつなくこなせるけれど、その分ひとつのことを集中して極めることがない。そのためどれもズバ抜けたレベルに達することができず、全てが中途半端であるという意味です。どんなことでもこなせるのは優れた特徴ともいえますが、「器用貧乏」は「結局、秀でるものがない」という側面に注目した言葉のため、褒める表現としては使えません。
「器用貧乏」の語源は?
次に「器用貧乏」の語源を確認しておきましょう。
「器用」は物事をうまくやってのけること、要領がよいことを表します。「貧乏」は財産や収入が少なくて生活が苦しいことを意味しますが、転じて「何も持っていない」状態をもさす言葉です。この2つの熟語が組み合わさり、「器用貧乏」は「物事をうまくこなせるけれども、結局何も持っていない」という様子を表すようになりました。
\次のページで「「器用貧乏」の使い方・例文」を解説!/