1.休日に墓参りに行くとは、君もなかなか殊勝な心掛けをしている。
2.入院中の親に心配をかけまいとする殊勝な子どもの姿に心を打たれた。
3.今日はやけに殊勝だね。なにかあったのかい?
例文1は、休日にお墓参りをしたということを「とても感心できる」と褒めている場面です。休み明けに、部下の休日の様子を聞いた上司が言ったのかもしれませんね。「殊勝」は元々仏教用語だったこともあって、神仏を崇める行為に対してよく使われます。
例文2は子どもの健気な振る舞いに対して使われる「殊勝」です。子どもが年齢に合わない立派な行動をしたときにも使います。
例文3は日頃は賑やかな人が神妙で静かにしているさまに対して使う「殊勝」です。落ち着いた振る舞いは良いものとされますよね。よって「(いつもとはうってかわって)静かなさま」を「殊勝である=好ましい」と表現するようになりました。
その1「神妙」
「神妙(しんみょう)」は、ほぼ「殊勝」と置き換えが可能な言葉です。心掛けや行いが感心する、いつもとは変わっておとなしくかしこまっているなどの様子を表します。
その2「感心」
「感心」は「殊勝」や「神妙」より、もっと口語的で気軽に使えますね。行為が立派であることや、すぐれた技量に心を動かされる様子を表します。「散歩のついでにゴミを拾うとは、感心な心掛けだ」と言ったりしますね。
その3「健気」
「健気(けなげ)」は「殊勝」の「困難なことに勇敢に立ち向かう、年齢に合わない立派な行いをする」という意味と置き換えができる言葉です。力の弱いもの、幼いものに対して「小さい(若い)のに頑張っているね」と褒めてあげたい気持ちが込められています。
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