
「生憎」の使い方・例文
「生憎」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.せっかくお誘いいただいたのに申し訳ないですが、生憎の天気で交通機関が乱れ、参加が厳しくなってしまいました。
2.ただいま仕事が立て込んでいる状況でして、生憎ですが後ほどメールにて対応させていただくという形でもよろしいでしょうか。
3.人気の敏腕秘書と謳われていたあなたが素性をメディアに暴かれるなんて、ご生憎様ね。
「生憎」は、「生憎の天気」や「生憎の雨」など悪天候によって計画や予定が崩れてしまうことを残念に思う気持ちを表現する際によく見かける言葉ですね。1番の例文はこのように悪天候を残念に思う気持ちを意味しています。
2番目の例文は直接話す機会を設けることができずに申し訳なく思う気持ちを丁寧に表現しているものです。1番の残念に思う気持ちと2番の申し訳なく思う気持ちは非常に近い表現ですが、1番では「生憎」とは別に「申し訳ないですが」を用いていることからもわかるように、少しニュアンスが異なります。自分が要因で期待に沿えないのか、自分以外の要因で期待に沿えないのかという点に注目して使い分けると分かりやすいですね。
3番目の例文は前述した、皮肉の意味を込めた「お生憎様」という使い方です。相手の挫折や失敗に対して、心からの同情や励ましではなく蔑んでいる様子がわかりますね。これは目上の人やビジネスシーンで用いられる敬語としての「生憎」とは対照的に相手を見下す表現なので、使い方には十分注意しましょう。

「生憎」には、なぜ「生」という漢字がつくのだろうという疑問を持ったことはないだろうか。ついつい深読みしてしまいそうなものだが、単なる当て字という事実には拍子抜けだな。
「生憎」は基本的に相手に対して敬意を示す表現だが、「お生憎様」という皮肉を含む使い方もあるとは驚きだ。現代の日常会話で使う機会はあまりないと思うが、時代設定が古い物語などではよく見かける言葉だな。
「生憎」の類義語は?違いは?

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「生憎」は予定通りに計画が進まなかったり、相手の期待に添えずに申し訳なく思う気持ちを表現する言葉でした。
「生憎」の類義語を見ていきましょう。
「残念ですが」「申し訳ないですが」
「生憎」は自分が要因な場合の申し訳ない気持ちと、自分以外が要因で残念な気持ちのどちらも表現することができるということを説明しました。よって類義語も「残念ですが」と「申し訳ないですが」の2つがまず挙げられます。
「残念なことに」や「残念な○○なので」など、「残念ですが」は用いる状況によってさまざまな形で使い分けることができるので、申し訳ない気持ちを強調させたい時だけ「申し訳ないですが」を用いてあとは「残念」を使うようにするとわかりやすいですね。