
端的に言えばあしからずの意味は「悪く思わないでほしい」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
日本語学を学び学習ライターを経験したfleurを呼んです。一緒に「あしからず」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/fleur
小学校の頃の趣味は広辞苑を読むこと。日本語学を専攻し、出版社で校正を担当した経験も活かしわかりやすい日本語解説記事を発信する。
「あしからず」の意味や語源・使い方まとめ

それでは早速「あしからず」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。何となく聞いたことはあるけど、いまいち使い方が分からないという方も多いのではないでしょうか。使っても良いシーンが限られるため、ビジネスの場などでうっかり相手を不快にさせないためにも特に使い方に注意していきましょう。
「あしからず」の意味は?
「あしからず」という単語は、見聞きしたことはあってもはっきりと意味が分からないという方も多いですよね。まず、大体の意味から把握しましょう。「あしからず」には、次のような意味があります。
[連語]相手の希望や意向に添えない場合などに用いる語。悪く思わないで。気を悪くしないで。「どうか悪しからず御了承ください」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「あしからず」
漢字では「悪しからず」と書きます。相手の要望に応えることができなくて申し訳ない気持ちを伝える言葉です。
ビジネスなどの場面でやむをえない状況で、事前に相手に迷惑をかける可能性について断りを入れる表現として使われることが多いでしょう。しかし、目上の方に対して1語で使ったり、明らかに自分自身のに非がある出来事に対して使ったりすると失礼な印象を与えるので注意が必要です。
「あしからず」の語源は?
次に「あしからず」の語源を確認しておきましょう。古語のシク活用の形容詞である「悪し」の未然形「悪しから」に打消しの助動詞「ず」をつけてできた言葉です。古語では現代語の「悪い」と同じような意味を持ち、ここでは「嫌な感じ」というような不快感を示していると言えるでしょう。
元々は「~ので、あしからず。」のように1語で文末に用いる用法が主でしたが「あしからずご了承ください。」のように文中に置かれることも増えています。
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