この記事では「小生」について解説する。

端的に言えば小生の意味は「私」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

東京の大手企業に35年以上勤務し仕事でたくさんの文章に携わってきたベテランのKAIKAIを呼んです。一緒に「小生」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章に携わってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で言葉の意味には自信あり。

「小生」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「小生」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「小生」という言葉はなんとなく自分を意味する言葉だということはわかります。しかしその具体的な使い方はよくわからないのが実情ではないでしょうか。また、「小生」は敬語と思っている人も多いようです。ここでは「小生」に意味や類義後、反意語などについて詳しく見てみましょう。

「小生」の意味は?

「小生」(しょうせい)とは男性がみずからをへりくだって言うときの一人称です。「へりくだる」とは相手を敬って自分を低くすることで、自分と同格か目下の人に向かって使用する言葉となります。従って目上の人に対しては使われません。また、使うのは男性のみで、女性には使用しません。またこの言葉は手紙などで使われるいわゆる書き言葉で、口語では使用されないのです。

一人称の代名詞。男性が自分をへりくだっていう語。多く、手紙文に用いる。「小生もつつがなく日々を過ごしております」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「小生」

「小生」は手紙や文章などで使われるいわゆる書き言葉です。年長者が使う印象がありますが、最近はほとんど使われなくなっていますが、ビジネスシーンで使われる場合は要注意となります。同僚や部下や後輩に向かって使うのは構いませんが、上司、先輩、取引先に向かって使用するのは失礼になると言われているのです。

しかし、会社によっては「小生」を使う習慣があるところもあります。そのような場合は会社の習慣に従った方がいいでしょう。また、目下の人に「小生」と言ってへりくだるのはおかしいという見解を持つ年配の方もいます。いずれにしても会社などでは「小生」は使わない方が無難でしょう。

「小生」の語源は?

次に「小生」の語源を確認しておきましょう。「小生」の「小」は「小さい」という意味が転じて「身分が低い」「若い」という意味をあらわすようになりました。そうしてへりくだった表現として使われるようになったのです。

\次のページで「「小生」の使い方・例文」を解説!/

「小生」の使い方・例文

「小生」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.うっとおしい日が続きますが、元気でお過ごしでしょうか。小生はあいかわらずです。
2.明日の出張ですが、小生は10時に新幹線で東京駅を出発します。

例文1は親しい友達にあてた手紙のケースです。例文2は会社の同僚にあてたメールのケースとなります。このように「小生」は手紙で書かれることが多いのですが、例文2のように業務連絡用のメールなどでも使用されますね。とても形式ばった堅苦しい印象を受けます。

「小生」の類義語は?違いは?

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「小生」の類義語と意味の違いについて見てみましょう。

その1「小職」

「小職」(しょうしょく)は「小生」によく似た一人称の言葉です。読み方も似ているため間違って使用されることもよくあります。「小職」の場合は公務員など役人の人が、自分のことをへりくだって言う場合に使われるのです。普通の民間企業に勤めている場合は「小職」は使いません。また、「小生」は男性のみが使用しますが、「小職」は男性も女性も使用します。

また「小職」に似た言葉で「当職」(とうしょく)がありますね。こちらは弁護士や、司法書士、弁理士といった士業の人が使用する一人称の言葉です。また、「自分の職業」という意味でも使われることもあります。こちらの意味で使われる場合は、士業に限定されず、どの職業の人が使用しても問題ありません。

\次のページで「その2「下命」」を解説!/

その2「下命」

下命」(かめい)は、やはり自分のことをへりくだって言う一人称の言葉です。こちらは男女区別なく、また職業を問わず広く使用されています。従って間違って使用されることは少ないのですが、この言葉自体最近ではほとんど使用されていません。間違って「げめい」と読まれているのをたまに見かけますが、正しい読みは「かめい」ですので注意しましょう。

その3「私」

「私」(わたし/わたくし)は日常生活でもビズネスシーンでも最も使用される第一人称の言葉です。男性も女性も、文章でも口頭でも問わず使われますので大変便利な言葉ですね。ビズネスでは、「小生」を使うと、相手に古臭くて偉そうな印象を与えるので、「私」と言った方が賢明ですね。しかし会社によってはその会社の文化としてあえて「小生」を使わせているところもありますので、そういった会社に勤務している場合はその習慣に従うようにしましょう。

「小生」の対義語は?

「小生」の対義語は何でしょうか。

「貴殿」

「小生」の対義語は「貴殿」(きでん)です。「あなた」という意味の二人称の人代名詞で、丁寧に言う場合に用いられます。もともとは目上の人に対しての敬称として使われていましたが、その後、男性が同等又は目上の男性に向かって使用されるようになりました。書き言葉であり、手紙や文章に用いられ、口頭では使用されません。また、「貴殿」は複数の人に対しては使われず、その場合は「お二方」といった表現をします。女性に対しては「貴殿」は使わず、「貴女」(きじょ)を使うのが一般的です。

「小生」の英訳は?

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「小生」の英語表現は何でしょうか。

「I」

「小生」の英語表現は「I」です。英語の場合は一人称を表現するのに日本語のように男女の区別や、いろんな類語や、へりくだる言葉もありません。大変シンプルで間違われる余地はありませんね。

「I」を使った英語の慣用句をあげてみます。

\次のページで「「小生」を使いこなそう」を解説!/

・I scream  叫ぶ
・I mean what I say  本気ですよ
・Hear I come  いくぞ
・I mean  そうだな
・I miss you  あなたがいなくて寂しい

「小生」を使いこなそう

この記事では「小生」の意味・使い方・類語などを説明しました。「小生」の類義語は本稿でもあげた「小職」や「下命」といったようにたくさんあります。しかしいずれも古臭い言い回しですし、堅苦しい印象がありますね。近年ではあまり使用されなくなってきています。その気はなくても相手に不快な印象を与えることが多い言葉ですので、自分のことを言う場合は「私」「わたくし」を使うのがやっぱり一番無難ですね。

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国語言葉の意味

「小生」の意味や使い方は?例文や類語をたくさんの言葉を扱ってきたライターがわかりやすく解説!

この記事では「小生」について解説する。

端的に言えば小生の意味は「私」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

東京の大手企業に35年以上勤務し仕事でたくさんの文章に携わってきたベテランのKAIKAIを呼んです。一緒に「小生」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章に携わってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で言葉の意味には自信あり。

「小生」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「小生」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「小生」という言葉はなんとなく自分を意味する言葉だということはわかります。しかしその具体的な使い方はよくわからないのが実情ではないでしょうか。また、「小生」は敬語と思っている人も多いようです。ここでは「小生」に意味や類義後、反意語などについて詳しく見てみましょう。

「小生」の意味は?

「小生」(しょうせい)とは男性がみずからをへりくだって言うときの一人称です。「へりくだる」とは相手を敬って自分を低くすることで、自分と同格か目下の人に向かって使用する言葉となります。従って目上の人に対しては使われません。また、使うのは男性のみで、女性には使用しません。またこの言葉は手紙などで使われるいわゆる書き言葉で、口語では使用されないのです。

一人称の代名詞。男性が自分をへりくだっていう語。多く、手紙文に用いる。「小生もつつがなく日々を過ごしております」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「小生」

「小生」は手紙や文章などで使われるいわゆる書き言葉です。年長者が使う印象がありますが、最近はほとんど使われなくなっていますが、ビジネスシーンで使われる場合は要注意となります。同僚や部下や後輩に向かって使うのは構いませんが、上司、先輩、取引先に向かって使用するのは失礼になると言われているのです。

しかし、会社によっては「小生」を使う習慣があるところもあります。そのような場合は会社の習慣に従った方がいいでしょう。また、目下の人に「小生」と言ってへりくだるのはおかしいという見解を持つ年配の方もいます。いずれにしても会社などでは「小生」は使わない方が無難でしょう。

「小生」の語源は?

次に「小生」の語源を確認しておきましょう。「小生」の「小」は「小さい」という意味が転じて「身分が低い」「若い」という意味をあらわすようになりました。そうしてへりくだった表現として使われるようになったのです。

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