この記事では「成就」について解説する。

端的に言えば「成就」の意味は「成し遂げる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役学生ライターのタビビトを呼んです。一緒に「成就」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タビビト

現役の文学部学生ライター。学生生活の中で数多くの芸術関係の執筆を行い、小学生の頃から多種多様な書籍を読破してきた生粋の文化系。読書量に比例する文章力で日本語をわかりやすく解説していく。

「成就」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「成就」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「成就」の意味は?

「成就」には、次のような意味があります。

物事を成し遂げること。また、願いなどがかなうこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「成就」

「成就」は「じょうじゅ」と読みます。「学業成就」や「恋愛成就」という言葉は、神社の絵馬やお守りでよく見かけますよね。勉学にしても恋愛にしてもその他の願いにしても、人はその願いが叶うように自分で努力しつつも天などの見えない大きな力にもすがりたいものです。「願いが叶いますように」という思いを、「成就」という言葉に託して祈るわけですね。

このように神に祈りつつも、「成就」は自分が望む物事を運任せにするのではなく自分で努力してつかみ取ることを指す言葉です。自分の力で物事を成し遂げて願いをかなえるということは神頼みは意味のないことかもしれませんが、神社の絵馬やお守りは頑張るための力をもらうためのものなのかもしれませんね。

「成就」の語源は?

次に「成就」の語源を確認しておきましょう。「成就」は「成」と「就」いう二つの漢字から成り立っていますね。この二つの漢字の意味を紐解いていくと、語源を理解することができますよ。

まず「成」には、「物事を成し遂げる」や「なす」、「なる」という意味があります。何か目標の物事に到達するという意味をあらわすことがわかりますね。続いて「就」は、「その方へ行く」や「おもむく」、「つく」という意味です。つまり「成」と「就」は二つとも何かを成し遂げたり目標地点に到達するという同じ意味の漢字を組み合わせることで意味を強調している言葉だということがわかります。

確かに、単に「成る」や「就く」だけよりも二つ合わさった「成就」のほうが何か大きい物事を成し遂げたイメージがわきますよね。以上のことから、「成就」が物事を成し遂げて願いや望みをかなえることを指すことがわかりました。

\次のページで「「成就」の使い方・例文」を解説!/

「成就」の使い方・例文

「成就」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

1.恋愛成就を願ってわざわざ北海道神宮まで赴き、御祈祷を受けたり境内にある縁結びパワースポットを巡ったりした。


2.対象商品のお支払方法をカードなどのキャッシュレス方法に変更してお届け先がどんな都道府県の地域でも送料無料や、ご要望の時間に合わせた配送サービスを展開したことで予想以上の注文を獲得し、大願成就の結果となった。


3.自然が好きな一部の会員の中でずっと悲願だった山の山頂についに徒歩でたどり着くという願いが成就し、さらにほかのこの山においてもこの時期に予定していた回数を上回る登頂を達成することができた。

例文からわかるように「成就」は、「恋愛成就」「大願成就」など熟語を組み合わせて用いられる場合が多いです。このほかにも「学業成就」や「心願成就」「宿願成就」などがあります。中でも「大願」と「宿願」と「心願」はどれも願いということには変わりないですが、それぞれ少しずつニュアンスが異なりますので、一つ一つ意味を見ていきましょう。

「大願」はみんなの願い、つまり「大願成就」とはみんなの願いが叶うという意味です。次に「宿願」は前から持っていた願いという意味なので「宿願成就」は前々から持っていた願いが叶うこととなります。「心願」は心からの願いという意味、したがって「心願成就」は心からの願いが叶うということになりますね。

願いの種類や主語によって使い方が変わってくるということなので、お祈りする際には正しく使い分けてみましょう。

「成就」の類義語は?違いは?

「成就」とは、物事を成し遂げて願いをかなえることを指す言葉でした。神頼みとして用いられる場面が多い言葉ですが、実は自分の力で成し遂げることで願いをかなえるという意味であることが分かりましたね。

「成就」の類義語やその違いはどのようなものなのでしょうか。早速見ていきましょう。

「大成(たいせい)」

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「大成」とは、大きな事業を成し遂げることや物事を完全にやりきることを指す言葉です。

「大きなことを成し遂げる」という漢字そのままの意味ですが、ダイレクトでわかりやすいですよね。「大きなこと」と一口に言っても様々な意味がありますが、主に会社の大きなプロジェクトや社会的名誉のある取り組みに成功したことなどの公的な成功を指します。

よって個人的な願いも含む「成就」とは、成し遂げた物事の規模の違いによって使い分けることができますね。個人的なものでも、周囲を思ってのものでも、規模に限らず願いを叶えるという要素が強いのが「成就」で、それがたとえ本心から願っていないことだとしても社会的に成功を収めた場合には「大成」を用いるというように使い分けることができるでしょう。

\次のページで「「成就」の対義語は?」を解説!/

「成就」の対義語は?

「成就」は、心からの願いやみんな共通して持つ願い、個人的な願いなど様々な種類の願いをかなえたり達成することを表現する言葉でした。対義語も一概に「願いがかなわない」という意味だけでなく、様々な形の表現方法がありそうです。

それでは早速見ていきましょう。

「頓挫(とんざ)」

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「成就」の対義語は、計画や予定が途中で駄目になり達成出来なくなることを指す「頓挫」です。

同じような意味で「挫折(ざせつ)」という言葉もありますが、「挫折」は計画が駄目になることだけでなくそれによって意欲や自身が失われるという意味も含みます。つまり「頓挫」よりも失望感が強いということですね。「成就」は願いの重さによってその意味合いが変わってくるので、対義語も「頓挫」と「挫折」を使い分けて用いるといいでしょう。

「成就」を使いこなそう

この記事では「成就」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「成就」は神社などでよく見る言葉で、他力本願のようなイメージも強いかと思いますが、自分で行動して願いをかなえたり物事を成し遂げるという意味もあるということがわかりましたね。どんなに強く願っても、自分で何も行動しなければ何も起こるはずがありませんよね。人それぞれの願いが成就するように、行動を起こし続けましょう。

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国語言葉の意味

「成就」の意味や使い方は?例文や類語を現役学生ライターがわかりやすく解説!

この記事では「成就」について解説する。

端的に言えば「成就」の意味は「成し遂げる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役学生ライターのタビビトを呼んです。一緒に「成就」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タビビト

現役の文学部学生ライター。学生生活の中で数多くの芸術関係の執筆を行い、小学生の頃から多種多様な書籍を読破してきた生粋の文化系。読書量に比例する文章力で日本語をわかりやすく解説していく。

「成就」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「成就」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「成就」の意味は?

「成就」には、次のような意味があります。

物事を成し遂げること。また、願いなどがかなうこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「成就」

「成就」は「じょうじゅ」と読みます。「学業成就」や「恋愛成就」という言葉は、神社の絵馬やお守りでよく見かけますよね。勉学にしても恋愛にしてもその他の願いにしても、人はその願いが叶うように自分で努力しつつも天などの見えない大きな力にもすがりたいものです。「願いが叶いますように」という思いを、「成就」という言葉に託して祈るわけですね。

このように神に祈りつつも、「成就」は自分が望む物事を運任せにするのではなく自分で努力してつかみ取ることを指す言葉です。自分の力で物事を成し遂げて願いをかなえるということは神頼みは意味のないことかもしれませんが、神社の絵馬やお守りは頑張るための力をもらうためのものなのかもしれませんね。

「成就」の語源は?

次に「成就」の語源を確認しておきましょう。「成就」は「成」と「就」いう二つの漢字から成り立っていますね。この二つの漢字の意味を紐解いていくと、語源を理解することができますよ。

まず「成」には、「物事を成し遂げる」や「なす」、「なる」という意味があります。何か目標の物事に到達するという意味をあらわすことがわかりますね。続いて「就」は、「その方へ行く」や「おもむく」、「つく」という意味です。つまり「成」と「就」は二つとも何かを成し遂げたり目標地点に到達するという同じ意味の漢字を組み合わせることで意味を強調している言葉だということがわかります。

確かに、単に「成る」や「就く」だけよりも二つ合わさった「成就」のほうが何か大きい物事を成し遂げたイメージがわきますよね。以上のことから、「成就」が物事を成し遂げて願いや望みをかなえることを指すことがわかりました。

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