3.不整合(ふせいごう)とは
以前まで水中だった場所が地殻変動により地上に出てしまったり、整合してたまっていた地層が何かのきっかけで削られてしまったりして連続性が失われてしまった地層を不整合といいます。たとえば、もともと水中だった場所が隆起して地上にでると、風化や浸食で地層の一部が削られてなくなるんです。その後再び地層が堆積すると、地層のできた時期に大きなギャップが生じて不整合となるんですよ。
4.不整合の原因
地層が形成される時間的なギャップはどのようにして起こるのでしょうか。実は不整合が起こる原因にはいくつか挙げられます。不整合の原因について一つずつ解説しますね。
原因1.海水準変動
海面の高さが上がったり(海進)、海面の高さが下がったり(海退)することを海水準変動といいます。地球は海面の高さが高くなったり低くなったりを周期的に繰り返しており、この変化は地層の形成に大きく影響を与えるのです。海面が低くなると海底が地上から出てしまったり、堆積できる量に制限ができるために地層の形成が一時的に止まります。結果的に地層の形成に時間的なギャップが生じるのです。
原因2.地盤の隆起
隆起とは地盤の高さが上がる現象のことです。隆起の原因にはプレート運動による造山活動や海の海退などがあります。ヒマラヤ山脈や丹沢山地は造山運動による隆起で形成された山脈です。隆起すると今まで水中にあった場所が地上に出てくるため堆積が中断されます。
原因3.断層の活動
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断層とは地層が上下にずれる地質現象のことです。断層は地震を起こすため、断層の上や近くに建物を建てることは厳禁なんですよ。しかし、断層の活動は不整合ではありません。不整合は地層の形成にギャップが生じることであり、断層のようにただ上下に切られるだけでは不整合にならないのです。断層も不整合と勘違いする人が多いため注意しましょう。
5.不整合を見られる場所
日本は昔海の底だったところが付加体として地表に現れた場所です。つまり、不整合を観察できる露頭は多くあります。その中でも有名な不整合面について紹介しますね。
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