5分で分かる「共役塩基」酸の強さと溶液中で生成するイオンとの関係は?京大卒の研究者がわかりやすく解説!
2-3.2価以上の酸の共役塩基
image by iStockphoto
さて今までは1つの水素イオンだけ解離する酸について考えました。しかし2つ以上の水素を放出する酸も多数存在します。最後にこのような多価の酸について、炭酸H2CO3を題材にして考えてみましょう。炭酸は2つ水素が付いており、順番に水素が解離、2種類の共役塩基が生成します。
さて多価の酸では平衡状態をどのように表すのでしょうか。多価の酸では1つだけ水素が解離した場合、2つ水素が乖離した場合それぞれの平衡状態があり、それぞれ固有の酸定数を持っています。ちなみに一般的に1つだけ水素が解離した場合のほうがpKaは小さい、すなわち共役塩基になる量が多めです。
酸と共役塩基は一つのセットとして覚えよう
共役塩基とは酸が水などの溶液に溶けることによって生じるイオンであり、水素イオンの解離によって生成します。「酸と共役塩基は一つのセット」、「共役塩基の相手は水素イオン」と覚えたらわかりやすいかもしれません。
また今回学んだ酸定数のように、化学平衡と平衡定数は様々な場面で登場します。教科書でご覧になった方々もいるかもしれませんね。平衡定数は一見複雑に見えてわかりにくいかもしれませんが、非常に重要な値です。個人的には「平衡」は化学の中でも難しい分野と感じますが、実際に計算してみると理解が深まります。参考書や教科書を読むときも、ぜひ1ページごとに手を動かしながら勉強してみてください。