

端的に言えばはにかむの意味は「恥ずかしがる」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は難関私大の文学部を卒業し、表現技法にも造詣が深い十木陽来を呼んだ。一緒に「はにかむ」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/十木陽来
難関私大の文学部卒ライター。現代文芸の表現技法を学びながら趣味で小説を書いたりもしてきた。今回は表情を表す言葉の一つである「はにかむ」の意味をわかりやすく丁寧に解説していく。
「はにかむ」の意味や語源・使い方まとめ

皆さんは「はにかむ」の正しい意味をご存じでしょうか。もしかしたら誤った解釈で使用しているかもしれません。
早速「はにかむ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「はにかむ」の意味は?
「はにかむ」には、次のような意味があります。
[動マ五(四)]恥ずかしがる。恥ずかしそうな表情をする。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「はにかむ」
「微笑む」と同じような意味で使われていることがありますが、辞書的な意味では「恥ずかしがる」が正しい意味です。恥ずかしがって照れる際に微笑んだり薄笑いを浮かべたりすることが多いため、辞書とは異なるニュアンスが広まったものと思われます。
また「はにかむ」は感情を表現する言葉ですが、内面よりも表情を表すことが一般的です。誰かがはにかんでいる場合、周りの人から見てもはにかんでいることがわかります。仮に「心の中ではにかむ」と書いた場合、かなり詩的な表現になるでしょう。
「はにかむ」の語源は?
次に「はにかむ」の語源を確認しておきましょう。「はにかむ」の「は」は「歯」のことであり、元々「歯が不揃いにはえていること」を指す言葉でした。それが転じて「歯をむき出す」の意味となり、更に歯をむき出しにしている表情が照れくさそうに笑っているように見えるため、現在の「恥ずかしがる」の意味となりました。
語源を考えると「歯にかむ」や「歯に噛む」と書いてしまいそうになりますが、実際に漢字で書く場合は「含羞む」となります。「羞恥心」の「羞」が用いられていることからわかる通り、これは「恥ずかしがる」という意味で使われるようになってから生まれた当て字です。一般的に使われる書き方ではありませんが、知っておけば雑学として自慢できるかもしれませんね。
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