
「未曾有」の使い方・例文
「未曾有」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.昨日の災害は誰も予測できなかった未曾有の事態であり、メディアも十分な情報を発信できていない状況である。
2.あの会社は震災によって未曾有の危機を迎えたが、社員の賢明な努力によって何とか乗り越えた。
3.私たちの世代にもなると、現代の若者が好む文化は未曾有のものばかりだ。
例文を見ていただければわかるように、「未曾有」は誰も予想することができなかった大きな災害や被害、危機、または文明の進歩などに対して用います。
まさにコロナウイルスによって世界中で起こったパンデミックは「未だ曾て有らず(いまだかつてあらず)」という事態ですね。ウイルスだけでなく、日本は大きな震災も多く起きる国なのでニュースなどの報道で「未曾有」という言葉はよく目にするでしょう。
このように震災や災害など、「未曾有」は誰も予測できなかった危機の深刻さを強調するというネガティブな意味で用いることが多いですが、「これまでに起こったことがないほどすごいこと」などの、ポジティブな場面で用いることもあります。
「未曾有」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto
「未曾有」は、いい意味でも悪い意味でも今までに一度も起こったことがないことを指す言葉でした。
「未曾有」と同じ意味を表現する類義語はどのようなものなのでしょうか。早速見ていきましょう。
その1「前代未聞(ぜんだいみもん)」
「未曾有」の類義語としてまず挙げられるのは「前代未聞」です。
「前代未聞」は、これまでに聞いたこともないような珍しいことや大変な出来事を表現する言葉。意味はほとんど同じなので基本的に「未曾有」の代わりとして用いることができますが、深刻さを強調する「未曾有」に対して「前代未聞」は物珍しさのほうをより強調するニュアンスが強いです。
よって災害や事件などの深刻な事件を伝える場合には「未曾有」を、珍しい事件や呆れるような事件を伝える場合には「前代未聞」を用いるというように使い分けるようにしましょう。
\次のページで「その2「空前絶後(くうぜんぜつご)」」を解説!/