1.諸事情を勘案して、次のような結論に至った。
2.来年度の予算は、経済状況等を総合的に勘案しながら判断する。
3.双方の意見を勘案した上で、今後の対応を検討する。
例文1のように「~を勘案して」という使い方が一般的です。例文は「色々な事情を考え合わせて、次の結論となりました」という意味になります。例文2のように「総合的に勘案する」もよく使われる表現です。複数の事柄を踏まえて、総合的に考えるというニュアンスを伝えたいときに使います。例文3の勘案の意味は、例文1とほぼ同じです。「勘案した上で」という表現を用いることで、対象の事柄についてはしっかり考慮する、というニュアンスが伝わります。
元々、勘案は“お役所言葉”だということからも、例文のように堅い場面で使われるような表現が多いことがわかりますね。
「勘案」の類義語は?違いは?
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さきほどの例文のように、堅い場面でよく使われることがわかった「勘案」。類義語にはどんな言葉があるのでしょうか。一緒に確認していきましょう。
その1「鑑みる」
鑑みるは「かんがみる」と読み、「過去の例や手本などに照らして考える」という意味です。勘案が複数のことを考え合わせるのに対して、鑑みるは対象の事柄が1つでも使うことができ、“引き合いに出して”考えるという意味合いが強くなります。
以前の失敗に鑑みると、事前の注意が必要だと思われる。
その2「考慮」
「考慮」は、「物事をよく考えること」を表し、意味だけ見ると勘案とほぼ同じです。ただし、考慮には対象の事柄の背景を踏まえて「事情を汲む」というニュアンスがあり、「鑑みる」と同じように「個人の事情だけ」など対象が1つの場合でも使われます。
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