この記事では、「ナーバス」について解説する。
『最近あの人「ナーバス」だよね…』なんてどっかで聞いたことのあるようなセリフですが、「ナーバス」を「イライラしている」って意味だと思っていないか?「ナーバス」はイライラだけではなく、もうすこし広い状態を含む言葉です。
今回は慢性的に寝不足で、「ナーバス」がデフォルトになりつつあるライターのぷーやんを呼んです。「ナーバス」の意味と使われ方について、ちょっと落ち着いて説明してもらおうか。

ライター/ぷーやん

webライター歴6年。鍛えられた語彙と文章力は本業でも発揮され、社内ルールの書き換え担当に。日ごと、どころか時間ごとに自身の気分が変動することに困っている。気分が安定するよう自分に自信と貫禄を付けるべく、手軽なところで筋トレに邁進中。

「ナーバス」はどういう意味?

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まずは「ナーバス」の意味からみていきましょう。

辞書で「ナーバス」をみてみよう!

辞書には、「ナーバス」は次のように載っています。

[形動]神経質なさま。神経過敏なさま。「本番前で―になる」「―な人」
出典:デジタル大辞泉(小学館) 「ナーバス」

「ナーバス」は外来語として定着している言葉です。英語でのスペルは「nervous」と表記され、「神経が昂っている状態」を意味します。英語で「nervous」というときには、緊張感を表す場合も。神経を尖らせてピリピリしている状態だけではなく、手に汗握る展開にドキドキしている場合にも使いますので、ご注意を。

例文で「ナーバス」の使い方を確認!

それでは次に、「ナーバス」の使い方を例文で押えていきましょう。

1.いよいよ試験本番が近づいてきて、彼はだいぶナーバスになってきている。
2.毎日毎日発せられるあなたの気まぐれで益体のない小言は、私をとてもナーバスにさせる。
3.うちの子はなにかにつけてナーバスに周囲の反応を気にして、全然素の自分を出さないので見ていてヤキモキする。

例文1は、緊張感でピリピリしている様子が伝わってきますね。入試など人生の分岐点になるようなイベントの前には、どうしても精神的に不安定になるものです。

例文2のように『悪い所を直してもらうのではなく、文句を言うこと自体が目的になっている人』というのは、周囲の人はもとより、延いてはそのコミュニティ全体の雰囲気を悪くします。気を付けたいものですね。

例文3のような子どもは、もしかしたら発達障害と診断されるタイプかもしれません。2012年に児童福祉法が改正され、放課後デイサービスの運用が民間企業にも解放されました。それからは児童発達支援施設が町中に増え、そうした施設の求人も就職・転職サイトに多くみられます。お子様や身近にいる子の中に『ちょっと変わった子だな…』と思う節があったときに、身近に相談できるところがあるのは心強いですね。

「ナーバス」の類義語・言い換え表現3選!

「ナーバス」は心の動きを表す言葉ですが、目に見えないものを表現する分、その意味合いの把握は曖昧になりがち。そこで次に、「ナーバス」の意味の輪郭をよりはっきりさせるために、類義語と対義語を押えていきましょう。

情緒不安定:急激・一時的に感情が安定しない

「情緒」は「様々な感情が複雑に起こること」や、「感情を動かす特殊な雰囲気」といったニュアンスで使われているのを、よく聞くのではないでしょうか。『異国情緒』などがいい例ですね。しかし「情緒」にはもう1つ、実は「急激で一時的な感情」という意味も。したがって「情緒不安定」という場合には、「一時的に感情が不安定になる状態」という意味になります。

センシティブ:敏感

機械の感度調整などで、「センシティブ」という単語を聞いたことがないでしょうか。機械だけではなく、「センシティブ」は人の感情の敏感さにも使われる言葉です。「ナーバス」と比べると「センシティブ」は、「傷つきやすい」というニュアンスの強い言葉でしょう。

ナイーブ:繊細な

上記のほかに、「素直」「純粋で傷つきやすい」「未熟」などの意味があります。外部からの刺激に、容易に翻弄されやすいというニュアンスが、「ナーバス」に通ずるものがありますね。

英語で「ナイーブ(naive)」というときはご注意を!

日本人同士の会話で「ナイーブ」という場合には、「繊細・純朴」を表すために使われます。しかし英語圏で「naive」という場合には、「未熟者」「世間知らず」といった具合に、相手を下にみる発言になりますので、お気を付けください。

\次のページで「「ナーバス」に対義語はある?」を解説!/

「ナーバス」に対義語はある?

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「ナーバス」の類義語をみてきましたが、対義語にはどんなものがあるのでしょうか?

鈍感:感覚・反応などが鈍い

「ナーバス」は神経を尖らせて、ちょっとした刺激に対しても反応してしまう状態。その対義語としては、「鈍感」が当てはまるでしょう。

無神経:物事の感じ方が鈍い・人の気持ちを気にしない

神経がないかのようなふるまいを表現する「無神経」も、神経質を意味する「ナーバス」の対義語と言えそうです。

「ナーバス」の原因と対処

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過敏に様々なことに反応してしまう状態の「ナーバス」。大きなイベントの前など、期間限定で起こるだけなら問題ないでしょう。しかし慢性的に現れているようなら、用心したほうがいいかもしれません。

対策が必要?精神障害による「ナーバス」

適応障害・パーソナリティ障害・双極性障害・統合失調症などの精神障害は、気分をナーバスな状態にします。具体的には、以下のような症状は要注意。

・ひどく他人を疑い、幻覚や幻聴が起こる
・心臓が高鳴るほどの不安感が1日に何度も現れる
・物事を悪いほうにばかり考えてしまう
・些細なことでイライラしてしまう
・ハイテンションで自尊心の強い状態の期間と、無気力な状態の期間を繰り返す

原因や対処方法はそれぞれ違いますので、あまりにひどく情緒不安定な状態にさいなまれる場合は、迷わず心療内科を受診してください。

性格による「ナーバス」

精神障害との線引きがあやふやな部分もありますが、次のような性格の方の場合、「ナーバス」な状態に陥りやすいでしょう。

・物事を深く考えすぎる/1つのことに執着して切り替えが上手にできない
・先のことをよく考える(不確定要素があると不安)
・自分のしたことで相手がどう思うかを考えすぎる
・人に言われたことを気にしすぎる
・完璧主義者

上記いずれの例にも共通するのは、『心配性』であるということ。心配なことがあるがゆえに、気分が落ち着かないということです。

「ナーバス」への対処法

心配性な人はその日の予定や他人の評価など、『どうなのかわからない』ことに強くストレスを感じるものです。そんな人が「ナーバス」を避けるには、『常に先手を打っておくこと』と、『なるべく他人と会話すること』の大きく分けて2つが大切。

『先手を打つ』具体的な行動は、毎日最低限やっておきたいことのToDoリスト作成や、期日が決まっていることへの早め早めの対処など。期日までの時間から逆算して、その日やっておきたいことをリストしておけば、焦りからの「ナーバス」にはならないでしょう。

『なるべく他人と会話すること』は、他人の評価が気になる方には特におすすめ。『あの人は私のことをこんな風に悪く思っていないか…』などという、余計な邪推で疑念やイライラが膨らまないようにするためです。率直に話しをしてしまえば案外すっきりするものですよ。

「ナーバス」は心の悲鳴

この記事では「ナーバス」について解説しました。心理状態を表す「ナーバス」は似た言葉が多くあり、元となる英語圏での使われ方と若干違いがあるなど、使い方に注意を要する言葉です。

そんな「ナーバス」な状態に自分がもしも陥っているとしたら、それは自分の心に余裕がなくなっていることの証でしょう。そんなときはすこしの時間でいいので活動を止めて、抱えている課題を整理してみるといいかもしれません。そして、重要度の低いものは思い切って断捨離してしまいましょう。

心に余裕がなくなって「ナーバス」になっていると、周囲の人を傷つけるかもしれません。それだけでなく、めぐりめぐって自分をさらに傷つけることにもなるでしょう。

「ナーバス」な自分に気づいたら心が悲鳴をあげていると思って、とにかくひと呼吸おくのが吉。この記事が「ナーバス」への対応について、なにか参考になりましたら幸いです。

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国語言葉の意味

「ナーバス」は緊張?ナイーブとの違いとは?日本語での意味や使い方をwebライターがわかりやすく解説!

この記事では、「ナーバス」について解説する。
『最近あの人「ナーバス」だよね…』なんてどっかで聞いたことのあるようなセリフですが、「ナーバス」を「イライラしている」って意味だと思っていないか?「ナーバス」はイライラだけではなく、もうすこし広い状態を含む言葉です。
今回は慢性的に寝不足で、「ナーバス」がデフォルトになりつつあるライターのぷーやんを呼んです。「ナーバス」の意味と使われ方について、ちょっと落ち着いて説明してもらおうか。

ライター/ぷーやん

webライター歴6年。鍛えられた語彙と文章力は本業でも発揮され、社内ルールの書き換え担当に。日ごと、どころか時間ごとに自身の気分が変動することに困っている。気分が安定するよう自分に自信と貫禄を付けるべく、手軽なところで筋トレに邁進中。

「ナーバス」はどういう意味?

image by iStockphoto

まずは「ナーバス」の意味からみていきましょう。

辞書で「ナーバス」をみてみよう!

辞書には、「ナーバス」は次のように載っています。

[形動]神経質なさま。神経過敏なさま。「本番前で―になる」「―な人」
出典:デジタル大辞泉(小学館) 「ナーバス」

「ナーバス」は外来語として定着している言葉です。英語でのスペルは「nervous」と表記され、「神経が昂っている状態」を意味します。英語で「nervous」というときには、緊張感を表す場合も。神経を尖らせてピリピリしている状態だけではなく、手に汗握る展開にドキドキしている場合にも使いますので、ご注意を。

例文で「ナーバス」の使い方を確認!

それでは次に、「ナーバス」の使い方を例文で押えていきましょう。

1.いよいよ試験本番が近づいてきて、彼はだいぶナーバスになってきている。
2.毎日毎日発せられるあなたの気まぐれで益体のない小言は、私をとてもナーバスにさせる。
3.うちの子はなにかにつけてナーバスに周囲の反応を気にして、全然素の自分を出さないので見ていてヤキモキする。

例文1は、緊張感でピリピリしている様子が伝わってきますね。入試など人生の分岐点になるようなイベントの前には、どうしても精神的に不安定になるものです。

例文2のように『悪い所を直してもらうのではなく、文句を言うこと自体が目的になっている人』というのは、周囲の人はもとより、延いてはそのコミュニティ全体の雰囲気を悪くします。気を付けたいものですね。

例文3のような子どもは、もしかしたら発達障害と診断されるタイプかもしれません。2012年に児童福祉法が改正され、放課後デイサービスの運用が民間企業にも解放されました。それからは児童発達支援施設が町中に増え、そうした施設の求人も就職・転職サイトに多くみられます。お子様や身近にいる子の中に『ちょっと変わった子だな…』と思う節があったときに、身近に相談できるところがあるのは心強いですね。

「ナーバス」の類義語・言い換え表現3選!

「ナーバス」は心の動きを表す言葉ですが、目に見えないものを表現する分、その意味合いの把握は曖昧になりがち。そこで次に、「ナーバス」の意味の輪郭をよりはっきりさせるために、類義語と対義語を押えていきましょう。

情緒不安定:急激・一時的に感情が安定しない

「情緒」は「様々な感情が複雑に起こること」や、「感情を動かす特殊な雰囲気」といったニュアンスで使われているのを、よく聞くのではないでしょうか。『異国情緒』などがいい例ですね。しかし「情緒」にはもう1つ、実は「急激で一時的な感情」という意味も。したがって「情緒不安定」という場合には、「一時的に感情が不安定になる状態」という意味になります。

センシティブ:敏感

機械の感度調整などで、「センシティブ」という単語を聞いたことがないでしょうか。機械だけではなく、「センシティブ」は人の感情の敏感さにも使われる言葉です。「ナーバス」と比べると「センシティブ」は、「傷つきやすい」というニュアンスの強い言葉でしょう。

ナイーブ:繊細な

上記のほかに、「素直」「純粋で傷つきやすい」「未熟」などの意味があります。外部からの刺激に、容易に翻弄されやすいというニュアンスが、「ナーバス」に通ずるものがありますね。

英語で「ナイーブ(naive)」というときはご注意を!

日本人同士の会話で「ナイーブ」という場合には、「繊細・純朴」を表すために使われます。しかし英語圏で「naive」という場合には、「未熟者」「世間知らず」といった具合に、相手を下にみる発言になりますので、お気を付けください。

\次のページで「「ナーバス」に対義語はある?」を解説!/

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