理科生態系生物

「ラウンケルの生活形」とは?休眠芽の位置に注目!現役講師が簡単にわかりやすく解説

ラウンケルの生活形と気候

ラウンケルが分類したこれらの生活形は、自然界の環境や気候とどのような関係があるのでしょうか?

地表植物・半地中植物・地中植物の場合

一般的に、地表植物や半地中植物、地中植物の休眠芽の位置は、寒さや乾燥をやり過ごすのに適しているといわれます。空気中と地中であれば、地中の方が温まりやすい環境です。地表面から離れた高いところほど、風によって空気が対流し、温まりにくくなります。また、地中の方が水分を保持しやすいのは当然のことです。

よって、地表植物や半地中植物、地中植物の姿は、冬季に寒さや乾燥が厳しい地域に植物が適応した結果だと考えることができます。

地上植物の場合

「バイオーム」について学習した人はわかると思いますが、降水量が少なく、気温も低いところは、そもそも樹木(特に高木)が生育しにくい環境です。休眠芽の位置が高いことも、そのような環境に樹木が進出しにくい一つの要因になっているのかもしれません。

ですが、地上植物にも利点があります。多くの樹木は幹があり、枝の先に休眠芽をつけますよね。植物にとって光合成に欠かせない日光を遮ることなく浴びられる”高さ”があることは生存に有利です。生長に適した時期になりさえすれば、すぐに高い位置に葉をつけることができます

一年生植物の場合

image by iStockphoto

一年生植物は一年のうちの限られた時期にしか生育できず、樹木のような姿になることはできません。せっかく大きくなっても、時期がくれば枯れてしまい、また種子からのスタートです。

しかしながら、やはりこの生活形にも利点があります。生育が困難な期間をやり過ごす”種子”という状態は、非常に乾燥に強いのです。一年生植物以外は多かれ少なかれ、体の一部を冬の間も残しておき、そのどこかに休眠芽があります。その”体の一部”が乾燥などで枯れてしまったら、また長い時間をかけてつくりなおさなくてはいけません。

もっとも、一年生植物以外の植物も(種子植物であれば)種子をつけますが、乾燥が厳しい地域では、冬の間に”体の一部”を残しておくことが難しくなります。そういった地域では、一年生植物が多く見られることになるでしょう。

生活形に着目して植物群落を観察することは、その地域の環境、特に冬場の気候を推察する手掛かりになるのです。

なお、上記以外にも、”気生植物”や”着生植物”といったグループも考えられていますが、高校レベルであれば今回ご紹介した6つのグループを確実に覚えておいてくださいね。

簡単そうで難しい「休眠芽の位置」

ラウンケルの生活形のなかでも代表的なグループを6つご紹介しました。

休眠芽の位置に着目するという内容でしたが、じつはこれ、意識していないとかなり難しいんです。春に地中から芽が出てきても、それが「地下茎から」なのか、「球根から」なのか、はたまた「種子から」出てきたものなのか…植物に興味がないと注意が向かないんですよね。

苦手だという人は、代表例として挙げた植物の名前を丸暗記してしまいましょう。余裕があったら、自分の身の回りにある植物を観察したり、図鑑で調べたりして休眠芽の位置を確認してみてください。

イラスト使用元:いらすとや

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