「衆生」の対義語は?
「衆生」の対義語についても確認します。
「仏/菩提」
教化の対象としての(六道に属する)迷える生命という意味での「衆生」に対しては、既に悟りによって六道から解脱し人々を導く「仏」が対義語となるでしょう。しかし、かなり広義の意味での「衆生」の語には菩薩や仏も含まれることがあり、それを採用するとむしろ同義語となります。以下の辞典の引用も、参考にして下さい。
インドでは仏教も他の諸宗教も、人と動物との間に根本的な区別を設けず、業(ごう)(カルマ)によって種々に生まれ変わる(輪廻(りんね))と説く。仏教では地獄・餓鬼(がき)・畜生(ちくしょう)・阿修羅(あしゅら)・人・天の六道を輪廻転生すると説く。通常は輪廻に迷う存在を衆生とみなすが、広義には輪廻から脱(ぬ)け出した(解脱(げだつ))仏・菩薩(ぼさつ)も衆生に含める。また、竜、羅刹(らせつ)、夜叉(やしゃ)、乾達婆(けんだつば)、緊那羅(きんなら)、摩呼洛迦(まごらか)など神話上の異類や、地獄の獄卒(ごくそつ)などを衆生とみなす場合もある。
出典:日本百科全書(小学館)「衆生」より一部引用
また、菩提とは仏の悟りの境地のことです。「下化衆生(げけしゅじょう)」「上求菩提(じょうぐぼだい)」という四字熟語があります。これらの語の意味を考える際には、仏-菩薩-衆生の三層構造を想像してみてください。「下化衆生」は、仏や菩薩からみて下に位置する衆生を救済・教化することです。一方、「上求菩提」は菩薩が上に位置する仏を目指し、さらなる悟りへと励むことを意味します。この二つをまとめた「上求下化」という四字熟語も覚えておきましょう。
「非情」
山川草木や国土など心を持たず、輪廻をしない存在を指す語です。直接的には「有情」の対義語ですが、類義語の欄で述べたように「衆生」「有情」はほぼ同一視出来るため、「衆生」の対義語とも言えるでしょう。
「衆生」の英訳は?
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語源の欄で紹介した「sattva」がそのまま英訳となります。形容詞として使う場合には「sattvic」の形です。なお、サンスクリット語における語源satを共有するその他の英単語としては、「satya」(真実)や「satī」(サティー)があります。
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