この記事では「蔑ろ」について解説する。

端的に言えば蔑ろの意味は「軽んじること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

小説好きで言葉の意味を調べるのが趣味な山田を呼んです。学生時代は塾講師もしていたぞ。一緒に「蔑ろ」の意味や例文、類語などを見ていこう。

ライター/ぜーた

小説が好きで、日々日本語について調べたりしています。学生時代には塾講師の経験もありWEBエンジニアとして勤務中。この記事が学びになるように精一杯解説する。

「蔑ろ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「蔑ろ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「蔑ろ」の意味は?

「蔑ろ」には、次のような意味があります。

1.あってもないもののように軽んじること。また、そのさま。「親を蔑ろにする」
2.しまりのないさま。だらしのないさま。

出典:goo辞書「蔑ろ」

蔑ろとは、(ないがしろ)と読み、「他人や物事、アドバイスなどをあっても無いように軽んじること」という意味です。無に等しいように扱う様を表し、簡単に言い換えると、相手を無視したり、物事をいい加減に扱ったり、アドバイスを聞かなかったりと、分かっている、認識しているのに軽視し、無視することを差します。普段は、「蔑ろ」に「しない」と否定と一緒に使われることが多い名詞、または形容詞です。

意味からわかるように、「蔑ろ」とはポジティブな意味で使われる言葉ではありません。

「蔑ろ」の語源は?

次に「蔑ろ」の語源を確認しておきましょう。「ないがしろ」は元々「無きが代(なきがしろ)」という言葉でした。代理人や代行、身代金などのように、「代」の意味は「(特定の人や物の)代わりになるもの」です。「無きが代」は、「代」が「無い」、「代わりなど必要ない」、つまり「代用の必要はない」という意味になり、そこから「必要のない人」という意味で、人や物事を無いに等しいくらいに軽く見ることを表す言葉になったと言われています。

この「代用の必要がない」「必要のない」といった日本語表現が、漢字の「蔑」と意味合いが近いことが転じて、この感じが当てられるようになったようです。

\次のページで「「蔑ろ」の使い方・例文」を解説!/

「蔑ろ」の使い方・例文

「蔑ろ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.私は、勉強も部活も蔑ろにしたくありません。
2.先生のアドバイスを蔑ろにしていると、受験に合格できません。
3.私の上司は、部下を蔑ろにしない、良いリーダーです。

「蔑ろ」は、本来は大切にするべき・尊重されるべき人やものに対して軽率に扱う行為を示します。 つまり「蔑ろ」は「あっても無いかのように侮り軽んずる・冷たくあしらうこと」を表す言葉です。 例えば、成績が悪く勉強をしなければいけない学生が勉強をしていないと「勉強を蔑ろにしている」となりますし、家族を大切にしない亭主には「あの亭主は家族を蔑ろにしている。」となります。  


蔑ろに使えわれている「蔑(べつ)」という字には「バカにする」などのネガティブな意味があり、「軽蔑」などの言葉に使われていますので、人に対してはあまり使わない方がよい言葉ですね。

「蔑ろ」の類義語は?違いは?

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蔑ろの類義語には「おろそか」「見くびる」「侮る」などがあり、また同じ漢字でも意味が異なる「蔑む(さげすむ)」という言葉も存在します。詳しく見てきましょう。

その1.「おろそか」

疎か(おろそか)には「いい加減に済ませたり、軽く扱ったりして、真面目に取り組まないさま」という意味があります。やらなければいけないことをやらずに、軽んじてしまうという意味で「蔑ろ」の類義語であることが分かりますね。使い方も「蔑ろ」と似ており、例文としては「遊ぶことに夢中になってしまい、勉強がおろそかになる」や「仕事相手との人間関係を疎かにしては、ビジネスで成功することは不可能だ。」などがあります。

一方で「疎か(おろか)」と読むと「言うまでもなく」というような意味を持ち、例文としては「君は、得意である数学は疎か、英語までできてるなんてすごいですね。」などがあり、用法や読み方が意味が変わるので気をつけましょう。

\次のページで「その2.「蔑む」」を解説!/

その2.「蔑む」

「蔑む(さげすむ)」は、蔑ろと同じ漢字を書きます。「蔑ろ」の意味がが「大事なモノや人を無いモノのように軽んじること」に対して「蔑む」の意味は「自分より劣ったものとして人を見下す」です。「蔑」という漢字は、目に刃物を当てて、目が傷ついている様子を表しています。目が傷つき、相手がよく見えないことから、「蔑」という漢字には「見えないように扱う」「無視する」「けなす」のような意味を持つようになりました。

上記のように「蔑」という漢字には「軽んじる」「無視する」「人を見下す・けなす」といった意味があるので、同一の字を当てているのです。

「蔑ろ」の対義語は?

蔑ろの対義語には「尊敬」「尊重」「大切」「丁重」などがあります。詳しく見ていきましょう。

「尊重」

尊重の意味には「価値あるもの、尊いものとして大切に扱う」があり、「無いモノのように軽んじて扱う」といった意味を持つ「蔑ろ」の対義語であることが分かります。 「尊重」とは「大切」「尊い」などの同じ意味を持つ「尊」「重」の2つの漢字を重ねてできており、非常に大事な様を連想できますね。例文としては「大切なのは、自分とは違う意見を尊重することである」のように、物事を大切にすることを表現する際に利用します。

「蔑ろ」の英訳は?

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「蔑ろ」を英語で表すと「slight」となります。どういった用法、意味があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

1.This is a slight problem for me.
(これは私にとって、取るに足らない問題です。)

2.I think we consider slightness too seriously.
(私は、私たちは取るに足らないことに対し深く考えすぎだと思います。)

slightには「取るに足らない」という意味があります。これは、物事を軽んじて見る様を表現でき「蔑ろ」と類似していますね。またslightnessと名詞にすると、「取るに足らないこと」というような名詞になります。

\次のページで「「蔑ろ」を使いこなそう」を解説!/

「蔑ろ」を使いこなそう

この記事では「蔑ろ」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「蔑ろ」は「無きが代」から転じて成り立っており、意味の詳しい起源や、用いられ方がわかりましたね。

私たちは普段から学びを蔑ろにしないようにしたいものですが、なかなか継続して学ぶことは難しいです。全てのことを蔑ろにしないで過ごすのは難しいかもしれませんが、本当に大切なモノは丁寧に扱うようにしたいですね。

" /> 【慣用句】「蔑ろ」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説! – Study-Z
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【慣用句】「蔑ろ」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「蔑ろ」について解説する。

端的に言えば蔑ろの意味は「軽んじること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

小説好きで言葉の意味を調べるのが趣味な山田を呼んです。学生時代は塾講師もしていたぞ。一緒に「蔑ろ」の意味や例文、類語などを見ていこう。

ライター/ぜーた

小説が好きで、日々日本語について調べたりしています。学生時代には塾講師の経験もありWEBエンジニアとして勤務中。この記事が学びになるように精一杯解説する。

「蔑ろ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「蔑ろ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「蔑ろ」の意味は?

「蔑ろ」には、次のような意味があります。

1.あってもないもののように軽んじること。また、そのさま。「親を蔑ろにする」
2.しまりのないさま。だらしのないさま。

出典:goo辞書「蔑ろ」

蔑ろとは、(ないがしろ)と読み、「他人や物事、アドバイスなどをあっても無いように軽んじること」という意味です。無に等しいように扱う様を表し、簡単に言い換えると、相手を無視したり、物事をいい加減に扱ったり、アドバイスを聞かなかったりと、分かっている、認識しているのに軽視し、無視することを差します。普段は、「蔑ろ」に「しない」と否定と一緒に使われることが多い名詞、または形容詞です。

意味からわかるように、「蔑ろ」とはポジティブな意味で使われる言葉ではありません。

「蔑ろ」の語源は?

次に「蔑ろ」の語源を確認しておきましょう。「ないがしろ」は元々「無きが代(なきがしろ)」という言葉でした。代理人や代行、身代金などのように、「代」の意味は「(特定の人や物の)代わりになるもの」です。「無きが代」は、「代」が「無い」、「代わりなど必要ない」、つまり「代用の必要はない」という意味になり、そこから「必要のない人」という意味で、人や物事を無いに等しいくらいに軽く見ることを表す言葉になったと言われています。

この「代用の必要がない」「必要のない」といった日本語表現が、漢字の「蔑」と意味合いが近いことが転じて、この感じが当てられるようになったようです。

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