端的に言えば可否の意味は「よいかよくないか」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は、ロシアで2年間日本語教師として働いた大学院生ライターの「むかいひろき」を呼んです。一緒に「可否」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/むかいひろき
ロシアの大学で2年間日本語教師として働いた経験を持つ大学院生。その経験を武器に、「言葉」について分かりやすく解説していく。
「可否」の意味は?
「可否」には、次のような意味があります。
1.よいかよくないか。事のよしあし。「―を論じる」「―を決定しかねる」
2.賛成と不賛成。可決と否決。「―相半ばする」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「か‐ひ【可否】」
「可否」は「1.よいかよくないか」「2.賛成か反対か」という2つの意味を持った言葉です。「よいと認めること」「できる」という意味の「可」と、「同意しない」「拒否」を意味する「否」という意味が反対の2つの漢字が組み合わさった単語ですね。
「可否」の語源は?
次に「可否」の語源を確認しておきましょう。
「可否」の語源は詳しくは分かっていません。ただ、古くから使われていた表現のようです。
「いいことと悪いこと」という意味では、平安時代(1111年)の説話集『江談抄』に「評定此詩篇可否」という記述が確認されています。
「許可と不許可、賛成と不賛成」という意味では、江戸時代(17世紀ごろ)の『四河入海』という詩の解説書に「譬へば橘をも柑をも人のこのみこのみによる程に、其の如に茘子と竜顔とは、どれがよいと云て、可否し事もないぞ」という記述が確認されていますね。
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