
端的に言えば夭逝の意味は「早死に」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
元予備校校舎長で教育系ライターのみゆなを呼んです。一緒に「夭逝」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/みゆな
元大手予備校校舎長、現在は教育系のライター。国語、特に現代文の指導経験が豊富。難解な言葉や表現を中高生がスラスラ理解できるように解説するのが大得意。
「夭逝」の意味や語源・使い方まとめ

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「夭逝」の読み方は「ようせい」です。「ようせつ」ではありません。日常やビジネスシーンで使われる言葉ではないため、馴染みが薄い言葉ですね。使う場面が限られる言葉だからこそ、ピッタリの場面・正しい意味で使えると語彙力に周りが一目置いてくれるかもしれません。
それでは早速「夭逝」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「夭逝」の意味は?
「夭逝」には、次のような意味があります。
年が若くて死ぬこと。若死に。早世。夭死。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「夭逝」
「夭逝」は若くして死ぬことを意味する言葉です。誰に対しても使えるわけではなく、将来を有望視されていた天才が若くして亡くなったときなどに使われます。
「夭逝」と表現できる死亡時の年齢に制限はありませんが、才覚を表していた人に対して使われるため、一般的に使われるのは10代以降30代程度までです。伝統芸能や工芸技術など、一人前になるまでに何十年という年月を必要とする世界の場合は、40代や50代の人でも「夭逝」と表現されることがあります。
「逝」は死ぬの尊敬語である「逝去」という熟語に使われていることからもわかるように、目上の人に対する尊敬の気持ちを含む漢字です。このため「夭逝」も亡くなった人を敬い、死を残念に思うというニュアンスが込められています。
「夭逝の語源は?
次に「夭逝」の語源を確認しておきましょう。
「夭」は「若い、美しい」という意味を持っています。「夭夭(ようよう)」という熟語もあり、これは「若わかしく美しいさま。顔色が穏やかでのびのびしているさま」という意味です。また「夭」自身にも「早死にする」という意味があります。
「逝」は「死ぬ」の婉曲表現です。「立ち去って帰らない」というニュアンスも持ちます。
「若々しい」「死ぬ」という意味を持つ2つの漢字が組み合わさったのが「夭逝」であり、「年若くして死ぬこと」を表すようになりました。
「夭逝」の使い方・例文
「夭逝」の意味がわかったところで、例文を使って実際の使い方を見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
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