ライター/mimosa
もともと文系出身で、独学で生物学、生化学を勉強し、現在医学系研究所の研究アシスタントとして理系の世界へ飛び込んだ。理科が苦手な方へも興味を持ってもらうべくわかりやすい説明を心掛けている。
1.現代の医学の種類
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現在主流となっている外科手術や検査データから正常値を定め、正常値でなければ治療を施すという医療の手法・考え方は「現代西洋医学」の考え方です。「西洋医学」「東洋医学」という言葉は聞いたことある方が多いかもしれませんね。では、「代替医療」は聞いたことありますか。この章では、それぞれおおまかな定義について確認しましょうね。
現代西洋医学とは
西洋医学とは、ヨーロッパから伝わったヨーロッパ流の医学の考えですよ。ヨーロッパでは、解剖学が進んでいました(キリスト教徒にはもともと人体解剖はタブーであったのですが)。人体を解剖することによって、これまで概念的な身体の構造が「実態」となったわけです。それまでは予測でしかなかったのですよ。人体を解剖する=病変、異常があるものを目視することができました。
日本では、なんと鎖国をしていた江戸時代から西洋医学の考えは伝わっていたのですよ。中学の歴史でも学んだかとは思いますが、江戸中期にはドイツの解剖書である「ターヘル・アナトミア」を杉田玄白や前野良沢らが翻刻しました。
江戸時代後期において長崎の鳴滝塾を開いたドイツ人医師、シーボルトによって西洋医学を教授していました。鳴滝塾には日本全国津々浦々の西洋医学を学びたい医師の卵たちが集っていたのですよ。それから鎖国を解いて、本格的に外国と交流する明治時代になってから広く西洋医学の考えは普及しました。それまでは、薬による治療が中心の東洋医学が主流でした。
これに「現代」という言葉がつくのがポイントで、19世紀後半(日本では明治時代あたり)に自然科学(微生物の発見、解剖学の発達)と結合したもののことを「現代医学」と言いますよ。科学的で様々な検査により制度の高い客観的なデータを基に診断して、治療薬は病変のある箇所に鋭く作用するものを使用します。効き目は鋭い分、副作用のリスクもあることは念頭に置かなければなりません。
東洋医学とは
「東洋」という言葉があるので、東洋発祥の医学の考え方です。中国医学、漢方医学(日本における伝統医学)、韓医学(朝鮮半島)などの東アジアをはじめ、アーユルヴェーダ(インド)の考え方も含まれますよ。日本における伝統医学は、古典医学書に基づく薬物療法及び漢方医学と物理的な鍼灸医学の両方を合わせて東洋医学と呼んでいますよ。西洋医学にはない陰陽論、五行説、経路、気・血・津液などの概念があります。西洋医学は客観的なデータから判断、以上のある箇所を治療する局所的なアプローチであるのに対して、「四診」という独自の基準で経験をもとに主観的に判断しますよ。治療法としては、自然の成分(植物や動物由来)の生薬を組合わせた漢方薬、鍼灸などを使用して自然治癒力を引き出すことを目的としています。
代替医療とは
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「代替」という表現の通り、「通常の医療(治療)のかわりに別のものを取り入れる」というものですよ。あまり日本では聞きなれない言葉ですが、アメリカの成人の4割は代替医療を取り入れたことがあるくらいアメリカでは注目されている様々な医療のうちの一つですよ。代替医療の医学体系は実に多様で、健康食品、サプリメント、鍼灸マッサージ、整体、さらには哲学的な考え方も含まれますよ。表には、アメリカの国立補完代替医療センターによる分類を示しますね。
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