この記事では「ノワール」について解説する。

「ノワール」という言葉はとても変わった単語です。いろんな所で自然に使われているのに、意味は詳しく知らない人が多い。

元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「ノワール」の意味や特徴、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「ノワール」ってどんな意味?言い回しは?

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「ノワール」はフランス語の言葉です。単語の意味を検索すると、以下の内容が出てきます。

ノアール【(フランス)noir】 の解説

1 黒。暗黒。
2 多く複合語の形で用い、暗黒の、正体不明の、不正の、などの意を表す。

出典:goo辞書 「ノワール 意味」

上記からわかる通り、「ノワール」には単純に色としての「黒」という意味。それから概念としての「黒」、つまり「闇」「不正」という意味の両方を持っています。もっぱら色を示すと思われることもありますが、「闇」というニュアンスを踏まえていると、理解により深みが出るでしょう。

「ノワール映画」ってどんな映画?

「ノワール」が使用されている言葉に、「ノワール映画」というものがあります。これは「暗黒映画」という意味で、犯罪や裏社会をテーマにしている映画を指している言葉です。映画の話題で「ノワール映画」「フィルム・ノワール」などの言葉が出たときは、「犯罪がテーマである映画だな」と考えてください。

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実は決まった使い方が無い「ノワール」!そのわけは?

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「ノワール」という言葉に対して、例文を示して解説するのは非常に困難と言わざるを得ません。唯一の例外が、前述のトピックに出た「ノワール映画」です。なぜ「ノワール」を使った例文は難しいのか、理由を下記で解説していきます。

その1「ノワール」は敢えて使うもの

「ノワール」という言葉は、「黒」「闇」といった意味です。しかし、「黒」という単語の部分を「ノワール」に置き換えたとしても、日常で使える文章とは言えません。つまり、例文として非常に不適切な状態になってしまうのです。下記の例文を読んでみてください。

1.あのの服は、あなたに似合うと思う。
2.あのノワールの服は、あなたに似合うと思う。

1は何の問題もない、日常で使える文章です。しかし2の方は、とても「日常的に使える」「万人に通じる」言い方とは言えません。「ノワール」が使用できる場面では、基本的には「ノワール」という単語ではなく、そのまま「黒」「闇」という言葉にしておいた方が良いのです。「ノワール」という言葉は基本的に、意味が理解されにくいことを前提として、敢えて選ばれていると思ってください。

その2 「ノワール」は人の疑問に触れにくい

「ノワール」という言葉は、ビジネスやニュースなどの際にはあまり出てこない言葉です。そのため、人の疑問になりにくいという特徴があります。

ビジネス用語にはやや難解な言葉も多いですが、知らなければ業務に支障が出るため、調べて自分の知識とする人も多いでしょう。しかし、「ノワール」はそういった場面で使用される言葉ではないため、「あのノワールっていう言葉、どんな意味か知らないな」と思われても、調べるまではしないという人が多いです。

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「ノワール」が登場する場面とは?

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「ノワール」は、日常において使いにくい言葉であると前述に明記しました。では「ノワール」とは、具体的にどこで使用されているのでしょうか。答えを端的にいうと、「固有名詞」に使用されている場合がほとんどである、と考えて間違いありません。何かに対して名前を付けなければいけない時に、「ノワール」は採用されて登場します。

その1 メディアに登場する「ノワール」

「ノワール」という言葉を検索すると、サジェストにはさまざまな言葉が登場します。そのうちいくらかは、ゲーム・漫画・アニメなどの登場人物などの名前です。創作において名前には、作者のこだわりが隠されているもの。通じやすいことよりも、言葉の響きや世界観への影響を考え、「黒」「ブラック」などではなく「ノワール」を採用している人が居る、と考えられます。

その2 企業名・商品名として採用される「ノワール」

「ノワール」は、企業の名前や商品の名前としてもよく採用されています。事業において、企業名や商品名はとても大切なもの。その大切なものに対して「ノワール」が採用されているということは、転じて「ノワール」という言葉にそれだけ魅力を感じている人が多い、ということの証拠でもあります。

「ノワール」が持つ魅力って?

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人に対してやや意味が通じにくい。日本語で置き換え可能。このような特徴があるにも関わらず、「ノワール」が度々使用されるのは何故でしょうか。「ノワール」には、「ノワール」という言葉しか持ち得ない独特の魅力があります。その魅力ゆえに、「ノワール」は色々な場面で採用され、登場するのです。

フランス語ならではの魅力を持つ「ノワール」

「ノワール」はフランス語です。フランス語全体の特徴として、まろやかで柔らかい語感があるという点があります。あくまで日本で使用される場合を考えた際、「黒」「ブラック」「ダーク」などの通じやすい言葉は、いずれも「か行」の音が入っており、鋭く強い印象を与えるのです。対して「ノワール」は、同じ意味でありながらも柔らかい語感で、深く上品である印象を相手に抱かせます。

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「ノワール」を使うと”一ひねりしている”と思われる

「ノワール」よりも「黒」「闇」と表現する方が、よりシンプルかつ通じやすいのは事実です。しかし裏を返すと、それは「一般的」ということ。場合によっては、「安直」「安っぽい」「こだわりが感じられない」と捉えられる場合もあるでしょう。会話であれば通じやすさを優先するべきですが、物の名前を考える時などは「難解さ」「高級感」「こだわりが感じられる」などの点が重要な場面もあります。「ノワール」はそのようなときに力を貸してくれる言葉なのです。

「ノワール」の類義語

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「ノワール」の類義語には以下のようなものがあります。

黒/ブラック
闇/暗闇/ダーク

「ノワール」という言葉は意味合い的に難しい言葉ではありません。そのため置き換えも比較的容易であり、一般的な英単語も含めると、類義語は簡単に考えられます。

人生を豊かにする「ノワール」

日本においてどうしても「ノワール」を使わなければ意味が通じない、という場面は、はっきり言ってほぼ無いに等しいと考えて良いでしょう。しかし、「ノワール」には「ノワール」しか持ち得ない、言葉の持つ魅力が備わっています。それを味わうことこそ、言葉の世界の面白さの醍醐味。日々の中で「ノワール」を見つけた際は、ぜひ本記事を思い出し、使用者のこだわりを感じてください。

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国語言葉の意味

ふとしたところで見かける「ノワール」の意味は?意味・特徴・使い所を言葉大好きライターが徹底わかりやすく解説!

実は決まった使い方が無い「ノワール」!そのわけは?

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「ノワール」という言葉に対して、例文を示して解説するのは非常に困難と言わざるを得ません。唯一の例外が、前述のトピックに出た「ノワール映画」です。なぜ「ノワール」を使った例文は難しいのか、理由を下記で解説していきます。

その1「ノワール」は敢えて使うもの

「ノワール」という言葉は、「黒」「闇」といった意味です。しかし、「黒」という単語の部分を「ノワール」に置き換えたとしても、日常で使える文章とは言えません。つまり、例文として非常に不適切な状態になってしまうのです。下記の例文を読んでみてください。

1.あのの服は、あなたに似合うと思う。
2.あのノワールの服は、あなたに似合うと思う。

1は何の問題もない、日常で使える文章です。しかし2の方は、とても「日常的に使える」「万人に通じる」言い方とは言えません。「ノワール」が使用できる場面では、基本的には「ノワール」という単語ではなく、そのまま「黒」「闇」という言葉にしておいた方が良いのです。「ノワール」という言葉は基本的に、意味が理解されにくいことを前提として、敢えて選ばれていると思ってください。

その2 「ノワール」は人の疑問に触れにくい

「ノワール」という言葉は、ビジネスやニュースなどの際にはあまり出てこない言葉です。そのため、人の疑問になりにくいという特徴があります。

ビジネス用語にはやや難解な言葉も多いですが、知らなければ業務に支障が出るため、調べて自分の知識とする人も多いでしょう。しかし、「ノワール」はそういった場面で使用される言葉ではないため、「あのノワールっていう言葉、どんな意味か知らないな」と思われても、調べるまではしないという人が多いです。

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