
「粗相」の使い方・例文
「粗相」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.飲み会のゲームでミスを連発してコールで一気飲みを何度もした結果、通勤ラッシュの満員電車で粗相してしまった自分をトイレまで連れて行って看病してくれた相手には謝罪してもしきれない。
2.贔屓にしていただいている取引先からご紹介を受けたお客様なので、粗相のないように対応してください。
3.今回開催されたイベントで、大人数の前で失態を晒す粗相をしてしまったことが原因で今まで築き上げてきた信頼が簡単に消えてしまった。
「粗相」とは、人前で自分の醜態や失態をさらすということです。自分の失敗をへりくだって打ち明けるときや、上司、雇用主などの目上の人から指示を受ける場合などに用いられるということがわかります。
「粗相」は小さなことや親しい間柄で起これば大した問題ではないですが、公共の場や職場では一回でもしてしまえば信頼を失うという致命的なミスにつながるものです。経験不足から生じる失敗と、自分の確認不足や不注意から生じる「粗相」とではミスの重みが違いますよね。「粗相」で信頼を失わないように、仕事を丁寧に行い、公共の場ではマナーを守って気を引き締める必要があります。
また、例文のような自分の失敗だけでなく「犬は飼い主の留守中にわざと粗相をする」や「子供の粗相は仕方がない」など、自分の管理下における立場の弱いものがしてしまう失態に対しても用いることができる表現です。
「失態」
「粗相」の類義語はこれまで文中にも何度かでてきた「失態」です。
「失態」は、恥ずかしい失敗をすることを表現する言葉。確認不足や注意不足から生じる「粗相」も恥ずかしくみじめなものですよね。よって「粗相」と「失態」は失敗の中でも同じような部類のものを指すことがわかります。しかし言葉自体でお漏らしを表現できる「粗相」と違って「失態」は、人の笑いものになるような失敗をして面目を失うという大まかな枠組みの話なので、それ自体だけでお漏らしを表現することはありません。
「粗相」の重要な意味の一つであるお漏らしを表現する類義語はほかにあるので、見ていきましょう。
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