
端的に言えば夭折の意味は「若くして亡くなる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ドラマやアニメなど、数多くの映像字幕を作成した経験があるNagiを呼んです。一緒に「夭折」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Nagi
映像翻訳スクール出身。翻訳、チェッカー以外にも、CC字幕(クローズドキャプション)の制作多数。言葉を文字で表現する「字幕」の世界に数多く触れてきた経験を活かして、分かりやすく解説する。
「夭折」の意味や語源・使い方まとめ

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「夭折」の読み方は「ようせつ」です。「夭」が「天」に見えてしまうこともあり、正しく読めるという人は少ないのではないでしょうか?「そもそも夭という漢字になじみがない」という人もいるでしょう。まずは、この読み方をしっかりと頭に入れてくださいね。
それでは早速「夭折」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「夭折」の意味は?
「夭折」には、次のような意味があります。
年が若くて死ぬこと。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「夭折」
熟語というのは多くの場合、意味をいくつか持っています。しかし「夭折」に関してはひとつの意味しかありません。「夭折」は「若いうちに死去すること」を表現する言葉ですが、ただ単に「早死に」や「若死に」を意味しているわけではありません。早すぎる死を惜しむ気持ちが含まれているのです。
一般的には10代から30代ぐらいの年齢層に対して使われることが多いですが、明確な年齢の基準はありません。実年齢うんぬんではなく「人生まだまだ、これからだったのに…」というニュアンスが含まれていることを理解しましょう。
「夭折」の語源は?
次に「夭折」の語源を確認しておきましょう。
「夭」は「若い」という意味をもつ象形文字です。年若い巫女がしなやかに舞っている形が見て取れますね。「夭」がふたつ並んだ「夭夭(ようよう)」という言葉もあります。これは若々しくて美しい様子を表現する文語です。
「折」は各パーツの組み合わせによって作られた会意文字。大きな力によって物が曲げられたり切断されることを意味しますが「斧で木を切る」というのが元々の意味です。
それぞれの漢字の語源からも「人生半ばの状態で現世から切り離される」感じが伝わりますね。
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