この記事では「警鐘」について解説する。

端的に言えば警鐘の意味は「警告」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「警鐘」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「警鐘」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「警鐘(けいしょう)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「警鐘」の意味は?

「警鐘」には、次のような意味があります。

1.火災・洪水などの、警戒を促すために鳴らす鐘。
2.危険を予告し、警戒を促すもの。警告。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「警鐘」

「警鐘(けいしょう)」とは、物事が良くない方向に進んでいることを指摘するときに使われる言葉。警戒を促す状況で用いられます。

一般的には「警鐘を鳴らす」というフレーズで使われることが多い言葉です。現代でもよく使われる言葉のため、ビジネスだけでなくニュースや文章で、目や耳にすることもあるのではないでしょうか。

なお「警」という文字は“相手に注意を促す”という意味、「鐘」には“音で気付かせる”という意味合いもあります。

また、よく誤用されたり混同されるのが「警笛(けいてき)」という言葉。こちらも周囲に知らせるというニュアンスがありますが、「警笛」は電車などが近付いてくることを知らせる警告音のことです。言葉の持つ意味合い自体が異なるため、悪い事態が迫っているといった意味も持ちません。誤用しないようにくれぐれも注意しましょう。

「警鐘」の語源は?

次に「警鐘」の語源を確認しておきましょう。

「警鐘」とはもともと、火災や震災、敵が攻めてきたときに、周囲に知らせるために鳴らされた鐘のこと。番人が鐘を鳴らすことで、昔の人は周囲にも非難や警戒を促していたのです。カンカンと鐘が鳴らされるシーンを、映画や漫画で見たことがあるかもしれませんね。

この鐘を鳴らして警戒を促すこと、悪い事態が迫っていることを知らせる比喩表現として「警鐘を鳴らす」という言葉が使われるようになりました。

\次のページで「「警鐘」の使い方・例文」を解説!/

「警鐘」の使い方・例文

「警鐘」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.日本でもウイルスの感染者増加を受け、専門家たちが警鐘を鳴らしている。
2.自然環境や保全に警鐘を打ち鳴らした結果、今では太陽電池への世間の関心も随分高まったようだ。
3.最近の自然環境について警鐘を打ち鳴らすことが今回のイベントの目的だ。
4.台風上陸に備え、一部地域では避難勧告の可能性もあると警鐘が鳴らされた。
5.先程見たテレビ番組で、ゲストの教授が少子高齢化に警鐘を鳴らしていた。
6.グループ企業連結の営業売上高が前年度比で下回る可能性があると、経営陣に警鐘が鳴らされたらしい。
7.社長が警鐘を鳴らし製造や販売、すべての事業改革に取り組んだ結果、最新の報告では利益も出て、我が社の株価も上昇した。

「警鐘」を鳴らすのは、悪い事態が迫っていることを知らせるときです。そのため、例文のように注意を促すときや、警戒をするために一般的に用いられます。

例文1~5のように災害情報やニュースで用いるほか、例文5~6のようにビジネスで用いることも可能です。

また、「警鐘」は悪い状況が迫っているときのみ使うことができます。危険性を訴えたり、危機感を持たせるための状況で使うようにしましょう。

「警鐘」の類義語は?違いは?

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続いて「警鐘」の類義語表現についても紹介します。

「忠告する」

「忠告する(ちゅうこくする)」とは、相手を戒めさとすときに使う言葉。相手の過ちや欠点に対して使うのが一般的です。

相手がこれ以上悪くならないように警戒を促す、という点では「警鐘」と同義であり、類義語表現のひとつと言えるでしょう。

ただ「忠告する」はどちらかといえば、アドバイスと言うニュアンスもあり、「警鐘」よりも思いやりや真心を示す意味合いも持っています。状況に応じて使い分けるといいでしょう。

\次のページで「「警鐘」の対義語は?」を解説!/

「警鐘」の対義語は?

それでは、「警鐘」の対義語はどのような言葉になるでしょうか。「警鐘」の“注意を知らせる鐘”そのものの反対表現はありません。ですが“注意をする”という意味合いの反対語であれば、“注意を怠った”という意味を持つ言葉が反対表現と言えるでしょう。

ここではそのような意味を持つ言葉を紹介します。

「油断する」

「油断(ゆだん)」とは“気を許し注意を怠る”こと。「油断する」とは、周囲への警戒を怠り隙をつくる様子を意味します。たった一瞬の不注意が危険を招くという、戒めの意味で使われることが多い言葉です。

「警鐘」を鳴らすことが注意を促す意味であるのに対し、注意をしないという点で対義語表現のひとつと言えます。

「警鐘」の英訳は?

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最後に「警鐘」の英語表現についても確認しておきましょう。

「alarm bell」

「alarm bell」とは“危険を知らせる鐘”のこと。「警鐘」の直接の英語訳と言えます。

「sound an alarm bell」や「ring an alarm bell」といった表現をすることで、「警鐘を鳴らす」という言い回しになり、日本語同様の意味合いで使用が可能です。また端的に「sound the alarm」という言い回しでもニュアンスを伝えることができます。

状況に応じて文脈や意図を読み取るようにしましょう。

「warn」

「warn」とは“警告する”という意味を持った動詞。「警鐘を鳴らす」という意味を表現するならこの単語ひとつでも充分使えます。

また「warn」は“良くない方向に向かっている”という意味も含んでいるため、よりニュアンスが伝わりやすい表現です。英語の語彙力としてこちらも覚えておくのがいいでしょう。

\次のページで「「警鐘」を使いこなそう」を解説!/

「警鐘」を使いこなそう

この記事では「警鐘」の意味・使い方・類語などを説明しました。「警鐘」は、現代社会でもニュースの見出しなどでもよく目にする言葉です。ニュアンスや意味合いはしっかり抑えておきましょう。

誤用していた場合は、自分の語彙力に警鐘を鳴らし、改めて覚え直すようにしてくださいね。

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国語言葉の意味

「警鐘」の意味や使い方は?例文や類語を元広告会社勤務ライターがわかりやすく解説!

この記事では「警鐘」について解説する。

端的に言えば警鐘の意味は「警告」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「警鐘」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「警鐘」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「警鐘(けいしょう)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「警鐘」の意味は?

「警鐘」には、次のような意味があります。

1.火災・洪水などの、警戒を促すために鳴らす鐘。
2.危険を予告し、警戒を促すもの。警告。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「警鐘」

「警鐘(けいしょう)」とは、物事が良くない方向に進んでいることを指摘するときに使われる言葉。警戒を促す状況で用いられます。

一般的には「警鐘を鳴らす」というフレーズで使われることが多い言葉です。現代でもよく使われる言葉のため、ビジネスだけでなくニュースや文章で、目や耳にすることもあるのではないでしょうか。

なお「警」という文字は“相手に注意を促す”という意味、「鐘」には“音で気付かせる”という意味合いもあります。

また、よく誤用されたり混同されるのが「警笛(けいてき)」という言葉。こちらも周囲に知らせるというニュアンスがありますが、「警笛」は電車などが近付いてくることを知らせる警告音のことです。言葉の持つ意味合い自体が異なるため、悪い事態が迫っているといった意味も持ちません。誤用しないようにくれぐれも注意しましょう。

「警鐘」の語源は?

次に「警鐘」の語源を確認しておきましょう。

「警鐘」とはもともと、火災や震災、敵が攻めてきたときに、周囲に知らせるために鳴らされた鐘のこと。番人が鐘を鳴らすことで、昔の人は周囲にも非難や警戒を促していたのです。カンカンと鐘が鳴らされるシーンを、映画や漫画で見たことがあるかもしれませんね。

この鐘を鳴らして警戒を促すこと、悪い事態が迫っていることを知らせる比喩表現として「警鐘を鳴らす」という言葉が使われるようになりました。

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