
ここに語学系主婦ライター・小島ヨウを呼んだ、一緒に「虚しい」の意味や使い方、類語などを解説していく。

ライター/小島 ヨウ
言葉の使い方、漢字の意味に興味を持ち、辞典で調べまくるアナログ主婦ライター。分かりやすく、読みやすい文章を心がけている。
「虚しい」の意味と使い方

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「虚しい」とは「むなしい」と読みます。「虚」は「きょ、こ」と音読みし、訓読みでは、「むな・しい、うつ・ろ」です。くぼんで中が開いているさまをいいます。
「虚しい」の意味
では、辞書で意味を調べてみましょう。「虚しい」は「空しい」とも書かれ、並列で出てきます。
1.空虚である。内容がない。
2.無益である。むだである。かいがない。
3.かりそめである。はかない。
4. (「己をむなしゅうする」などの形で)我欲・先入観などを捨てる。「心を―・くして対処する」→己を虚しゅうする
5. 事実無根である。根拠がない。
6. 死んで魂がない。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「むなし・い【空しい/虚しい】」
「虚しい」と聞いて思うのは、辞書にあるような、内容がない・むだであるといった意味ではなく、感情的なものではないでしょうか。頑張っているのに上手くいかない、何か物足りない、心に潤いがないといったうまく説明できない心のもやもや。それを「虚しい」と表現するのが一般的ですね。
「虚しい」の語源
「虚しい」の語源は諸説あるようですが、実がならない「みなし」(実無し、身無し)から「むなし・い」と変化したというのが有力です。植えて水をやり、大事に育てたのに実がならないのではとても残念で悔しいですよね。
また「虚」にはうつろ・いつわりといった意味もあります。「うつろ」とは中身ががらんどうになっていること・ぼんやりとして生気がないこと。この状態を「むなしい」と表現するのです。
「虚しい」と「空しい」の違い

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端的にいうと「空しい」はからっぽであること、「虚しい」は中身がないこと、です。「空」を「そら」と読めば、一般的な空、私たちの頭上に広がる天空のことが一番の意味ですが、「くう」と読み方をして辞書を調べると「空しい」に通じる意味が出てきます。
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