
端的に言えばパラドクスの意味は「矛盾、ジレンマ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
元予備校校舎長で教育系ライターのみゆなを呼んです。一緒に「パラドクス」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/みゆな
元大手予備校校舎長、現在は教育系のライター。国語、特に現代文の指導経験が豊富。難解な言葉や表現を中高生がスラスラ理解できるように解説するのが大得意。
「パラドクス」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto
「パラドクス」という言葉を聞いたことはありますか?「パラドックス」とも言いますね。英語の「paradox」からきている言葉で、ビジネスシーンでも使われることがあります。ただ意味が難しく、今一つ正しく理解できているか自信がないという方は多いかもしれませんね。今回は「パラドクス」について詳しく解説します。
それでは早速「パラドクス」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「パラドクス」の意味は?
「パラドクス」の意味を辞書で調べてみましょう。
1.逆説,矛盾のようで実は正しい説
2.一見正しく見える矛盾した言葉、矛盾した(ところのある)人、事情
出典:新英和中辞典(研究社)「paradox」
「パラドクス」の元である英単語の「paradox」は、「逆説、矛盾しているようで実は正しい説」という意味です。世間一般的には正しいとされている説に対する、反対の説・考え・主張などを指す言葉、つまり「定説に反する」という意味を表します。
「パラドクス」がよく登場するのは数学や哲学、論理学の世界。「間違っているように見えるが、実は正しい説」や、その逆で「一見正しく見えるが、正しいとは認められない説」を指すのが「パラドクス」です。また「矛盾」という意味を含むことからわかるように、条件を加えると論理が成り立たなくなるという場合にも使われます。
のちほど例文や具体例を出しながら解説しますので、実際の使い方を見ながら理解を深めていきましょう。
「パラドクス」の語源は?
「パラドクス」の元である英語の「paradox」は古代ギリシャ語の「paradoxos」に由来します。「paradoxos」は「予想に反した」という意味ですが、元々は「para-(~に反して)」+「doxa(予想)」という言葉の組み合わから生まれました。
後に「paradoxon(信じられない意見)」という意味に発展し、この言葉がラテン語の「paradoxum(パラドックス)」、中期フランス語の「paradoxe(パラドックス)」とスペルを変えながら受け継がれ、「一般的な予想(doxa)に反した(para-)意見」という語源を持つ現代の英語に繋がっています。
\次のページで「「パラドクス」の使い方・例文」を解説!/