その2「純真無垢」
「純真無垢(じゅんしんむく)」も良く使われる四字熟語ですね。こちらも人物に対して用いられる言葉です。
「純真」とは、邪念がなく、心が綺麗だと言う意味ですね。また、「垢」は仏教用語では、欲望や執着を表すことですので、「無垢」と言うのは、汚れなく清らかである、と言う意味を持ちます。このように「純真無垢」は、似た意味の「純真」と「無垢」を合わせて、意味を強調している四字熟語です。そして意味は、素のままで汚れなく、純粋で清らかだと言うことですから、「天衣無縫」の類義語と言えるでしょう。
「天衣無縫」の対義語は?
「天衣無縫」の対義語には、「狡猾老獪」が挙げられます。
「狡猾老獪」
「狡猾老獪」は「こうかつろうかい」と読みます。「狡猾」と「老獪」と言う言葉を聞いたことがあるでしょう。「狡猾老獪」はこの二つを組み合わせた四字熟語です。
「狡猾」とは、ずる賢い、と言う悪い意味の熟語ですね。そして「老獪」は、経験豊富な年かさの人間でずる賢いこと、を表します。つまり「狡猾老獪」は、経験が豊富でずる賢い、と言う意味なのです。もちろん悪い意味で用いられます。
「天衣無縫」は、飾り気がなく素のままのと言う「老獪」とは反対の意味合いがありますから、対義語としてふさわしいでしょう。
「innocent」「harmless」「 flawless」
「天衣無縫」を表現するには三つの英単語が挙げられます。
一つめは「innocent」です。「innocent」にはいくつか意味がありますが、その中でも、無垢な、無邪気な、と言う意味を持っています。
二つめは、「harmless」です。こちらは、無邪気な、邪気がない、と言う意味で用いる事ができる英単語ですね。
最後に「 flawless」ですが、こちらは、完璧な、傷がない、と言う意味です。「天衣無縫」を、詩歌に用いた場合は、完璧な、と言う意味がありますから、その場合は「 flawless」を使うと良いでしょう。
「天衣無縫」は意味が二つある言葉ですので、英訳する場合には気をつけましょう。
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