この記事では「朗らか」について解説する。

端的に言えば朗らかの意味は「晴れ晴れとして明るいさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語が好きで日本文学科を卒業したハルを呼んです。一緒に「朗らか」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハル

日本語が大好きで日本文学科を卒業。現在はアメリカで子育て中につきさらに日本語の奥深さを実感中。多くの人にそのよいところを紹介したいとの思いを込めて丁寧に解説する。

「朗らか」の意味や語源・使い方まとめ

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「朗らか」は「ほがらか」と読みます。友達の名前が「太郎」だったか「太朗」だったか、間違えてしまったことはありませんか?「郎」も「朗」も同じく「ろう」と読みますが、その意味は違うのです。「郎」は「男」を表し、男性の美称としても使われる文字とのこと。では、「朗」の字を使う場合にはどんな意味が込められているのでしょう。

それでは早速「朗らか」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「朗らか」の意味は?

まず初めに「朗らか」の意味を辞書で確認してみましょう。「朗らか」には次のような意味があります。

1.心にこだわりがなく、晴れ晴れとして明るいさま。
2.明るく光るさま。日ざしが明るく、空が晴れわたっているさま。
3.広く開けて明るいさま。
4.あいまいさがなく、はっきりしているさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「朗らか」

このように「朗らか」には、ひらけて曇りなく晴れやかなさまという意味があります。特に、気持ちや性格が明るくて楽しげな様子を表すときに使われる言葉です。また、「朗らかな春の日」というように天候を表現する場合にも使われ、明るく晴れ渡っている様子を形容しています。「あいまいさがなく、はっきりとしているさま」という意味も持っていますから、「朗らかな性格」というと「嘘も裏もなく明るくて穏やかで気持ちのいい性格」を表していると考えられますね。

「朗らか」の語源は?

次に「朗らか」の語源を確認しておきましょう。

「朗」の字は、「」と「」に分けることができます。「良」という字は、中に穀物(こくもつ)を入れて風を送り、もみ殻(がら)を取り去って実だけを残す道具の形からできた文字です。穀物をより分けて、よいものを選び出すことから「よい」意味となりました。「月」は欠けた月の形からできた文字ですが、そのものずばり「月」を意味します。よい月は明るい、月光がよく澄んで明るいというところから、「朗」という漢字が成り立ちました。

\次のページで「「朗らか」の使い方・例文」を解説!/

「朗らか」の使い方・例文

「朗らか」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.僕のクラブの先生は、朗らかな人柄でみんなから慕われています。
2.ありのままの自然を活かした庭で開かれた結婚式は、朗らかな日差しが差し込んで集ったみんなを笑顔にした。
3.パンケーキが人気のそのカフェは、いつも朗らかで自然体でいられる場所だ。
4.人間関係をよくするため、いつも朗らかな態度で相手と接したいものだ。

例文1は、心にこだわりがなく、晴れ晴れと明るい先生の性格が表現されています。そんな先生がいたら、みんなから大人気になりますね。

例文2では、庭で開催された結婚式が、晴れわたって明るい雰囲気だったことが想像できますね。こんな結婚式の朗らかな空気は、みんなの表情を晴れやかにしてくれること間違いありません。

例文3のカフェは、オープンカフェなのかもしれませんね。開けて明るい店内に明るい日差しが差し込む様子が想像できます。こんなカフェで勉強や仕事をしたら、いつもよりぐっとはかどるかもしれません。

例文4では、相手との理解を深めるため人間関係を円滑にするため、あいまいさがなくはっきりとした態度で人と接することが大切であることが表現されています。

「朗らか」の類義語は?違いは?

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それでは、「朗らか」の類義語にはどんなものがあるでしょうか。違いとともに見ていきましょう。

その1「明朗」

「明朗」は「めいろう」と読みます。「こだわりがなく、明るくほがらかなこと」「内容をはっきりと示して、うそやごまかしがないこと」という意味です。「明朗快活」「明朗会計」などと使いますね。「朗」の字と「明るい」という字の組み合わせですから「朗らか」の意味も含んでいますが、比較するとよりはっきりと不正がないという意味で使われています。

\次のページで「その2「陽気」」を解説!/

その2「陽気」

「陽気」は「ようき」と読みます。気候を表したり、「陰気」に対する「陽気」、つまり「万物が今まさに生まれ出て、活動しようとする気」の意味があるのです。また、「気分や雰囲気などが晴れ晴れしていること。にぎやかで明るいこと」の意味も持っています。「朗らか」では心に曇りがなく晴れ晴れとしている意味が含まれているのに対して、「陽気」はただただにぎやかで明るい雰囲気が表現されるのです。

「朗らか」の対義語は?

次に、「朗らか」の対義語にはどんなものがあるでしょうか。

「陰鬱」

「陰鬱」は「いんうつ」と読みます。この文字を見ただけでも、「朗らか」と打って変わった暗い雰囲気が浮かんでしまいますね。「陰鬱」には「陰気でうっとうしい感じがするさま。また、心が晴れ晴れしないさま」という意味があります。まさに正反対の意味を持っているのです。

「朗らか」の英訳は?

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今度は、「朗らか」の英訳を見てみましょう。

「cheerful」

「朗らか」を英訳すると、「cheerful(快活な、朗らかな)」と表すことができます。

他にも「cheery(陽気な)」、「beamish(明るい、陽気な)」、「genial(親切な、優しい、穏やかな)」、「bright(明るい、輝く、晴れやかな)」、「merry(陽気な、愉快な)」など様々に訳すことができますね。

My daughter is smiling cheerfully with her favorite picture book.(娘は、自分の大好きな絵本を持って朗らかに笑っている。)

I was relieved to see the face of my hometown's cheery old lady.(ふるさとの朗らかなおばちゃんの顔を見て安心しました。)

\次のページで「「朗らか」を使いこなそう」を解説!/

「朗らか」を使いこなそう

この記事では「朗らか」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「朗らか」は、こちらの心まで明るくなるような、穏やかで気分のいい響きを持っていますね。明るく晴れ渡った空。心にこだわりがなく、晴れ晴れと澄み渡っていつも自然体でいられる人。困ったことや嫌なことがあってもイライラしたし落ち込んだりせず、穏やかな笑顔で過ごしている人。そんな場面や人に出会ったとき、「朗らか」と表現して自分の気持ちも明るくしていきましょう。

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国語言葉の意味

「朗らか」の意味や使い方は?例文や類語を日本文学科Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「朗らか」について解説する。

端的に言えば朗らかの意味は「晴れ晴れとして明るいさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語が好きで日本文学科を卒業したハルを呼んです。一緒に「朗らか」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハル

日本語が大好きで日本文学科を卒業。現在はアメリカで子育て中につきさらに日本語の奥深さを実感中。多くの人にそのよいところを紹介したいとの思いを込めて丁寧に解説する。

「朗らか」の意味や語源・使い方まとめ

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「朗らか」は「ほがらか」と読みます。友達の名前が「太郎」だったか「太朗」だったか、間違えてしまったことはありませんか?「郎」も「朗」も同じく「ろう」と読みますが、その意味は違うのです。「郎」は「男」を表し、男性の美称としても使われる文字とのこと。では、「朗」の字を使う場合にはどんな意味が込められているのでしょう。

それでは早速「朗らか」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「朗らか」の意味は?

まず初めに「朗らか」の意味を辞書で確認してみましょう。「朗らか」には次のような意味があります。

1.心にこだわりがなく、晴れ晴れとして明るいさま。
2.明るく光るさま。日ざしが明るく、空が晴れわたっているさま。
3.広く開けて明るいさま。
4.あいまいさがなく、はっきりしているさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「朗らか」

このように「朗らか」には、ひらけて曇りなく晴れやかなさまという意味があります。特に、気持ちや性格が明るくて楽しげな様子を表すときに使われる言葉です。また、「朗らかな春の日」というように天候を表現する場合にも使われ、明るく晴れ渡っている様子を形容しています。「あいまいさがなく、はっきりとしているさま」という意味も持っていますから、「朗らかな性格」というと「嘘も裏もなく明るくて穏やかで気持ちのいい性格」を表していると考えられますね。

「朗らか」の語源は?

次に「朗らか」の語源を確認しておきましょう。

「朗」の字は、「」と「」に分けることができます。「良」という字は、中に穀物(こくもつ)を入れて風を送り、もみ殻(がら)を取り去って実だけを残す道具の形からできた文字です。穀物をより分けて、よいものを選び出すことから「よい」意味となりました。「月」は欠けた月の形からできた文字ですが、そのものずばり「月」を意味します。よい月は明るい、月光がよく澄んで明るいというところから、「朗」という漢字が成り立ちました。

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