
「ままならない」の使い方・例文
「ままならない」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.経験不足で簡単な仕事をこなすこともままならない状況なので、あれだけ憧れていた職場に入れたのにも関わらず最近ではネガティブな気持ちに押しつぶされそうである。
2.食事制限やサプリ、運動などさまざまなダイエットを試みたのにも関わらず効果が全く表れないなんて、ままならない世の中だ。
3.敬語で会話することもままならない相手とビジネス関係を結ぶなんて、もってのほかだ。
1番と3番の例文は、「~することもままならない」という用い方です。「~することもままならない」というのは「思い通りに~することができない」ことや「自由に~することができない」という意味で、自分や他人の行動が自分の理想通りにいかないことを指します。
一方で2番目の例文は、「ままならない~」という用い方です。他人の行動やあらゆる物事、状況などが自分の思い通りに動かないときや自由にできない時の悔しさや歯がゆい気持ちを表現します。主に「ままならない世の中」や「ままならない関係」など、自分だけではどうすることもできないものを指す表現です。
「~することもままならない」はきっかけや原因がはっきりしている状態で自分がどうすることもできない状態を表し、「ままならない~」は原因がわからないので諦めるしかないというような規模の大きいものや複雑に絡み合った問題に対して用いるというように使い分けましょう。
「ままならない」の類義語は?違いは?

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「ままならない」とは、物事や他人の思考行動が思い通りにいかないことや自由にならないことを表現する言葉でした。そんな「ままならない」の類義語はどのようなものなのでしょうか。
早速見ていきましょう。
「不如意(ふにょい)」
「ままならない」の類義語といえば、「思い通りにならない」や「うまくいかない」などたくさんの表現が思い浮かびますが、今回はあえて日常的にあまり用いない表現を取り上げたいと思います。
今回「ままならない」の類義語として紹介するのは、思い通りにならないことやそのさまを表す「不如意(ふにょい)」です。「不如意」は日常的にまず聞く機会が少なくとても難しい表現ですが、主に経済面が苦しくなるさまや手元に金銭的余裕がないさまを表現します。現代ではあまり聞き慣れないというのもそのはずです。「不如意」は武士が使っていた武士語であり、時代劇のセリフなどで出てくる言葉。武士は当時、手元に持ち合わせがないときや懐が寂しいときは「手元不如意(てもとふにょい)」と言ってその場を切り抜けていたそうですよ。時代劇や平安~江戸時代が舞台の映画を鑑賞するときは、注意して聞いてみてくださいね。
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