この記事では「携わる」について解説する。

端的に言えば携わるの意味は「従事する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「携わる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル

某国立大で日本語学を専攻。ライターとして言葉の解説やスポーツ関連の記事作成に携わる。仕事の幅を広げようと、その他にも携われるものはないか画策中。

「携わる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「携わる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「携わる」の意味は?

「携わる」には、次のような意味があります。

1.ある物事に関係する。従事する。「学問に―・る」「農業に―・る」
2.手を取り合う。連れ立つ。「よち子らと手―・りて遊びけむ」〈万・八〇四〉

出典:デジタル大辞泉(小学館)「携わる」

「携わる」(たずさわる)のもともとの意味は、辞書の2にある「手を取り合う、連れ立つ」です。「携える」が「手に持つ、人の手を取る」という意味であることからも分かるでしょう。

しかし、現代では辞書の1にある「物事に関係する、従事する」という意味で使われることがほとんどになりました。特にビジネスの場で「〜に携わっておりました」と耳にしたときは、「以前は〜の仕事をしていた」とか「前職は〜を担当していた」という意味で理解するはずです。

「携わる」の使い方・例文

「携わる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「携わる」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.将来はロボットの開発に携わりたい。
2.国家ぐるみの一大プロジェクトに携わることができてとても光栄だ。
3.彼はボランティアとしてこのサロンに携わっているのに、愛想が良くてサービス精神が旺盛なため、みんなからとても慕われている。

「携わる」が使われるシチュエーションは、仕事としてそのことに関わったり従事したりするときです。例文1のロボット開発や、例文2の国家プロジェクトなどのような場面で「携わる」を使うべきとされます。

もし「マラソン大会に携わる」という文章があった場合、「ランナーとして走る」というよりは「スタッフとして運営に加わる」と受け取られかねません。「そば打ち道場に携わる」ですと「その人は道場主かその弟子なのか」と思われるでしょう。よって、「携わる」という言葉を趣味やレクリエーションなどに参加するといった意味で使うのは適さないことになります。

「携わる」の類義語は?違いは?

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ところで、「携わる」の類義語は何でしょうか。違いとともに見ていきましょう。

「身を置く」「身を投じる」

身を置く」(みをおく)と「身を投じる」(みをとうじる)は、どちらも「携わる」の類義語となる慣用句です。辞書などで意味を確認すると、「携わる、参加する」などと掲載されています。

ただし、どちらも「携わる」よりは大げさな表現となることに注意してください。「身を置く」は「とある状況に囲まれる」ですし、「身を投じる」は「あえてその世界に飛び込む」という意味合いが強いです。ただ「関わる」というよりは、「そういう状態になってしまう」という印象を与えてしまうことになります。

「携わる」の対義語は?

さらに「携わる」の対義語も見ていきましょう。

\次のページで「「蚊帳の外に置かれる」「爪弾きにされる」」を解説!/

「蚊帳の外に置かれる」「爪弾きにされる」

「携わる」が「関わりを持つ」という意味ですので、その反対は「関わりから外れる」(あるいは外される)となるはずです。そういった動きを1語で表すのは難しいでしょう。ただし、慣用句にはそれに適した表現があります。

蚊帳の外に置かれる」(かやのそとにおかれる)と「爪弾きにされる」(つまはじきにされる)は、どちらも「忌み嫌われる、仲間外れにされる」という意味の慣用句です。しかし、「爪弾き」が指で強く弾くのは分かるとして、「蚊帳」が特に若い人には分からないかもしれません。

「蚊帳」(かや)とは、かつて蚊などの小さな虫を防ぐために天井から吊るなどして寝床の四方を覆った網状のものです。今では電気蚊取り器が当たり前のように普及していますが、かつては蚊帳や蚊取り線香などで虫除けをしていました。それらを把握した上で「蚊帳の外に置かれる」という言葉の意味を吟味してみると、それをされたらどんなに辛いか想像できるでしょう。

「携わる」の英訳は?

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ついでに「携わる」の英訳も見てみましょう。

「participate」「take part in」

「携わる」とは、すなわち「参加する」ということですので、比較的簡単な英単語を使うことになります。

「携わる」、あるいは「参加する」を英単語1つで言うなら「participate」です。「participate」は他にも「関係する、あずかる、いくぶん持っている」などの意味もあるため、日本語の「携わる」に近いと言えるでしょう。

もっと簡単な単語で表現するとしたら「take part in」があります。「take part in a plan」で「計画に携わる」、「take part in the fund」は「募金活動に携わる」です。

「携わる」を使いこなそう

この記事では「携わる」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「携わる」とは、ただ関係があったり参加したりするわけではありません。深く関わったり、従事したりするときに使う言葉です。それゆえに、ただ知り合いがいるとか数回顔を出した程度では「携わる」と言ってはいけません。自らの仕事として人様に出しても恥ずかしくないときに限り、「携わった」と言うようにしましょう。

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国語言葉の意味

「携わる」の意味や使い方は?例文や類語を雑学大好きwebライターがわかりやすく解説!

この記事では「携わる」について解説する。

端的に言えば携わるの意味は「従事する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「携わる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル

某国立大で日本語学を専攻。ライターとして言葉の解説やスポーツ関連の記事作成に携わる。仕事の幅を広げようと、その他にも携われるものはないか画策中。

「携わる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「携わる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「携わる」の意味は?

「携わる」には、次のような意味があります。

1.ある物事に関係する。従事する。「学問に―・る」「農業に―・る」
2.手を取り合う。連れ立つ。「よち子らと手―・りて遊びけむ」〈万・八〇四〉

出典:デジタル大辞泉(小学館)「携わる」

「携わる」(たずさわる)のもともとの意味は、辞書の2にある「手を取り合う、連れ立つ」です。「携える」が「手に持つ、人の手を取る」という意味であることからも分かるでしょう。

しかし、現代では辞書の1にある「物事に関係する、従事する」という意味で使われることがほとんどになりました。特にビジネスの場で「〜に携わっておりました」と耳にしたときは、「以前は〜の仕事をしていた」とか「前職は〜を担当していた」という意味で理解するはずです。

「携わる」の使い方・例文

「携わる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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