この記事では「ご容赦ください」について解説する。

端的に言えばご容赦くださいの意味は「許してください」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広報担当者としての経験を持つライター「井上 樹」を呼んです。一緒に「ご容赦ください」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/井上 樹

“広報担当者”としての顔を併せ持つライター。「単語の意味レベルでも、誤った情報は発信しない」をモットーにしている。今回は「ご容赦ください」について分かりやすく解説していく。

「ご容赦ください」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「ご容赦ください」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ご容赦ください」の意味は?

「ご容赦ください」には、次のような意味があります。辞書からの引用は「容赦」と「ください」に分けて紹介しますね。

【容赦】
ゆるすこと。大目に見ること。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「容赦」

【ください】
「ご(御)」を伴った漢語などに付いて、相手に何かを要望・懇願する意を表す。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「ください」

「ご容赦ください」は「ごようしゃください」と読み、ビジネスシーンで使われます。冒頭で桜木さんが説明したように「許してください」という意味を持ち、こちらのミスなどについて、許しを乞うようにお願いするときに使われる表現です。また、相手の要望や期待に添えない場合に備えて、あらかじめ断っておきたい時にも用いられるので覚えておきましょう。

ただし「ご容赦ください」は「お願い」の意味合いが強いため、そのまま使うと「謝罪」の意思が伝わらず、相手の気分を害する場合があります。誤解を避けるためにも、正しい意味や使い方を理解しましょう。

「ご容赦ください」の具体的な使い方は、後で例文を紹介しますね。

「ご容赦ください」の語源は?

次に「ご容赦ください」の語源を確認しておきましょう。

使われている漢字を見てみると、「受け入れる」という意味をもつ「容」、そして「許す」という意味を持つ「赦」で出来た形になっています。

この2つの言葉が合わさり、敬語表現の「ください」を付けることで、「ご容赦ください」は「許してください」という意味合いを持つ言葉になりました。

\次のページで「「ご容赦ください」の使い方・例文」を解説!/

「ご容赦ください」の使い方・例文

相手に許しを乞うような場面で使われる「ご容赦ください」という表現。実際にはどんな使われ方をするのでしょうか。

以下の例文を見ながら、「ご容赦ください」の使い方を理解していきましょう。

1.ご報告が遅くなってしまい申し訳ございません。何卒ご容赦ください。


2.何かと至らぬ点があるかと存じますが、どうかご容赦ください。


3.数には限りがございます。予めご容赦ください。

例文1は、報告が遅くなってしまったことを許してほしい、という意味になります。先ほど、ご容赦くださいだけだと謝罪の意思が伝わりにくいと説明しましたが、「申し訳ございません」など謝罪の言葉とともに使うことで誤解を避けることができますよ。

例文2、3はこれから起こりうる過失などに対して、事前にお断りしておきたいというときの使い方です。予め懸念している内容を伝えてお詫びすることで、何か不手際があったときに相手の心証が悪くなることを防ぐ効果があります。

例文3のように、「予め」を入れると、前もってお詫びするというニュアンスがさらに強まりますね。

「ご容赦ください」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

「ご容赦ください」の類義語にはどんな言葉があるのでしょうか。一緒に確認していきましょう。

その1「お許しください」

「お許しください」は、ご容赦くださいと同様、相手に謝罪の気持ちを伝えて許しを乞う場面で使われます。ただし、文字通りご容赦ください以上に「許してほしい」というニュアンスが強くなるため、使う時は注意しましょう。目上の人やビジネスの取引先などに対しては使わない方が無難な表現です。

\次のページで「その2「ご勘弁ください」」を解説!/

こちらの都合でメールでの連絡となってしまったことをお許しください。

その2「ご勘弁ください」

「ご勘弁ください」も、お許しくださいとほぼ同じニュアンスの言葉です。また「(これ以上は)やめてほしい」という意味を暗に伝えることもできます。

私の数々の失礼な言動について、どうかご勘弁ください。

その3「ご了承ください」

「ご了承ください」は、相手に意見を受け入れてもらいたい、または納得してもらいたいときに使う言葉です。ただし、お詫びの気持ちは含まれていないので、「申し訳ございませんが」など謝罪の言葉を添えて使うようにしましょう。

申し訳ございませんが、当日のキャンセルはできませんのでご了承ください。

「ご容赦ください」の対義語は?

結論から言うと、「ご容赦ください」に決まった対義語はありません。

ただし、「容赦」の対義語としては、「責める」「咎める」などの「許さない」というニュアンスの言葉が挙げられます。

\次のページで「「ご容赦ください」の英訳は?」を解説!/

「ご容赦ください」の英訳は?

image by iStockphoto

最後に、ご容赦くださいを英訳するとどんな表現になるのかをご紹介しますね。

その1「apologize」

英単語の「apologize」には謝罪するという意味があり、今回のご容赦くださいと同じような意味やニュアンスを持ちます。

英語には敬語という概念はありませんが、ビジネスの場面にふさわしい丁寧な言い回しがあるんです。「apologize」はその内の1つで、“I am sorry. ”などを使うよりも相手に丁寧な印象を与えることができるので覚えておくと便利ですよ。

その2「Please pardon A」

“pardon” は相手の言ったことが聞き取れなかった時などに使う表現としておなじみですよね。元々は「許す」という意味があります。“Please pardon”の形になることで「Aに対してお許しください」という意味になり、事前に相手に許しを求めるときに使われる表現です。ビジネスなどでも使える丁寧な表現なので覚えておきましょう。

最後に、それぞれの英語の例文を一つずつご紹介して、今回のご容赦くださいについての解説を終わります。

1. I apologize if there are any errors in the data.
(もしデータに不備があった場合は、ご容赦ください)

2. Please pardon me for a possibility of a mistake.
(間違ってしまう可能性がありますが、どうかご容赦ください。)

「ご容赦ください」を使いこなそう

この記事では「ご容赦ください」の意味・使い方・類語などを説明しました。

ご容赦くださいは、ビジネスシーンなどで相手に許しを乞うような場面で使われることがわかりましたね。

ただし、こちらの過失に対してどんな責めの言葉も受け入れます、という強い意思を示したい場面にはあまり適しません。「申し訳ありません」「お詫びします」などの謝罪の気持ちを示すことができる言葉に置き換えましょう。

お詫びをする際は、少し間違えただけでも相手の気分を害し、関係を悪化させてしまうことがあります。使い方には十分注意をした上で、効果的に「ご容赦ください」を使いこなしましょう。

" /> 「ご容赦ください」の意味や使い方は?例文や類語を広報担当者ライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

「ご容赦ください」の意味や使い方は?例文や類語を広報担当者ライターがわかりやすく解説!

この記事では「ご容赦ください」について解説する。

端的に言えばご容赦くださいの意味は「許してください」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広報担当者としての経験を持つライター「井上 樹」を呼んです。一緒に「ご容赦ください」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/井上 樹

“広報担当者”としての顔を併せ持つライター。「単語の意味レベルでも、誤った情報は発信しない」をモットーにしている。今回は「ご容赦ください」について分かりやすく解説していく。

「ご容赦ください」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「ご容赦ください」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ご容赦ください」の意味は?

「ご容赦ください」には、次のような意味があります。辞書からの引用は「容赦」と「ください」に分けて紹介しますね。

【容赦】
ゆるすこと。大目に見ること。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「容赦」

【ください】
「ご(御)」を伴った漢語などに付いて、相手に何かを要望・懇願する意を表す。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「ください」

「ご容赦ください」は「ごようしゃください」と読み、ビジネスシーンで使われます。冒頭で桜木さんが説明したように「許してください」という意味を持ち、こちらのミスなどについて、許しを乞うようにお願いするときに使われる表現です。また、相手の要望や期待に添えない場合に備えて、あらかじめ断っておきたい時にも用いられるので覚えておきましょう。

ただし「ご容赦ください」は「お願い」の意味合いが強いため、そのまま使うと「謝罪」の意思が伝わらず、相手の気分を害する場合があります。誤解を避けるためにも、正しい意味や使い方を理解しましょう。

「ご容赦ください」の具体的な使い方は、後で例文を紹介しますね。

「ご容赦ください」の語源は?

次に「ご容赦ください」の語源を確認しておきましょう。

使われている漢字を見てみると、「受け入れる」という意味をもつ「容」、そして「許す」という意味を持つ「赦」で出来た形になっています。

この2つの言葉が合わさり、敬語表現の「ください」を付けることで、「ご容赦ください」は「許してください」という意味合いを持つ言葉になりました。

\次のページで「「ご容赦ください」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: