理科生物細胞・生殖・遺伝

「細胞骨格」を5分で学ぶ!細胞を支える代表的な3種類の細胞骨格を現役講師がわかりやすく解説します

今回は「細胞骨格」というキーワードに焦点を当てていこう。

生物のからだは細胞によって構成されるが、その細胞の構造維持や細胞の動きに欠かせないのが細胞骨格の存在です。一般的な光学顕微鏡ではなかなか観察できない構造物ですが、とても重要な役割を担っているぞ。

大学で生物学を学び、現在は講師としても活動しているオノヅカユウに解説してもらおう。

ライター/小野塚ユウ

生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。

細胞骨格とは?

image by iStockphoto

細胞骨格(さいぼうこっかく、英語:cytoskeleton)は、細胞の構造を支えたり、細胞の運動、細胞内の物質輸送などに用いられる繊維状の構造で、細胞小器官の一種に数えられます。専門的な文献では、英語の頭文字をとったCSKと書かれることもありますね。

”骨格”というと、私たち人間の腕や足を支えるような硬く太い骨をイメージしがちですが、細胞骨格は次の3種類の繊維によって成り立っています。

・マイクロフィラメント(アクチンフィラメント)

・中間径フィラメント

・微小管

これら3種類の繊維は、その構造や分布に違いがあります。それぞれご紹介していきましょう。

1.マイクロフィラメント(アクチンフィラメント)

細胞骨格を構成する3種類の繊維のうち、最も細いものがマイクロフィラメントです。その直径は5~9ナノメートルほどしかありません。このため、微細繊維(線維)や微小繊維(線維)ともよばれます。

主成分はタンパク質の一種であるアクチンが繊維状につながった高分子の繊維です。ここから、アクチンフィラメントともよばれます。この”アクチンフィラメント”という呼び方の方がよく使われているかもしれません。

補足をありがとうございます。

サブユニットであるアクチンがつながってできた鎖が2本、より合って二重らせん状になっているのがマイクロフィラメントの構造です。

このマイクロフィラメントが多く見られるのは、細胞膜直下。帯状に配列しています。これにより、細胞が簡単につぶれたり、変形してしまわないよう強度を与えているのです。

MEF microfilaments.jpg
Y tambe投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, リンクによる

また、マイクロフィラメントは細胞内での物質の移動や、細胞自体の移動にも重要な役割を果たします。

たとえば、細胞分裂の時。1つだった細胞の中で核の分裂が起きたあと、細胞全体が2つに分裂します。このとき、細胞では収縮環というリング状の構造が収縮し、”くびれ”るようにして分裂が起きるのですが、この収縮環にもマイクロフィラメントが使われているのです。

細胞自体の移動でイメージしやすいのが、アメーバなどの仮足による運動ですね。細胞の一部を突出させ、足のように伸ばして移動を可能にしますが、この仮足の形成にもマイクロフィラメントが関わっています。

2.中間径フィラメント

中間径(ちゅうかんけい)フィラメントは、マイクロフィラメントよりも太く、のちほどご紹介する微小管よりも細い…文字通り”中間”の太さである繊維です。直径は8~12ナノメートルほど。強度があり、細胞の構造をよりしっかりと支える機能があります。

この中間径フィラメントは、マイクロフィラメントとは違い、異なるタンパク質によって構成されている様々な繊維がまとめられているグループです。細胞の種類によってどの中間径フィラメントが使われているかはある程度決まっています。

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