この記事では「蔑む」について解説する。

端的に言えば蔑むの意味は「侮る」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを7年経験したgotanを呼んです。一緒に「蔑む」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/gotan

ライター歴7年のgotanが、ささいな言葉の意味について悩んだ経験から言葉にこだわるようになった。そんなgotanが「蔑む」について解説する。

「蔑む」の意味や語源・使い方まとめ

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蔑むという言葉は、「さげすむ」と読みますが、「貶む」と書く場合もあります。自分より相手の方が劣っているとか価値が低いという意味があり、あまり良い言葉として使われていません。この記事では、「蔑む」の意味や使い方、類義語や対義語などを紹介します。

それでは早速「蔑む」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「蔑む」の意味は?

「蔑む」には、次のような意味があります。

蔑むとは、相手を低く見て馬鹿にすることをいいます。
出典:Goo辞書

そもそも「蔑む」とは他人の誰かを軽蔑することをいいます。特に「蔑」という漢字を使った「蔑視」や「侮蔑」といった言葉は多くありますが、全て相手をバカにしたような見下げた意味合いで使う言葉です。ですから、こうした相手をないがしろにするような表現をされた場合、言われた方はすごく嫌な思いをするでしょう。

「蔑む」と同じ漢字を使った単語には「蔑ろ」という言葉がありますが、「蔑ろ」という字は「ないがしろ」と読みます。「ないがしろにする」という意味は、「あってもないもののように軽く見る」という、そもそも価値がないもといった意味があり、他には「きちんと整っていない」という意味です。

同じ「蔑」という字が使われていますが、「蔑ろにする」という言葉は「蔑む」よりもさらに相手を突き放して見下した言葉だといえます。

「蔑む」の語源は?

次に「蔑む」の語源を確認しておきましょう。
蔑むの語源は、大工が墨縄に重りを付けて垂らして柱などに印をつけて垂直を測定する、下墨(さげすみ)という技術から来ているという説があります。この説だと、「人を下げ済む」は相手を見るとか、相手を推し量るという意味になり、それは相手の悪意や下心を見透かす意味になりますから、そこから相手を軽蔑する意味へと結びついたようです。また、別の意味では、「下げ卑しめ」という言葉が変化して「蔑む」になったともいわれています。

\次のページで「「蔑む」の使い方・例文」を解説!/

「蔑む」の使い方・例文

「蔑む」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

1.あの人はいつも相手の人格を無視したような、蔑んだような言葉を使う。
2.その人の能力が普通よりも劣っているからといって、蔑むことはするべきではない。
3.その人は、周囲から蔑まれていることに気が付かない

例文1 あの人はいつも、相手を無視してバカにしたような言い方をしているという意味。
例文2 その人は一般の人よりも能力がないとしても、その人を無視するような態度をとるべきではないという意味。
例文3 その人は、周りの人たちからバカにされ、蔑ろにされているが本人はそのことに気がついていないという意味。

「蔑む」の類義語は?違いは?

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蔑むの類義語には、「嘲る」「見くびる」「侮る」といった言葉がありますが、それぞれの意味を解説します。

その1「嘲る」

「嘲る」の意味は、見下して悪口を言うということですから、蔑むとほぼ同じような言葉です。「嘲る」の例文としては「人を嘲るような冷たい目つきだ」、「他人の失敗を嘲るような姿は良くない」といった使い方をします。

\次のページで「その2「見くびる」」を解説!/

その2「見くびる」

「見くびる」は、相手を軽く見たり過小評価するといった意味であり、よく似ています。例文としては、たとえば「あの人は、随分と人を見くびった行動をする」「あの人は、一見優しそうだが見くびらない方がいいだろう」というよう使い方があるでしょう。

その3「侮る」

「侮る」の意味は、相手を軽く見てバカにすることですから、蔑むという言葉とほぼ同じです。例文としては、たとえば「今度の相手は侮ると痛い目に合いそうだ」「相手がまだ子供だと思って侮ってはいけない」というような使い方をします。

「蔑む」の対義語は?

「蔑む」の対義語には、「敬う」「崇める」といった言葉がありますが、それぞれの意味を解説します。

その1「敬う」

「敬う」という言葉は、相手を尊ぶという意味ですから、蔑むとは反対の言葉だといえるでしょう。例文としては、たとえば、「父母を毎日敬う気持ちが大事だ」「相手を敬い尊重する気持ちを持つことが人間関係の秘訣だ」「先生を敬う精神が年々薄れてきている」といった使い方をします。

その2「崇める」

「崇める」の言葉は、尊いものとして敬うという意味ですから、「蔑む」とは逆になります。「崇める」の例文として、たとえば、「彼はいずれ神のように崇められるだろう」「この国では牛は人間以上に崇められている大切な存在だ」「彼は今日まで、英雄のように崇められてきた」といった使い方があるでしょう。

その3「尊ぶ」

尊ぶは「たっとぶ」とも読みますが、現在は主に「とうとぶ」と読まれ、「尊重する」という意味がありますから、蔑むとは逆の意味になります。尊ぶの例文として、たとえば、「日本人は相手の立場を尊ぶ習慣があります」「目上の人を尊ぶ気持ちが大事だ」「命を尊ぶ思いを大切にする」といった使い方があるでしょう。

\次のページで「「蔑む」の英訳は?」を解説!/

「蔑む」の英訳は?

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「蔑む」を英語に直訳すると「despise」となりますが、一般的には「look down 」という「見下す」という言葉を使います。英語での例文は、たとえば、「look down on with disdain」(軽蔑して見下す)「he looked down his nose at me」(彼は私を蔑んでいた)といった使い方があるでしょう。

「蔑む」を使いこなそう

この記事では「蔑む」の意味や使い方、類義語や対義語などを説明しました。蔑むと同じ漢字を用いた「蔑ろ」は「ないがしろ」読み、相手を無視したり無いもののように扱うという意味があります。また、「蔑視」「蔑称」など「蔑」のつく熟語は多く、いずれも相手を見下した意味ですから、使う場合は注意しなければなりません。

「蔑む」の類義語は多く、特に「蔑」のつく熟語が多くあります。対義語といえば「尊ぶ」「崇める」といった、相手を見下す意味とは逆の意味の言葉になるでしょう。いずれにしても、「蔑む」という言葉は決して良い言葉ではありません。

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国語言葉の意味

「蔑む」の意味や使い方は?例文や類語を読書好きライターがわかりやすく解説!

この記事では「蔑む」について解説する。

端的に言えば蔑むの意味は「侮る」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを7年経験したgotanを呼んです。一緒に「蔑む」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/gotan

ライター歴7年のgotanが、ささいな言葉の意味について悩んだ経験から言葉にこだわるようになった。そんなgotanが「蔑む」について解説する。

「蔑む」の意味や語源・使い方まとめ

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蔑むという言葉は、「さげすむ」と読みますが、「貶む」と書く場合もあります。自分より相手の方が劣っているとか価値が低いという意味があり、あまり良い言葉として使われていません。この記事では、「蔑む」の意味や使い方、類義語や対義語などを紹介します。

それでは早速「蔑む」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「蔑む」の意味は?

「蔑む」には、次のような意味があります。

蔑むとは、相手を低く見て馬鹿にすることをいいます。
出典:Goo辞書

そもそも「蔑む」とは他人の誰かを軽蔑することをいいます。特に「蔑」という漢字を使った「蔑視」や「侮蔑」といった言葉は多くありますが、全て相手をバカにしたような見下げた意味合いで使う言葉です。ですから、こうした相手をないがしろにするような表現をされた場合、言われた方はすごく嫌な思いをするでしょう。

「蔑む」と同じ漢字を使った単語には「蔑ろ」という言葉がありますが、「蔑ろ」という字は「ないがしろ」と読みます。「ないがしろにする」という意味は、「あってもないもののように軽く見る」という、そもそも価値がないもといった意味があり、他には「きちんと整っていない」という意味です。

同じ「蔑」という字が使われていますが、「蔑ろにする」という言葉は「蔑む」よりもさらに相手を突き放して見下した言葉だといえます。

「蔑む」の語源は?

次に「蔑む」の語源を確認しておきましょう。
蔑むの語源は、大工が墨縄に重りを付けて垂らして柱などに印をつけて垂直を測定する、下墨(さげすみ)という技術から来ているという説があります。この説だと、「人を下げ済む」は相手を見るとか、相手を推し量るという意味になり、それは相手の悪意や下心を見透かす意味になりますから、そこから相手を軽蔑する意味へと結びついたようです。また、別の意味では、「下げ卑しめ」という言葉が変化して「蔑む」になったともいわれています。

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