結露が出来始める温度「露点」日常でよく見る環境の事象について理科教員免許持ちのライターがわかりやすく解説
結露が出来るメカニズム
結露の水滴はどこからやってくるのか?
この水蒸気が気体の状態で居られる容積当たりの最大質量が決まっており、それが飽和水蒸気量です。飽和水蒸気量は温度と圧力で決まっているもの。高温で圧力が低いほど気体になれる量が多く、
水分子は気体になろうとするのですが、
飽和水蒸気量と湿度
さて、ココからがポイントです。この飽和水蒸気量は温度によって変化するもの。温度が高いほど水分子の運動が活発になるから気体でいられる飽和水蒸気量が大きな値になり、温度を下げれば逆に飽和水蒸気量は少なくなります。
ということは、水蒸気量を一定にして冷却するほど高湿度になり、最終的には湿度が100%に。水蒸気として存在できなくなった「水」が結露として現れ、このときの温度が「露点」です。湿度100%になるのが露点ということですね。
2.結露ができるかどうかの判定
外気温が低いほど結露が現れやすい。それは、窓ガラスが外気で冷やされ露点を下回るからです。以下の場合、窓ガラスに結露が現れるか否か飽和水蒸気曲線から数値を読み取って計算し、判定してみましょう。
結露出現の判定例題
image by Study-Z編集部
問1 室温が20℃で湿度が60%のときの空気1L中の水蒸気量を求めましょう。
問2 問1において露点温度はいくらでしょうか。
問3 室内の温度を20℃に保ちつつ低湿度にすることで結露を防ぎます。外気温が5℃、室温20℃のとき、湿度を何%まで乾燥させれば結露は現れないでしょうか。ただし、窓ガラスは外気温と同じ5℃まで冷却されるものとしましょう。
問4 空調して外気温と室温の温度差を小さくすることで飽和水蒸気量の差を小さくすることで湿度が現れにくいようにする。室内空気の湿度60%を維持する場合、室温を何℃まで冷やせば結露は現れないでしょうか。
例題の解説
問1解答 20℃の時の飽和水蒸気量が17g/Lであり、湿度が60%なので水蒸気量は 17×0.6=10.2 g/L です。
問2解答 問1の水蒸気量で湿度が100%になる温度が露点で、グラフより飽和水蒸気量が約10g/Lになるときの温度は11℃となります。
問3解答 窓ガラスの温度5℃において結露が現れない、つまり5℃の飽和水蒸気量より少ない水蒸気量にすればいいわけです。5℃の飽和水蒸気量は9[g/L]であり、この水蒸気量で20℃だと湿度は 9÷17 ≒53 %となります。
問4解答 問3同様5℃の飽和水蒸気量の同じ水蒸気量で湿度60%だと、飽和水蒸気量は9÷0.6 =15 [g/L]であり、この時の温度は17℃(18℃も可)と読み取れますね。
\次のページで「3.雨戸を断熱して結露を防ぐ」を解説!/