この記事では「ニュアンス」について解説する。

端的に言えばニュアンスの意味は「言葉の微妙な意味合い」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国文学専攻の大学を卒業し、日本語教師の資格を持つasukaを呼んです。一緒に「ニュアンス」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/asuka

国文学専攻の大学を卒業。日本文学や日本語学を学ぶうちに、言葉が持つ意味の奥深さに魅了され、在学中に日本語教師の養成講座を修了する。これまで学んだこと、経験を活かし丁寧に解説していく。

「ニュアンス」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんは「ニュアンス」という言葉を知っていますか?この記事では「ニュアンス」について説明していきますので、この機会に言葉の知識を一つ増やしましょう!

「ニュアンス」の意味は?

早速「ニュアンス」の意味について見ていきましょう。「ニュアンス」と辞書を引いて調べると次のような表記がありました。

1.言葉などの微妙な意味合い。また、言外に表された話し手の意図。
2.色彩・音色などの微妙な差異。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ニュアンス」

「ニュアンス」とは上記に記した通り二つの意味がある言葉です。上記にある1の意味にある「言外」とは「げんがい」と読み、「言葉に出さない部分」という意味があります。何となく意味のイメージできましたか。私は「ニュアンス」という言葉を聞くと、上記の1の意味がなじみ深く感じます。皆さんはどちらが馴染み深いですか。このように「ニュアンス」とは二つの意味がある言葉ですので文脈によって使い分けられるようにしましょう。

「ニュアンス」の語源は?

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続いて「ニュアンス」の語源を確認しておきましょう。「ニュアンス」とはフランス語の「nuance」が語源です。フランス語で「nuance」とは「陰」を意味します。また、英語でも「nuance」という言葉がありますフランス語とは異なり「微妙な相違」という意味です。これらの意味が本来あって現在の日本語の「ニュアンス」の意味が成り立っていったのではないでしょうか。

\次のページで「「ニュアンス」の使い方・例文」を解説!/

「ニュアンス」の使い方・例文

ここまで「ニュアンス」の意味と語源について確認してきました。続いて「ニュアンス」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.上司が発言した言葉のニュアンスを汲む。
2.部下の仕事に対する意識の低さに悩まされていたので、しっかりして欲しいとニュアンスで伝えた。
3.美術の先生から「あなたの書いた絵は明るいニュアンスで良いわね」と褒められた。
4.彼女の弾くピアノは悲しいニュアンスを表現している。

例文1は上司の発言から「言外に表された話し手の意図」を汲むという意味で「ニュアンス」という言葉が使用されていますね。そして例文2は「言葉の微妙な意味合い」という意味で「ニュアンス」が使われています。例文2のように相手に直接伝えづらい事をなんとなく雰囲気で伝えることってありますよね。そうした時に「ニュアンス」で伝えるという表現を使用します。

また例文3と例文4は例文1と例文2と異なって「ニュアンス」と言う言葉が使われていることが分かりますね。例文3は「色合い」という意味で「ニュアンス」という言葉が使用されています。美術の先生から「明るい色合い」で書かれた絵を評価された様子が伺えますね。そして例文4ですが、こちらは「音色の差異」という意味で「ニュアンス」を使用していると言えるでしょう。曲が持つ、喜びや悲しみ、楽しさなどをピアノの音色で表現している様子が分かりますね。

以上のような場面で「ニュアンス」という言葉が使用できることが分かりました。日本では主に、上記にある例文1と例文2のような使われ方が多いのではないでしょうか。言葉はなんとなく雰囲気で使用してしまうこともありますが、しっかり意味を押さえて使用していないと相応しくない場面で使用してしまうこともありますので、意味を正しく覚えて使用できるようにしましょう。

「ニュアンス」の類義語は?違いは?

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「ニュアンス」という言葉の使い方は分かりましたか?次に「ニュアンス」の類義語について一緒に確認していきましょう。

その1「フィーリング」

「フィーリング」とは「なんとなく受ける感じ」または「感覚」を意味する言葉です。例えば「彼女とはフィーリングが合う」「毎日のファッションはフィーリングで決めるようにしている」というように使用することができます。

「フィーリング」は英語の「feel」に「~ing」がくっついてできた言葉です。英語の「feeling」は「物理的に感じる感覚だけでなく心理的な気持ち」を表す言葉なので日本語の「フィーリング」も英語の「feeling」と似たような意味で使用されています。

\次のページで「その2「トーン」」を解説!/

その2「トーン」

「トーン」とは「音」や「色調(しきちょう)」または「物事全体から感じられる気分・調子」のことを意味する言葉です。ちなみに「色調」とは「色の濃淡や明暗、強弱などの具合」や「色合い」を意味します。「トーン」は「相手の声のトーンが変わった」「明るいトーンの絵」などと使用することができるでしょう。

「トーン」は英語で「tone」と表記されます。英語の「tone」は「音の調子」や「色合い」または「口調」や「傾向」を表す言葉です。日本語の「トーン」と英語の「tone」は同じ意味で使用されていることが分かりますね。

「ニュアンス」の対義語は?

さて、皆さんはもう「ニュアンス」という言葉について理解は深まりましたか?最後に「ニュアンス」の対義語について紹介したいのですが、「ニュアンス」に明確な対義語はありません。しかし「ニュアンス」という言葉が持つ、なんとなく雰囲気で言外に表された話し手の意図を汲み取る様子から「直接」「直接的」もしくは「具体的」といった言葉が反対の意味にあたるのではないかと考えられます。

「ニュアンス」を使いこなそう

この記事では「ニュアンス」の意味・使い方・類語などを説明しました。おさらいすると「ニュアンス」には二つの意味がありましたね。しっかり覚えられましたか。「ニュアンス」とは様々なシーンで使える便利な言葉です。会話のみならず小説や新聞、雑誌などの文章の中でも見かけることがあるかと思います。人間がコミュニケーションをとる上で欠かせない「言葉」は正しい意味を理解できていないと円滑な関係を築くのに支障が生まれてしますので、しっかりと学習したいところです。皆さんにこの記事を通して「言葉」の知識を一つ増やすお手伝いができたら幸いに思います。

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国語言葉の意味

「ニュアンス」の意味や使い方は?例文や類語を国文学部卒Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「ニュアンス」について解説する。

端的に言えばニュアンスの意味は「言葉の微妙な意味合い」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国文学専攻の大学を卒業し、日本語教師の資格を持つasukaを呼んです。一緒に「ニュアンス」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/asuka

国文学専攻の大学を卒業。日本文学や日本語学を学ぶうちに、言葉が持つ意味の奥深さに魅了され、在学中に日本語教師の養成講座を修了する。これまで学んだこと、経験を活かし丁寧に解説していく。

「ニュアンス」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんは「ニュアンス」という言葉を知っていますか?この記事では「ニュアンス」について説明していきますので、この機会に言葉の知識を一つ増やしましょう!

「ニュアンス」の意味は?

早速「ニュアンス」の意味について見ていきましょう。「ニュアンス」と辞書を引いて調べると次のような表記がありました。

1.言葉などの微妙な意味合い。また、言外に表された話し手の意図。
2.色彩・音色などの微妙な差異。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ニュアンス」

「ニュアンス」とは上記に記した通り二つの意味がある言葉です。上記にある1の意味にある「言外」とは「げんがい」と読み、「言葉に出さない部分」という意味があります。何となく意味のイメージできましたか。私は「ニュアンス」という言葉を聞くと、上記の1の意味がなじみ深く感じます。皆さんはどちらが馴染み深いですか。このように「ニュアンス」とは二つの意味がある言葉ですので文脈によって使い分けられるようにしましょう。

「ニュアンス」の語源は?

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続いて「ニュアンス」の語源を確認しておきましょう。「ニュアンス」とはフランス語の「nuance」が語源です。フランス語で「nuance」とは「陰」を意味します。また、英語でも「nuance」という言葉がありますフランス語とは異なり「微妙な相違」という意味です。これらの意味が本来あって現在の日本語の「ニュアンス」の意味が成り立っていったのではないでしょうか。

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