・唯一の担当者が不正を看過するのは、悪事に加担するのと同じくらい罪深いのではないか。
・会社員になったというのにこんなに遅刻が多いようでは看過できないな。
・お客様に提供した商品に不具合が生じたというのは、看過しえない事態である。
1つ目の例文は肯定形で使うもの、2つ目は否定形の例文を紹介しました。また、3つ目のように、「看過できない○○」という使い方をすることもあります。「○○」には「状態」「事態」「段階」などの言葉が入りますよ。
「看過」の類義語は?違いは?
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では、「看過」の類語を見ていきましょう。
これまでの説明に登場した「見逃す」「放置」「大目に見る」も類語といえますが、ここではそれ以外のものを紹介し、今まで登場したものも含めて例文を挙げておきます。
その1「黙認(もくにん)」
文字どおり、黙って認めることや過失をとがめず見逃すことをいいます。
公然とOKとは言えないものの、「まあいいか」となんとなく許され、それが暗黙の了解につながることもありますね。ただ、相手は単に悩んで黙っているだけなのに「黙認された!」と都合よく解釈してしまうのはトラブルの元。判断に悩むケースもありそうです。
その2「等閑視(とうかんし)する」
いい加減に扱って放っておくことをいいます。この「等閑(とうかん)」は「なおざり」とも読み、やはり疎かに扱うという意味。
簡単に言えば「見て見ぬふり」と同じような意味ですが、もっと硬い文脈というか、「由々しき事態だ!」と言いたいようなケースに使われがちです。「看過」と同じく「等閑視できない」「等閑視すべきでない」など否定の形で多く用いられます。
・ちょっとしたミスだからと見逃すことが、本人のためになるのだろうか。
・彼の行為は社会的には問題があるが、犯罪行為というほどではないので放置されている。
・秘書の過失を大目に見るぐらいの度量がないと社長は務まらない。
・もう社会人なのだから、夜遊びぐらい黙認してもらうわけにいかないのだろうか。
・現状を等閑視して対策を練らなかったのは、我々経営陣の反省点だ。
・健康診断の結果が少々悪くても、つい見て見ぬふりをしたくなります。
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