「事由」の使い方・例文
「事由」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.当社に起因する事由によって損失が発生したときは損害相当額を補償する契約を結ぶ。
2.会社を辞めるなら退職事由をはっきり伝えることが大切だ。
3.民法では一定の事由があれば裁判によって離婚することが認められている。これを法定離婚事由という。
「事由」と聞くとかたぐるしいお役所言葉のように思われるかもしれませんが、案外見る機会が多いものです。とはいうものの、やはり社内規定や法律などで使われることが普通で、普段友人たちと話しているときに口にすることはあまりありません。友達との会話で「事由」などという言葉が頻発すると違和感を覚えるのではないでしょうか。「事由」は特別な場合に使われることが多く、無意識に発せられる言葉ではありません。
「事由」の類義語は?違いは?
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「事由」の類義語で真っ先に思いつくのは「理由」でしょう。文字も1字違うだけですし、発音もよく似ています。意味も似たような言葉と言えるのではないでしょうか。しかし微妙な違いがありますから、気をつけてください。
また「根拠」という言葉も「事由」の類義語と言えます。この2つの言葉を説明しましょう。
その1「理由」
「事由」がある物事が起きた原因ときっかけであるのに対し、「理由」はなぜそうなったのかという事情を指します。ここで注意しなければならないのは「事由」と「理由」が意味する範囲の広さです。「理由」はその物・人・現象がなぜ起きたのかを表すのに対し、「事由」は「事が起きたことそのもの」だけを指すという違いがあります。つまり「事由」は「理由」のなかに含まれる概念なのです。
したがって法律によって仕事をしている法曹界では、事情のいかんにかかわらず条文に従って是非を判断しますから「事由」を使うことが多くなります。
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