1.ひとりの政治家の汚職をきっかけに、その政権は瓦解していった。
2.一つのミスであっても、企業が瓦解する恐れがある。危機管理は徹底した方が良いだろう。
3.今まで皆を引っ張ってくれた上司がプロジェクトから抜けてしまうが、このまま瓦解するのは防ぎたい。
4.監督の不用意な発言で、チームの結束が瓦解していくのがわかった。
小さな崩れが原因で組織の秩序や構造全体が崩れてしまうときに「瓦解」は使用します。組織に使うため、例文のようにビジネスやチーム、政治の場などで使われることが多いです。また、例文2や3のように戒めの意味で使うこともできます。
ただし「瓦解」は、あくまで“一部がダメになったところから”という意味。すべてが一度に崩れた場合などには使用できないので、状況や様子に合わせて使うようにしましょう。
その1「崩壊」
「崩壊(ほうかい)」とは文字通り、“くずれこわれる”こと。一般的にもよく用いられる言葉です。“こわれてしまう”という意味が「瓦解」と共通しており、類義語表現としてよく挙げられます。
ただし「瓦解」と「崩壊」は類似しているものの、使い方が微妙に異なる言葉です。「瓦解」とは、“一部が壊れて”から壊れる様子に対し、「崩壊」にはそのような意味は含みません。また「崩壊」は組織や秩序以外に建造物について用いることも可能です。そのため「瓦解」よりも「崩壊」の方が幅広く用いることができます。
それぞれの言葉の性質をおさえ、ニュアンスや状況に応じて使えるよう注意しましょう。
その2「破綻」
「破綻(はたん)」とは、“破れほころびる”ことです。そこから転じて、“物事が修復できないほど行き詰まる”様子を指し、「経営破綻」などの言葉でも用いられます。
「瓦解」の持つ、“組織が維持できなくなる”という点で同じ意味合いを持つ類義語です。“壊れる”という意味自体は「破綻」には含まれませんが、秩序や組織が機能しなくなる様子を表すのであれば、この言葉でも言い換えができます。
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