この記事では「流言」について解説する。

端的に言えば流言の意味は「うわさ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「流言」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「流言」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「流言(りゅうげん)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「流言」の意味は?

「流言」には、次のような意味があります。

根も葉もないうわさを言いふらすこと。また、そのうわさ。デマ。流説。るげん。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「流言」

「流言(りゅうげん)」とは、“根拠がないうわさ”を意味する言葉。一般的に口づてなど裏付けのない不確かな情報のことで、自然発生的なものを指します。りゅうげんと読むのが基本ですが、“るげん”と読むことも可能です。

類似した言葉に「デマ」がありますが、これら二つの言葉は、情報が目的を持って流されたかどうかが異なります。

「流言」とは、流れてきた情報から人々が憶測や想像で足りない部分を創り上げ、結果真偽の根拠がないうわさのこと。一方で「デマ」とは、特定の人物や勢力によって作為的に流された情報のことを言います。二つの言葉でニュアンスが変わるので、使い分けには注意しましょう。

なお、四字熟語の「流言蜚語・流言飛語(りゅうげんひご)」も、「流言」と同じく“根拠のないうわさ”という意味で用いられます。関連語句として抑えておくといいでしょう。

「流言」の語源は?

次に「流言」の語源を確認しておきましょう。「流言」は儒教の経典のひとつ、『礼記(らいき)』に由来が見られます。

全49篇から成る『礼記』のなかでも、儒学者としての言動について論じている『儒行(じゅこう)』にあるのが、「久しく相見ず、流言を聞くも信ぜず」という記述。これは“根拠のないうわさを流すものではない”という意味合いで使われている文章です。

ここで使われた「流言」が語源となったと言われています。

\次のページで「「流言」の使い方・例文」を解説!/

「流言」の使い方・例文

「流言」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.震災や災害のときは流言で誤った知識を流す者もいる。しっかり正しい情報を得ることが大事だ。
2.いったいどれが流言なのか、今一度情報と根拠を確認する必要があるだろう。
3.以前より情報化が進んだ現代では、SNSを中心に多くの流言が飛び交っている。
4.職場にうわさが大好きな先輩がいるが、行き過ぎた流言は罪に問われることもあるので、どうしてもヒヤヒヤしてしまう。
5.流言に惑わされると、余計に疲れてしまうことがある。

「流言」とは真偽のわからないうわさのこと。そのため、あまり良い印象では使われません。例文で使われるように現代でも用いられる言葉ですが、そのニュアンスには気をつけましょう。

また実際に使う場合は例文1~2のように戒めの意味合いや、例文3のように皮肉の意味合いで使われることもあります。言葉の持つニュアンスに気をつけて使うようにしましょう。

「流言」は例文にあるように、震災や災害といった不安な状況や、現在の情報社会で目にすることが多くあります。実際の情報を確認し、惑わされることのないよう気をつけましょう。

「流言」の類義語は?違いは?

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それでは次に「流言」と似た意味を持つ、類義語表現について見ていきましょう。

その1「風説」

「風説(ふうせつ)」とは、“世間に広まっているうわさ”のこと。“ふうぜつ”と読むこともあります。「流言」同様に、“うわさ”を指す言葉として、類義語表現と言えるでしょう。

ただし「風説」は、その真偽や根拠については問いません。事実であるかどうかではなく、世間で言われている話が「風説」となります。「流言」のうわさは“根拠がない”というもののため、この点において言葉の使い分けが必要です。

また「風説」を用いた用語に「風説の流布(ふうせつのるふ)」という言葉があります。株取引などの投資で使われる用語で、証券の価格を変動させる目的で虚偽の情報を流すことを指す言葉です。特定の状況で用いる言葉ではありますが、教養のひとつとして、合わせて覚えておくといいでしょう。

\次のページで「その2「浮言」」を解説!/

その2「浮言」

「浮言(ふげん)」とは、“根も葉もないうわさ”を指す言葉。根拠がなくいい加減なうわさを指して用いられるます。

「流言」と同様の意味を持つ類義語表現のため、言い換え表現としても使用することが可能です。

ただ文字の通り浮ついた表現として、「流言」よりも「浮言」は不真面目なニュアンスを与えることもあります。こまかくニュアンスを表現したいときには、使い分けられるようにしておくのもいいでしょう。

「流言」の対義語は?

「流言」とは、“根拠のないうわさ”を指す言葉。「うわさ」そのものを指すため、反対の意味という概念はありません。そのため「流言」の対義語にあたる表現はないといえます。

「流言」の英訳は?

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「流言」の英語訳はどのようになるでしょうか。最後に「流言」の英語表現についても確認しておきましょう。

「rumor」

「rumor」とは“うわさ”を意味する英単語。一般的によく用いられる単語です。「流言」を“うわさ”という意味で端的に表現するのであれば、この表現で充分でしょう。

ただし「rumor」自体は“うわさ”という意味しか持っていないため、根拠や真偽についての意味合いは含まれていません。そのため、“根拠のないうわさ”と「流言」が持つ意味をより細かく伝える場合は、「gratuitous」「groundless」といった“根拠のない”という意味を持つ形容詞を加えて「gratuitous rumor」「groundless rumor」といった言い回しをすると良いでしょう。

「流言」を使いこなそう

この記事では「流言」の意味・使い方・類語などを説明しました。

現在は情報社会ともいわれるほど、ネットをはじめあらゆるところに情報が広がっています。そのなかには信ぴょう性のない流言も多くあるでしょう。偽りの情報に踊らされないよう、そして自分も流してしまわないよう気をつけたいものですね。

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「流言」の意味や使い方は?例文や類語を元広告会社勤務ライターがわかりやすく解説!

この記事では「流言」について解説する。

端的に言えば流言の意味は「うわさ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「流言」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「流言」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「流言(りゅうげん)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「流言」の意味は?

「流言」には、次のような意味があります。

根も葉もないうわさを言いふらすこと。また、そのうわさ。デマ。流説。るげん。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「流言」

「流言(りゅうげん)」とは、“根拠がないうわさ”を意味する言葉。一般的に口づてなど裏付けのない不確かな情報のことで、自然発生的なものを指します。りゅうげんと読むのが基本ですが、“るげん”と読むことも可能です。

類似した言葉に「デマ」がありますが、これら二つの言葉は、情報が目的を持って流されたかどうかが異なります。

「流言」とは、流れてきた情報から人々が憶測や想像で足りない部分を創り上げ、結果真偽の根拠がないうわさのこと。一方で「デマ」とは、特定の人物や勢力によって作為的に流された情報のことを言います。二つの言葉でニュアンスが変わるので、使い分けには注意しましょう。

なお、四字熟語の「流言蜚語・流言飛語(りゅうげんひご)」も、「流言」と同じく“根拠のないうわさ”という意味で用いられます。関連語句として抑えておくといいでしょう。

「流言」の語源は?

次に「流言」の語源を確認しておきましょう。「流言」は儒教の経典のひとつ、『礼記(らいき)』に由来が見られます。

全49篇から成る『礼記』のなかでも、儒学者としての言動について論じている『儒行(じゅこう)』にあるのが、「久しく相見ず、流言を聞くも信ぜず」という記述。これは“根拠のないうわさを流すものではない”という意味合いで使われている文章です。

ここで使われた「流言」が語源となったと言われています。

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