この記事では「メランコリック」について解説する。

端的に言えばメランコリックの意味は「憂うつ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「メランコリック」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「メランコリック」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「メランコリック」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「メランコリック」の意味は?

「メランコリック」には、次のような意味があります。

[形動]物思いに沈むさま。憂鬱であるさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「メランコリック」

「メランコリック」とは、憂うつなという意味を持つ英単語「melancholic」を指す言葉。英語で“憂うつな”という意味を持ちますが、日本で使う場合には“物悲し気”である時や“憂いがある様子”を指して「メランコリック」を使うこともあります。

なお同じく「メランコリー」もよく聞く言葉です。これは「melancholy」という英語で「melancholic」の名詞表現になります。

今では「メランコリック」も「メランコリー」も映画や小説、歌詞など日本ではよく聞く言葉になりました。ですが英語で「melancholic」を使うと「うつ病」という意味合いが強くなります。メランコリックとは、非常にネガティブで心の不安を表現した言葉と言えるでしょう。

「メランコリック」の語源は?

次に「メランコリック」の語源を確認しておきましょう。「メランコリー」はもともと英語をそのまま日本で使うようになった言葉ですが、さらにこの英語はギリシア語に由来する古い言葉です。

「melancholia」とは、ギリシア語で“黒い”という意味を持つ「melaina」(またはmelan)と、“胆汁”という意味の「chole」から成った言葉。つまり“黒い胆汁”という意味になります。抑うつを示す状態でも、とくに重症の人には黒い胆汁が過剰になることから、うつ病患者を指して「melancholia」という言葉が用いられるようになりました。

そのため現在でも英語の「melancholia」は医学用語で「うつ病」を指すニュアンスが強くなるのです。

またこのような背景があり、キリスト教の七つの大罪の前身である八つの枢要罪のひとつにも数えられています。

\次のページで「「メランコリック」の使い方・例文」を解説!/

「メランコリック」の使い方・例文

「メランコリック」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.初恋のメランコリックな気持ちを表現した曲が話題となり、週間再生数がトップになるほどヒットしていた。聞いた瞬間、僕も学生時代の青春を思い出してしまったよ。
2.出演俳優さんのカメラに向けたメランコリックな表情と演技が印象的な番組だった。
3.いつもは陽気なコメディ作品が多い監督だが、製作中の新作はメランコリックな作品との公式コメントを発表し、既に注目を浴びている。
4.メランコリックな展開ではあるが、日本人ならば自然と共感し引き込まれてしまうような脚本と言える。
5.メランコリックな世界観で有名な画家の展覧会が行われている。おすすめされて鑑賞したものの、わたしにはまだ難しいものが多かった。

「メランコリック」とは憂うつである様子のこと。日本語で使う場合は、物悲し気な様子なども指します。またネガティブな意味だけでなく、“ミステリアスな雰囲気”“謎めいている”という印象も与え、褒め言葉としても用いられる言葉です。

例文にあるように、「メランコリックな~」という形で映画や文学作品、歌にも多く用いられています。

「メランコリック」の類義語は?違いは?

image by PIXTA / 69489734

続いて「メランコリック」と似た意味で使われる類義語を紹介します。

「アンニュイ」

「アンニュイ」とは“退屈”“物憂げ”という様子を表す言葉。フランス語の「ennui」が語源となっており、日常生活でも「アンニュイな雰囲気」「アンニュイな気分」などと使うことがあります。

「メランコリック」と同じように“物憂げ”な様子を用いる言葉として、「アンニュイ」は類義語のひとつです。

ただし厳密には、「メランコリック」は“うつ病”に繋がるようにネガティブなニュアンス、一方「アンニュイ」は褒め言葉として“気だるげ”を表現する、ポジティブなニュアンスを持っています。

\次のページで「「メランコリック」の対義語は?」を解説!/

「メランコリック」の対義語は?

“憂うつな”という意味を持つ「メランコリック」に対し、“明るい”という意味を持つ言葉は反対の表現と言えるでしょう。

ここではそのような言葉を「メランコリック」の対義語として紹介します。

「ブライト」

「ブライト」とは、英語の「bright」を指す言葉。“明るい”“輝く”という意味を持っています。

“憂うつな”気持ちを指す「メランコリック」に対し、“明るい”様子を指す「ブライト」は対義語の意味と言えるでしょう。

「メランコリック」の英訳は?

image by iStockphoto

最後に「メランコリック」の英語表現について確認しておきましょう。

「melancholic」

「メランコリック」はもとも英語からきた言葉のため、もとの「melancholic」で表現するのが一番適切です。

ただし“憂うつな”という意味合いを持つ言葉はほかにも「blue」「gloomy」「sad」など多くの類義語表現が存在します。状況に合わせて意味合いを正確に読み取ったり、使い分けることができるようにしておきましょう。

「メランコリック」を使いこなそう

この記事では「メランコリック」の意味・使い方・類語などを説明しました。古くは医学用語でもあった「メランコリック」ですが、今では幅広く使われているのを耳にします。似た意味も多い言葉ですが、それぞれのニュアンスを抑えることで、さらに「メランコリック」な作品も楽しめそうですね。

" /> 「メランコリック」の意味や使い方は?例文や類語を元広告会社勤務ライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

「メランコリック」の意味や使い方は?例文や類語を元広告会社勤務ライターがわかりやすく解説!

この記事では「メランコリック」について解説する。

端的に言えばメランコリックの意味は「憂うつ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「メランコリック」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「メランコリック」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「メランコリック」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「メランコリック」の意味は?

「メランコリック」には、次のような意味があります。

[形動]物思いに沈むさま。憂鬱であるさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「メランコリック」

「メランコリック」とは、憂うつなという意味を持つ英単語「melancholic」を指す言葉。英語で“憂うつな”という意味を持ちますが、日本で使う場合には“物悲し気”である時や“憂いがある様子”を指して「メランコリック」を使うこともあります。

なお同じく「メランコリー」もよく聞く言葉です。これは「melancholy」という英語で「melancholic」の名詞表現になります。

今では「メランコリック」も「メランコリー」も映画や小説、歌詞など日本ではよく聞く言葉になりました。ですが英語で「melancholic」を使うと「うつ病」という意味合いが強くなります。メランコリックとは、非常にネガティブで心の不安を表現した言葉と言えるでしょう。

「メランコリック」の語源は?

次に「メランコリック」の語源を確認しておきましょう。「メランコリー」はもともと英語をそのまま日本で使うようになった言葉ですが、さらにこの英語はギリシア語に由来する古い言葉です。

「melancholia」とは、ギリシア語で“黒い”という意味を持つ「melaina」(またはmelan)と、“胆汁”という意味の「chole」から成った言葉。つまり“黒い胆汁”という意味になります。抑うつを示す状態でも、とくに重症の人には黒い胆汁が過剰になることから、うつ病患者を指して「melancholia」という言葉が用いられるようになりました。

そのため現在でも英語の「melancholia」は医学用語で「うつ病」を指すニュアンスが強くなるのです。

またこのような背景があり、キリスト教の七つの大罪の前身である八つの枢要罪のひとつにも数えられています。

\次のページで「「メランコリック」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: