
1.レポートの主旨が明確に伝わるように、摘要を記載した。
2.取引内容がよく分からないので、この摘要欄を書き直してください。
3.法律の内容を摘要する。
1は、「大切な箇所の書き抜き・まとめ」という意味で「摘要」を使っています。
2は、会計業務での使い方です。せっかく提出した経理書類について、経理部門からこのように言われたら、がっかりしてしまいそうですね。
3は、「する」を付けて動詞として使う場合です。「法律の内容の大切な部分を抜き書きする」という意味になりますが、かなりかたい表現となり、日常的にはあまりしない使い方かもしれませんね。
その1「要旨」
「主な内容」という意味の言葉です。
厳密に言えば、大切な部分を「書き抜き」する「摘要」に比べ、「要旨」は「主な内容を取りまとめたもの」というニュアンスがあります。内容の主要な点を短くまとめたものという点で共通していますね。
その2「大意」
「大体の意味」という意味の言葉です。「要旨」と同様に、大切な部分を書き抜くという意味よりは、「全体のあらましをまとめたもの」という意味の言葉と言えるでしょう。
「適用」との混同に注意!
「摘要」とよく混同される言葉に、「適用」があります。これは、「当てはめて用いること」という意味の言葉であり、「摘要」とはまったく意味が違いますね。ところが、読み方が同じで字面が似ているからか、間違って使っている場合がとても多い言葉です。それぞれの言葉の意味の違いをしっかりとつかみ、意識して区別しましょう。
特に、「摘要」と「適用」を間違いやすいのは、上記の例文の3のような場合です。「適用」にも「法律を適用する」、つまり「法律を当てはめる」という使い方があり、とても混乱しやすいので注意してください。
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