
「畢竟」の対義語は?
畢竟の明白な対義語は存在しませんが、議論の最終地点を表す畢竟の対義語を強いてあげるとするならば、暫定的であることを意味する語句が対義語だと考えることが出来るでしょう。
「取り敢えず」
「畢竟するに」というと、自分の議論の最終帰着点を示すことになりますが、「取り敢えず」と言うと、最終的な判断は延期されることになるでしょう。「畢竟するに」という言い回しは、ある種の自信を伴いますが、「取り敢えず」は逆に自信がないことを示すことになるでしょう。結論が重視されるビジネスのシーンなどでは、「畢竟するに」という言い回しが使えるようになれば表現の幅がひろがりますね。
その1「in the end」
In the end(結局)が畢竟の英訳として第一に挙げられるでしょう。畢も竟も「終わること」を意味していましたから、end が用いられている in the end は畢竟の語源ともよく似た発想を共有しています。In the end he had to go into a mental hospital(最終的に、彼は精神病院に入らねばならなかった)というように文頭に置かれる使われ方が多いです。とはいえ、I was sad to see her go in the end(彼女がついに行ってしまうのを見るのは辛かった)というように文末に置かれる使われ方もあることに注意しましょう。
その2「in the long run」
in the long run(長い目でみれば、結局は) も畢竟の類義語と考えることができます。物事を長期的な眼で見るということは、物事の結末までを考慮に入れることを意味しますから、最後にはどうなるかが示されると考えられるわけです。Seeing a doctor is economic in the long run(医者にかかるのは長い目でみれば経済的だ)というような言い回しが考えられますが、これは Seeing a doctor is economic in the end(最終的に医者にかかるのは経済的だ)と言い換えることができます。in the long run も in the end も、畢竟と同じように最後まで見通していることに注意しましょう。
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