この記事では「トレンディ」について解説する。

端的に言えばトレンディの意味は「トレンディドラマ風の」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

さまざまな分野の本に触れ、知識を培ってきた「つゆと」を呼んです。一緒に「トレンディ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/つゆと

子供の頃からの筋金入り読書好きライター。むずかしい言葉や複雑な描写に出会っても、ねばり強く読みこんで理解することをポリシーとする。言葉の意味も、妥協なくていねいに解説していく。

「トレンディ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「トレンディ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「トレンディ」の意味は?

「トレンディ」には、次のような意味があります。

[形動]最新流行である。時代の先端をいっている。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「トレンディー」

「トレンディ」は「時代の最先端の」という意味で使います。正しくいうと、その意味で使われて「いました」。今「トレンディだね」と声をかけられたら、それは素直なほめ言葉ではない可能性が高いでしょう。

トレンディの言葉が本来の意味のとおり「最新の流行」をさしていたのは、1980年代後半から1990年代前半のバブル時代のこと。そのころヒットしたテレビドラマは「トレンディドラマ」といわれ、最新の流行の服を着こなす男女が、華やかな都心の生活や素敵なインテリアの部屋を舞台に恋愛模様を演じるものでした。

今「トレンディ」といったら、最先端で流行っているものではなく「トレンディドラマっぽい」ものをさすことが多いでしょう。つまり「トレンディだね」とは、本来の「最先端の」という意味とは逆に「あの時代のドラマっぽいよね」とからかう言葉。そうとらえるのが正しい解釈なのです。

「トレンディ」の語源は?

次に「トレンディ」の語源を確認しておきましょう。「トレンディ」の語源は英語の「trendy」。意味は「流行の先端をゆく」「現代風の」などです。今の「トレンディ」は使い方が変わってしまいましたが、もともとは語源の意味と同じだったことが分かりますね。

英語の「trendy」は「トレンディドラマ」のように大流行して使い古された言葉ではないので、ある時代を象徴したり時代遅れのニュアンスをともなうことはありません。

ただし英語の「trendy」には「流行好きな」、つまりは「ミーハーな」とか「流行に流されやすい」というネガティブな意味があります。日本語の「トレンディ」とは、また別のネガティブニュアンスを含むのですね。流行とは、国に関係なく皮肉を受けやすいのかもしれません。

\次のページで「「トレンディ」の使い方・例文」を解説!/

「トレンディ」の使い方・例文

「トレンディ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.人気ランキング上位の俳優にあこがれて服だけでなくブランド小物もそろえてみたら、「なんかトレンディだね!」と言われてしまった。間違ったかな…。
2.車にはドライブレコーダー搭載、かわいい娘や息子の安全のため台湾トランセンドのウェアラブルカメラを複数台購入、PCはアメリカサンディスクの大容量ストレージで動画編集も最速、外出先でもメモリカード常備でつねに安心快適、これが僕のトレンディなのだ。
3.「日経トレンディ」の3月号の家飲み特集ページに載ってるんだけどさ、地元のビール、出荷本数限定の日本酒、家で飲める世界のワインとウイスキーだって。サワーでもなんでもいいから今すぐ飲みたいわ!
4.ソニー、NTTドコモ、富士フイルム、東芝、パナソニック、朝日新聞社…大学からの主な就職先のトレンドは、イメージが先行する部分もまだまだ大きい。

1の例文は、いわゆる現在での「トレンディ」の使い方です。「なんかトレンディだね!(ウケる)」とでもいうような含み、あるいは「トレンディだね」と言われて「ほめられてない」と感じたのを読み取れましたか。

2の例文も「トレンディ」が最先端ではないと分かって使っている文章です。デジタル機器を整備し自分なりには満足している感じを、あえて「トレンディ」という言葉で落として謙虚に表現しています。

3の例文に出てきたのは、「トレンディ」が本当にトレンディだったバブル期に創刊された、その名も「日経トレンディ」という雑誌です。現在も今流行っているものを教えてくれる有用な雑誌ですよ。

4の例文は、「トレンディ」に代わり使われるようになった「トレンド」という言葉を使った文章です。「流行」または「社会の流れ」などを表します。「トレンド」は時代遅れのニュアンスは全く含みません。

「トレンディ」の類義語は?違いは?

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「トレンディ」の類義語には「ナウい」があります。

「ナウい」

「ナウい」とは、「今風だ」「今っぽい」という意味の言葉です。「トレンディ」と決定的に似ているのは、今では古さを感じる点でしょう。

「ナウい」は1980年ころに若者言葉として非常に流行りましたが、その後勢いがしぼむように使われなくなりました。世間に浸透しすぎたために若者からは「死語」とされたこと、また年齢層の高い人たちには流行語としてしばらく使われ続け「大人が使うダサい言葉」となってしまったことなどが原因のようです。

昔流行った言葉として、あえて使うという使用法もあるのですよ。「ナウなヤング(今どきの若者)」という言葉は、揶揄(やゆ)として使うにしろ非常にキャッチ―で使いやすいと思いませんか。

\次のページで「「トレンディ」の対義語は?」を解説!/

「トレンディ」の対義語は?

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「トレンディ」の対義語には「旬な」があげられます。

「旬な」

「旬な」は「評判である」「最新である」という意味です。ここでは「旬な」を「トレンディ」の対義語として考えてみます。

「トレンディ」は本来「時代の最先端の」という意味でした。その意味においては「旬な」はむしろ類義語です。しかし「トレンディ」はバブル時代を象徴する言葉となり、現在では逆に「バブル時代のような」と、古くささを表す言葉になっています。その点において対義語ととらえることができるのです。

ちなみにですが、「旬な」という言葉が「今」を表せなくなることは今後もないでしょう。「今が旬」の「今」はいつでも現在を表しています。もともと「旬」という言葉は野菜や魚がもっともおいしくなる時期を表す言葉。「旬」が過去のある時をさして固定されてしまうことはありえないのですね。

「トレンディ」を使いこなそう

この記事では「トレンディ」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「トレンディ」は、もともとは「時代の最先端の」という意味の言葉でしたが、今では「トレンディドラマ風の」とバブル時代っぽいことを表す言葉となっています。

バブル時代の女性は、現在からすると時代遅れの服装やメイクをしていますが、トレンディドラマを見ると活動的で魅力にあふれていることに気づきますよ。「ダンシングヒーロー」が再流行したのも、その力強さに圧倒された人が多かったからではないでしょうか。

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「トレンディ」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「トレンディ」について解説する。

端的に言えばトレンディの意味は「トレンディドラマ風の」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

さまざまな分野の本に触れ、知識を培ってきた「つゆと」を呼んです。一緒に「トレンディ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/つゆと

子供の頃からの筋金入り読書好きライター。むずかしい言葉や複雑な描写に出会っても、ねばり強く読みこんで理解することをポリシーとする。言葉の意味も、妥協なくていねいに解説していく。

「トレンディ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「トレンディ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「トレンディ」の意味は?

「トレンディ」には、次のような意味があります。

[形動]最新流行である。時代の先端をいっている。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「トレンディー」

「トレンディ」は「時代の最先端の」という意味で使います。正しくいうと、その意味で使われて「いました」。今「トレンディだね」と声をかけられたら、それは素直なほめ言葉ではない可能性が高いでしょう。

トレンディの言葉が本来の意味のとおり「最新の流行」をさしていたのは、1980年代後半から1990年代前半のバブル時代のこと。そのころヒットしたテレビドラマは「トレンディドラマ」といわれ、最新の流行の服を着こなす男女が、華やかな都心の生活や素敵なインテリアの部屋を舞台に恋愛模様を演じるものでした。

今「トレンディ」といったら、最先端で流行っているものではなく「トレンディドラマっぽい」ものをさすことが多いでしょう。つまり「トレンディだね」とは、本来の「最先端の」という意味とは逆に「あの時代のドラマっぽいよね」とからかう言葉。そうとらえるのが正しい解釈なのです。

「トレンディ」の語源は?

次に「トレンディ」の語源を確認しておきましょう。「トレンディ」の語源は英語の「trendy」。意味は「流行の先端をゆく」「現代風の」などです。今の「トレンディ」は使い方が変わってしまいましたが、もともとは語源の意味と同じだったことが分かりますね。

英語の「trendy」は「トレンディドラマ」のように大流行して使い古された言葉ではないので、ある時代を象徴したり時代遅れのニュアンスをともなうことはありません。

ただし英語の「trendy」には「流行好きな」、つまりは「ミーハーな」とか「流行に流されやすい」というネガティブな意味があります。日本語の「トレンディ」とは、また別のネガティブニュアンスを含むのですね。流行とは、国に関係なく皮肉を受けやすいのかもしれません。

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