この記事では「悼む」について解説する。

端的に言えば悼むの意味は「悲しみ嘆く」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

高校で国語教師をしていた経歴を持つ、現役ライターのhiyoriを呼んです。一緒に「悼む」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/hiyori

大学で近現代日本文学を専攻し、その知識を生かして国語教師として教壇に立っていた経歴を持つ。現在はライターとして様々な情報を発信している。難しい言葉もわかりやすい説明で解説していく。

「悼む」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんは「悼む」という言葉の意味をご存じですか?「悼む」は第140回直木賞を受賞して話題になり、映画化した天童荒太の『悼む人』という作品でテーマになった言葉です。ですが、日常的に使用される言葉ではないため、読み方や意味を知らない人も多いのではないでしょうか。今回はそんな「悼む」について解説していきたいと思います。

それでは早速「悼む」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「悼む」の意味は?

「悼む」には、次のような意味があります。

人の死を悲しみ嘆く。

出典:大辞林 第3版(三省堂)

「悼む」は「いたむ」と読み、人の死を嘆き悲しむことを意味する言葉です。亡くなった人を思い出して悲しんだり、お悔やみの言葉を送る際に使用されます。使用する対象は故人に限定されており、けがや病気を患っている生きている人に対しては使うことができないので注意しましょう。また、多くの場合は亡くなった知らせを聞いた時や葬儀の場など、直近の死に対して使用されます。しかし、終戦記念日などで死者を追悼する際に使用されているように、過去に亡くなった人にも使用できることも覚えておきましょう。

「悼む」の語源は?

次に「悼む」の語源を確認しておきましょう。

「悼」は「心臓」の象形で感情を意味する「忄」と、「人」「太陽」「人の頭」の象形で高く躍り上がるという意味を持つ「卓」から構成されています。この「忄」と「卓」から、人の死によって心が悲しみで動揺するという意味の「悼」が成り立ちました。

\次のページで「「悼む」の使い方・例文」を解説!/

「悼む」の使い方・例文

日常でなかなか使う機会のない「悼む」ですが、誰かの死に直面した時に、自身のその感情を表すことのできる大事な言葉です。この言葉は、例えば以下のように使われます。

1.いつもかわいがってくれた祖父の突然の死を悼む。
2.チャーミングな笑顔で一世を風靡した女優の死を悼む声が寄せられる。
3.お世話になった上司の死を悼む。

3つの例文を挙げました。それではひとつずつ解説を見ていきましょう。

例文1は、祖父の死という事象そのものを悲しむことを意味し、誰かの死を悲しんだり悔やんだりする例文になります。思い出深い人やお世話になって人に対して使われることが多いです。

例文2はニュースでよく見る言葉ですね。ここで言っている「悼む声」というのは、「誠に残念でなりません」や「哀悼の意を表します」などのお悔やみの言葉を指しています。

例文3は目上の立場の人間に対しても使うことができるという意味での例文です。家族や友人だけでなく、職場の上司など相手の立場を選ばず使用できることを覚えておきましょう。

「悼む」の類義語は?違いは?

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人の死を悲しむことを表現するには、他にどんな言い方があるでしょうか?

その1「弔う」

「弔う」は「とむらう」と読み、人の死を悲しんでお悔やみの言葉を述べる死者のために葬儀、供養を営むという意味を持つ言葉です。「悼む」が人の死を悲しみ嘆く感情を表すのに対し、「弔う」はお悔やみの言葉を伝えて遺族を慰める、故人の冥福を祈って供養する行為を表します。

\次のページで「その2「悲しむ」」を解説!/

・震災の犠牲になった友人の家族を弔う。

・長い時間を共に過ごした仲間の墓前に花を手向けて弔う。

その2「悲しむ」

悲しい気持ちになる、心が痛むことを表す「悲しむ」は「悼む」と似た意味を持つ言葉です。しかし、「悲しむ」は喜怒哀楽という人の感情の主な部分を司っているので、日常的に使用することがとても多いですよね。人の死についてだけでなく、日々の出来事についてなど様々な事象に対して使用できるという点で大きな違いがあります。

・恋人に突然別れを告げられて悲しむ。

・毎週観ていたバラエティ番組の終了を知って悲しむ。

・試験に落ちて悲しむ妹に声をかける。

その3「惜しむ」

「惜しむ」は「おしむ」と読み、心残りに思う、残念がることを表す言葉です。価値のあるものが損なわれたり、有効に活用されずに終わることを残念に思うことを意味しています。人の死を残念に思うという意味でも使われますが、「悲しむ」と同様に対象を人の死に限定していません。その他に、金銭を使わずに済ませようとする無駄にならないよう大切にするなど、多くの意味を含んでいるので使い分けに注意が必要です。

・同僚に惜しまれつつも退職する。

・夢半ばにして亡くなった彼女の死を惜しむ。

・食事代を出し惜しむ。

その4「偲ぶ」

「偲ぶ」は「しのぶ」と読み、懐かしく思い出す、追憶することを表す言葉です。過ぎ去った出来事や遠く離れた人を懐かしむ気持ちや同情の気持ちを持って思い出すことを表します。また、美しいものを賞賛する、愛でるという意味もありますが、主に古文で使用されるので現代で使われることはほとんどありません。

\次のページで「「悼む」の対義語は?」を解説!/

・プレゼントしたグラスを見つけて亡き父を偲ぶ。

・たくさんの人々の記憶に残る名作を生みだした世界の名監督を偲ぶ。

.・幼少期を過ごした思い出の地を訪れ、遠い日々を偲ぶ。

「悼む」の対義語は?

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「悼む」に対義語はありません。「悼む」という人の死を悲しみ嘆く反対の意味をあえて考えるなら、「人の死を喜ぶ」「人の死を嘲笑う」が挙げられるでしょう。

「悼む」を使いこなそう

この記事では「悼む」の意味・使い方・類語などを説明しました。

この言葉は「人の死を嘆き悲しむ」という意味を持ち、人の死に対する自分の感情を表す際に用いられます。

類義語として「弔う」「悲しむ」「惜しむ」「偲ぶ」を挙げました。「弔う」は死を悲しみ、冥福を祈って供養する行為を表し、行動が伴います。また、「悲しむ」は悲しい気持ちになる、「惜しむ」は心残りに思うと「悼む」と似た意味で使用され、故人以外も対象になるので注意が必要です。「偲ぶ」は過去や遠く離れた人を追憶することを表します。

「悼む」は人の死というナイーブな事象を慮るために必要な言葉ですが、決して難しい言葉ではありません。意味さえ掴んでしまえば簡単に使えるので、もしもの時のためにしっかりと使い方を覚えておきましょう。

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国語言葉の意味

「悼む」の意味や使い方は?例文や類語を文学部卒現役ライターがわかりやすく解説!

この記事では「悼む」について解説する。

端的に言えば悼むの意味は「悲しみ嘆く」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

高校で国語教師をしていた経歴を持つ、現役ライターのhiyoriを呼んです。一緒に「悼む」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/hiyori

大学で近現代日本文学を専攻し、その知識を生かして国語教師として教壇に立っていた経歴を持つ。現在はライターとして様々な情報を発信している。難しい言葉もわかりやすい説明で解説していく。

「悼む」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんは「悼む」という言葉の意味をご存じですか?「悼む」は第140回直木賞を受賞して話題になり、映画化した天童荒太の『悼む人』という作品でテーマになった言葉です。ですが、日常的に使用される言葉ではないため、読み方や意味を知らない人も多いのではないでしょうか。今回はそんな「悼む」について解説していきたいと思います。

それでは早速「悼む」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「悼む」の意味は?

「悼む」には、次のような意味があります。

人の死を悲しみ嘆く。

出典:大辞林 第3版(三省堂)

「悼む」は「いたむ」と読み、人の死を嘆き悲しむことを意味する言葉です。亡くなった人を思い出して悲しんだり、お悔やみの言葉を送る際に使用されます。使用する対象は故人に限定されており、けがや病気を患っている生きている人に対しては使うことができないので注意しましょう。また、多くの場合は亡くなった知らせを聞いた時や葬儀の場など、直近の死に対して使用されます。しかし、終戦記念日などで死者を追悼する際に使用されているように、過去に亡くなった人にも使用できることも覚えておきましょう。

「悼む」の語源は?

次に「悼む」の語源を確認しておきましょう。

「悼」は「心臓」の象形で感情を意味する「忄」と、「人」「太陽」「人の頭」の象形で高く躍り上がるという意味を持つ「卓」から構成されています。この「忄」と「卓」から、人の死によって心が悲しみで動揺するという意味の「悼」が成り立ちました。

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