この記事では「画策」について解説する。

端的に言えば画策の意味は「計画を立てる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「画策」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「画策」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「画策(かくさく)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「画策」の意味は?

「画策」には、次のような意味があります。

はかりごとをめぐらすこと。ひそかに計画を立てること。また、その計画。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「画策」

「画策(かくさく)」とは、“事前にひそかに計画している”こと。「がさく」と誤って読む場合がありますが、読み方は「かくさく」です。

こっそりと事前に物事の準備や作戦を整えること自体は決して悪いことではありません。ですが「画策」という言葉は、悪い意味で使われるのが一般的です。「画策」という言葉には“相手を陥れてだますための計画”という意味が含まれるため、使用する際は状況やニュアンスに気をつけましょう。

「画策」の使い方・例文

「画策」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「画策」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.昔受けた行為の復讐をしようと、彼は画策し続けていた。
2.会社を乗っ取ろうと画策していたが、どうやら失敗に終わったらしい。
3.何も知らないフリをしている彼女が、陰でいろいろ画策しているのを知ってしまった。
4.彼女の恋人の座を狙って、あれこれ画策する男性陣が印象的な映画だった。
5.このままでは相手の画策している策略にはまってしまうだろう。
6.これはあくまで偶然の結果で、彼がなにか画策したものではないと判断された。

「画策」は、例文のように「画策している」「画策する」といった使い方が一般的です。日常シーンでもビジネスでも用いることができますが、良い意味では使われません

一方で悪い意味を打ち消したい場合は、例文6のように否定の形で用いることもあります。「画策」は“相手を陥れようとする”というニュアンスが含まれている言葉です。そのような目的ではなかったと言う場合や、悪意がないときにはこのような使い方も見られます。

「画策」の類義語は?違いは?

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続いて、「画策」の類語表現を紹介します。

その1「企む」

「企む(たくらむ)」とは、“物事を計画する”こと。とくに悪事を計画する時に使われる言葉です。悪いことを計画する、という点で「画策」と「企む」は類義語表現と言えます。

また「企」という漢字でも、別の読み方をするのが「企てる(くわだてる)」という言葉です。「企てる」も“計画する”という意味で用いますが、こちらは良いことにも悪いことにも使います。それぞれの言葉の持つニュアンスを抑えておきましょう。

その2「目論む」

「目論む(もくろむ)」とは、“物事をしようと考えをめぐらせる”こと。「目論見(もくろみ)」という言葉でも使われ、囲碁で対局中に目の数を数えることが語源になったと言われています。

事前に考えをめぐらせるという意味において、「画策」の類義語表現です。ただし「目論む」という言葉は、良いことにも悪いことにも使用できます。「画策」のようにネガティブなニュアンスの言葉ではありません。

\次のページで「その3「魂胆」」を解説!/

その3「魂胆」

「魂胆(こんたん)」とは、“心に持つたくらみごと”のことで、策略を意味します。おもに“悪だくみ”の意味合いで使われる言葉です。

“心のうちで考える悪いこと”という点では、「魂胆」も「画策」の類語と言えるでしょう。ただし「魂胆」には“考え”という意味が強く、計画という意味合いは「画策」よりも弱めです。状況に応じて使い分けましょう。

「画策」の対義語は?

次に「画策」の反対の意味を持つ対義語について考えてみましょう。「画策」とは“こっそり準備した計画”のことです。その点で考えると、“事前に準備していない”ことは反対の意味を持つと言えます。

ここではそのような意味を持つ言葉を見ていきましょう。

その1「無計画」

「無計画(むけいかく)」とは、“見通しも立てずに物事を行う”こと。文字の通り、計画が無い様子を表現する言葉です。

「画策」が計画的な行動であるのに対し、計画を伴わない「無計画」は対義語表現と言えます。事前に準備もせずに行動するときに用いましょう。

その2「偶発的」

「偶発的(ぐうはつてき)」とは、“出来事が予想もできずに起こる様子”を表した言葉です。突然の結果や偶然発生した際に用います。あくまで“たまたま”できたもののため、事前の計画や準備などはありません。

事前に準備する「画策」に対し、準備もなく突然起きる「偶発的」も、対義語表現のひとつと言えます。意図的ではなく、偶然物事が起きた場合に用いるといいでしょう。

「画策」の英訳は?

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最後に「画策」の英語表現について見ていきます。

\次のページで「「scheme」」を解説!/

「scheme」

「scheme」とは“企む”という意味を持つ英単語。カタカナ語の「スキーム」として設計や計画という意味で使われますが、英語の「scheme」には“陰謀”“悪い企み”といった意味もあります。

“悪意のあるたくらみ”として「画策」を表すのであれば、「scheme」で表現するのがおすすめです。上記のように日本語のニュアンスと違うので、誤用には気をつけましょう。

「画策」を使いこなそう

この記事では「画策」の意味・使い方・類語などを説明しました。

良い意味合いではない「画策」ですが、今も政治や世界情勢の話題ニュースなどで耳にすることがあります。意味やニュアンスを正確にとらえて理解を深めましょう。

また用いる際は状況を見極めて、誤用のないように注意してくださいね。

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国語言葉の意味

「画策」の意味や使い方は?例文や類語を元広告会社勤務ライターがわかりやすく解説!

この記事では「画策」について解説する。

端的に言えば画策の意味は「計画を立てる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「画策」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「画策」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「画策(かくさく)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「画策」の意味は?

「画策」には、次のような意味があります。

はかりごとをめぐらすこと。ひそかに計画を立てること。また、その計画。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「画策」

「画策(かくさく)」とは、“事前にひそかに計画している”こと。「がさく」と誤って読む場合がありますが、読み方は「かくさく」です。

こっそりと事前に物事の準備や作戦を整えること自体は決して悪いことではありません。ですが「画策」という言葉は、悪い意味で使われるのが一般的です。「画策」という言葉には“相手を陥れてだますための計画”という意味が含まれるため、使用する際は状況やニュアンスに気をつけましょう。

「画策」の使い方・例文

「画策」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「画策」の類義語は?違いは?」を解説!/

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