この記事では「承認」について解説する。

端的に言えば承認の意味は「許可」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「承認」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「承認」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「承認」の意味や語源・使い方まとめ

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会社や組織に於いて業務の「提案・承認・決定」という流れは必ず存在しますよね。今回はその中でも、「承認」にスポットを当てて詳しく解説していきたいと思います。

それでは早速「承認」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「承認」の意味は?

「承認」には、次のような意味があります。

1.そのことが正当または事実であると認めること。
2.よしとして、認め許すこと。聞き入れること。
3.国家・政府・公戦団体などの国際法上の地位を認めること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「承認」

「承認」とは、「しょうにん」と読み、「そのことが正当または事実として認めること」の意。つまり端的に言うと「評価して認めること・聞き入れる事」という意味になりますよ。何らかの権限を持った人が、申請された事に対して「妥当ですよ・認めますよ」と公的な意味で使われています。なので性質上個人に使う事は滅多にありませんよ。

もう一つは、国家や政治など国際法上において一定の地位を認める、という意味も持っていますよ。これは、国家を国家として認めますという意味ですね。少し分かりにくいので、後ほど例文で分かりやすく挙げていきます。

「承認」の語源は?

次に「承認」の語源を確認しておきましょう。

「承」は音読みで「しょう」と読みますが、訓読みでは「うけたまわ(る)」になります。文字は「身をかがめる人・手・両手」の象形から成っていて、「(両手で人を持ち上げながら)受け取る」を意味する「承」という漢字が成り立っていますよ。なので「認」と合わせて、「(申請事案など)受け取って認める」となります。

\次のページで「「承認」の使い方・例文」を解説!/

「承認」の使い方・例文

「承認」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.この企画は社長の承認を得ている。
2.先日お伝えした案件ですが、ご承認いただけますと幸いです。
3.政府はあの高校を指定校として承認した

例文を3つ挙げてみました。一つずつ見ていきましょう。

まず例文の一つ目は、ビジネスシーンでよく使われますね。「この企画は社長からOKをもらっている・許可をもらっている」と言った意味になります。例文の二つ目は、社外の人にも使える例で「承認してください」とお願いする時の敬語表現ですね。元になる「承認」に尊敬語の「ご」を付けて、「~いただく」という可能形に丁寧語の「ます」をくっつけた敬語です。「承認してもらえたら嬉しいです」をとても柔らかく丁寧な敬語表現にしていますよ。最後に例文の三つ目ですが、承認の意味のところでもあった「国際法上において一定の地位を認める」の例ですね。「政府(国家)が指定校と認めた」という意味になります。

「承認」の類義語は?違いは?

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ビジネスで頻繁に使われる「承認」ですが、似た言葉で「承諾・認証」などが思い浮かびますね。「承認」の類義語になるのか調べてみましょう。

その1「承諾」

「承認」と近い意味を持つ言葉は「承諾」ですね。「しょうだく」と読み、意味は「相手の意見・希望・要求などを聞いて、受け入れること。」です。「承認」の「そのことが正当または事実として認めること」よりは許容範囲が広く、「しっかり理解した上で受ける」のニュアンスが強いので、個人の行為に対して使われる事が多いのが特徴ですよ。もう一つ別の意味があり、取引や契約を結ぶ際に「承諾書にサインする=契約成立」という、ビジネスでは大切なシーンでも用いられる言葉ですよ。

「承諾する」が「相手の要望などを聞き入れる」で、「承諾を得る」が「納得して同意を得る」と使い分けるといいでしょう。

\次のページで「その2「了承」」を解説!/

その2「了承」

「了承」も同義語としてふさわしいでしょう。「りょうしょう」と読み、「事情をくんで納得すること。承知すること。」の意。「承認」と違って正当性や事実の追求といった厳しさはなく丁寧な言葉ですが、上から目線のニュアンスを含む言葉なので、目下が目上に使うべき言葉ではないので覚えておきましょう。

また「認証」という言葉もありますが、元はIT用語であり「公の機関が証明すること」なので、「承認」とは少し意味が変わってくるため類義語にはなりませんよ。

「承認」の対義語は?

次に「承認」の対義語を見ていきましょう。

「否認」

「承認」の反対を意味する言葉は「否認」です。「ひにん」と読み、意味は「事実として認めないこと・承認しないこと」ですよ。字を読んだまま、「認める」ことを「否む」ことから「承認」の対義語としてふさわしいでしょう。

他にも「拒む」の意味合いが強い言葉として「拒否」も挙げられますね。ただし「拒」の文字には「相手を寄せ付けない」というニュアンスがあり、「承認」に対義する意味ではありませんよ。

「承認」の英訳は?

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「承認」は英語でどんな表現をするでしょうか?一緒に見ていきましょう。

「approval」

「承認」は英語で「approval」と表現します。「承認・許可」を意味しますよ。「承認する」になると「approve」と変化します。礼儀正しい表現なのでビジネスで使うのに適していますよ。前出の例文を英訳してみましょう。

「This project has been approved by the president.」

(この企画は社長の承認を得ている。)

「The goverment approved that high school as a designated school.」

(政府はあの高校を指定校として承認した。)

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「承認」を使いこなそう

この記事では「承認」の意味・使い方・類語などを説明しました。簡単にまとめてみましょう。

「承認」とは、「そのことが正当または事実であると認めること」でしたね。もう一つ「国家・政府・公戦団体などの国際法上の地位を認めること。」の意味もありますよ。事実である・正当であると判断したうえでよしと認められることを言います。この言葉の性質上、政治・心理学・哲学とさまざまな分野で用いられますが、今回はビジネスシーンで見聞きしたときに理解出来る角度から解説をしました。「承認依頼」はビジネスマンであれば一度はすると思うので、是非勉強して活用して頂けると幸いです。

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国語言葉の意味

「承認」の意味や使い方は?例文や類語を読書好きWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「承認」について解説する。

端的に言えば承認の意味は「許可」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「承認」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「承認」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「承認」の意味や語源・使い方まとめ

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会社や組織に於いて業務の「提案・承認・決定」という流れは必ず存在しますよね。今回はその中でも、「承認」にスポットを当てて詳しく解説していきたいと思います。

それでは早速「承認」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「承認」の意味は?

「承認」には、次のような意味があります。

1.そのことが正当または事実であると認めること。
2.よしとして、認め許すこと。聞き入れること。
3.国家・政府・公戦団体などの国際法上の地位を認めること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「承認」

「承認」とは、「しょうにん」と読み、「そのことが正当または事実として認めること」の意。つまり端的に言うと「評価して認めること・聞き入れる事」という意味になりますよ。何らかの権限を持った人が、申請された事に対して「妥当ですよ・認めますよ」と公的な意味で使われています。なので性質上個人に使う事は滅多にありませんよ。

もう一つは、国家や政治など国際法上において一定の地位を認める、という意味も持っていますよ。これは、国家を国家として認めますという意味ですね。少し分かりにくいので、後ほど例文で分かりやすく挙げていきます。

「承認」の語源は?

次に「承認」の語源を確認しておきましょう。

「承」は音読みで「しょう」と読みますが、訓読みでは「うけたまわ(る)」になります。文字は「身をかがめる人・手・両手」の象形から成っていて、「(両手で人を持ち上げながら)受け取る」を意味する「承」という漢字が成り立っていますよ。なので「認」と合わせて、「(申請事案など)受け取って認める」となります。

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