この記事では「凡庸」について解説する。

端的に言えば凡庸の意味は「平凡なこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

小説好きで言葉の意味を調べるのが趣味な山田を呼んです。学生時代は塾講師もしていたぞ。一緒に「凡庸」の意味や例文、類語などを見ていこう。

ライター/ぜーた

小説が好きで、日々日本語について調べたりしています。学生時代には塾講師の経験もありWEBエンジニアとして勤務中。この記事が学びになるように精一杯解説する。

「凡庸」の意味や語源・使い方まとめ

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「凡庸」は人、作品など名詞を修飾する言葉として使われる言葉です。ポジティブな印象よりは、ネガティブなニュアンスで使われます。それでは早速「凡庸」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「凡庸」の意味は?

「凡庸」には、次のような意味があります。

1.[名・形動]平凡でとりえのないこと。また、その人や、そのさま。「凡庸な(の)人物」[派生]ぼんようさ[名]

出典:goo辞書「凡庸」

凡庸は「ぼんよう」と読み、「平凡な様・取り柄のないこと」という意味です。難しい漢字なので、間違えずに読めるようにしましょう。凡庸は「取り柄のないこと」を表す言葉ですが、人以外にも利用されます。ニュアンスとしては良い意味で使うことはなく「優れた部分がない」など基本的にはネガティブな意味合いとなりますので、利用する際は注視しましょう。


似ている漢字に「汎用性」という言葉がありますが、これは「はんようせい」と読みます。意味も「凡庸」とは全く違うので混同しないように気をつけましょう。また「凡庸性」という言葉も存在しません。「汎用性」とは、一つの用途だけでなく、様々な用途に使うことができる性質を指します。

「凡庸」の語源は?

次に「凡庸」の語源を確認しておきましょう。「凡庸」という言葉は「凡」と「庸」という漢字から成り立っています。それぞれの漢字の意味を見ていきましょう。「凡」は風を受ける帆から成り立つ、象形文字(モノの形をかたどった文字)です。帆は様々な角度から風を受けることが可能な為、「凡」は「全て」という身を持つようになりました。「庸」は「普通」「代わり映えしない」「手柄」など様々な意味を持つ漢字で、「凡庸」では「並」「平凡」のような意味となります。

その2つの漢字を足して、「全てが普通・代わり映えしない」などから転じて、特に優れた部分がなく、平凡なさまという意味になりました。

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「凡庸」の使い方・例文

「凡庸」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.凡庸な人にならないようにスキルをつける努力を重ねた。
2.只々、凡庸な日々を送ることに飽きを感じ、刺激を求めてギャンブルに手を染めた。
3.あの人の作る作品はいつも凡庸で退屈だ。

「凡庸」を利用する場面は物事や人物を「平凡・取り柄のないさま」と形容する場合です。意味から分かるように、ポジティブな表現ではありませんので、利用する際は気をつけるといいでしょう。1つ目の例は「自分」を「凡庸」と形容しています。他人だけでなく、自分にも利用できるので、覚えておきましょう。2つ目の例は、「日常」を「凡庸」つまり「代わり映えのない日常」と形容し、3つめは「他人の作品」に対して「凡庸」つまり、「なんの取り柄もない作品」と形容しています。

例文からも分かるように、凡庸が良い意味で使われることはありません。また、ビジネスシーンやメールなどでも使用されることはありませんので、誤用には注意しましょう。

「凡庸」の類義語は?違いは?

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「凡庸」の類義語には「人並み」や「陳腐」、「平凡」等があります。

「陳腐」

「陳腐」は「ちんぷ」と読み、「ありふれていて、古くさくつまらないこと」という意味を持つ言葉です。「陳腐」の「陳」には「古い」という意味、「腐」はそのまま「腐る」という意味を持っています。「古くて腐る」から「新しく斬新ではない」などに転じ、そこから「ありふれてつまらない」という意味になりました。

使い方としては、「陳腐な表現」「陳腐な演奏」などと利用します。「ありふれている」と聞くとネガティブな印象を持つかもしれませんが、ただ「ありふれている」だけであって本来はネガティブな意味はありません。しかし、「陳腐」はネガティブな印象が強くなってしまっているので、使う際は相手にどのように捉えられるか、考えて利用しましょう。

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「凡庸」の対義語は?

「凡庸」の対義語には「偉大」「非凡」「稀有」「逸材」などがあります。詳しく見ていきましょう。

「偉大」

「偉大」は「いだい」と読み、「すぐれて立派なこと。大きく立派なこと。」という意味つ言葉です。「偉大」は「優れいてること」という意味のある「偉」と、「大きい」という意味のある「大」の2つの漢字から成り立っており、「大きく優れる」という意味から転じて「優れて立派」となりました。

使い方としては人や物事などに利用され、例えば「偉大な人物」「偉大な功績」の意味は、「大きく立派な人」や「大きく優れた功績」となります。

「凡庸」の英訳は?

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「凡庸」の英訳は「mediocre」です。また、似ている英語に「average」があります。下記の例文や解説を見て、使い方や違いを確認しましょう。

1.Our teacher is a person who has only mediocre talent. So no one respects him.
(私たちの先生は秀でた才のない平凡な人なので、彼を尊敬する人はいない。)

2.The movie was not good, it was not bad, it was just mediocre.
(その映画は良くなかった。面白くなく、ありふれて退屈な作品だった。)

「mediocre」

「mediocre」は「並の、平凡な、劣った、二流の」という意味のある形容詞です。すこしけなすようなニュアンスがあるので「凡庸」と使い方も類似していると言えるでしょう。また「並の・平凡な」には「average」という英単語が存在します。「average」は客観的な平均で、スコアのような意味合いです。「mediocre」が平凡より少し劣った、などけなす意味があるので、使い分けをしっかりしましょう。下記に例文を用意しましたので、利用方法を確認してくださいね。

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「凡庸」を使いこなそう

この記事では「凡庸」の意味・使い方・類語などを説明しました。

凡庸は「普通で代わり映えがない」と言う意味があることが分かりましたね。ただ、凡庸は普通と言う意味ですが、そこにはけなすニュアンスもあるので、人に対して使う時は気をつけましょう。

私も、この記事が凡庸にならないよう、日々勉強して参ります。

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国語言葉の意味

「凡庸」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

「凡庸」の対義語は?

「凡庸」の対義語には「偉大」「非凡」「稀有」「逸材」などがあります。詳しく見ていきましょう。

「偉大」

「偉大」は「いだい」と読み、「すぐれて立派なこと。大きく立派なこと。」という意味つ言葉です。「偉大」は「優れいてること」という意味のある「偉」と、「大きい」という意味のある「大」の2つの漢字から成り立っており、「大きく優れる」という意味から転じて「優れて立派」となりました。

使い方としては人や物事などに利用され、例えば「偉大な人物」「偉大な功績」の意味は、「大きく立派な人」や「大きく優れた功績」となります。

「凡庸」の英訳は?

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「凡庸」の英訳は「mediocre」です。また、似ている英語に「average」があります。下記の例文や解説を見て、使い方や違いを確認しましょう。

1.Our teacher is a person who has only mediocre talent. So no one respects him.
(私たちの先生は秀でた才のない平凡な人なので、彼を尊敬する人はいない。)

2.The movie was not good, it was not bad, it was just mediocre.
(その映画は良くなかった。面白くなく、ありふれて退屈な作品だった。)

「mediocre」

「mediocre」は「並の、平凡な、劣った、二流の」という意味のある形容詞です。すこしけなすようなニュアンスがあるので「凡庸」と使い方も類似していると言えるでしょう。また「並の・平凡な」には「average」という英単語が存在します。「average」は客観的な平均で、スコアのような意味合いです。「mediocre」が平凡より少し劣った、などけなす意味があるので、使い分けをしっかりしましょう。下記に例文を用意しましたので、利用方法を確認してくださいね。

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