「界隈」の意味や使い方は？例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説！

ライター／川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読む度に、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「界隈」の意味や語源・使い方まとめ

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よく「ご近所界隈」や「代々木界隈」などと聞いた事があるのではないでしょうか。会話ではあまり使わない単語ですが、近頃はインターネット上でも「〇〇界隈」などと使われている事が多いです。初めて見た方でも、なんとなく意味のイメージはつきます。しかし、本来の意味をしっかり説明出来る方は少ないでしょう。正しい使い方と本来の意味を知る絶好の機会です。それでは早速「界隈」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「界隈」の意味は？

「界隈」には、次のような意味があります。

そのあたり一帯。付近。近辺。「銀座界隈」

出典：デジタル大辞泉（小学館）「界隈」

「界隈」の正しい読み方は「かいわい」です。意味は「そのあたり一帯」「その付近」で、ある一つの場所がありその場所の周辺や近くの場所を、全部ひっくるめて「界隈」と読みます。「新宿界隈」「銀座界隈」といったような、一般的に使われる「界隈」の意味は上記の通りです。インターネット用語として使われている「界隈」は、一般的な「界隈」とは異なる意味で使われています。一般的な「界隈」は地理的な表現ですが、ネット用語での「界隈」は業界や特定のジャンル、属性などを意味しているのです。

「界隈」の語源は？

次に「界隈」の語源を確認しておきましょう。「界隈」の語源は、本来の意味としての「界隈」です。もともとは「その辺り一帯」という意味しか持たなかった言葉が、インターネット上での特異な使われ方が影響し、様々な意味が付加して広まっていきました。そのため、「界隈」の語源はもともとの意味の「界隈」になります。

「界隈」の使い方・例文

「界隈」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1．昔から新宿界隈には猫が住み着いている。
2．Twitterの美容垢界隈の人たちは、容姿を磨くのに必死で素敵だ。
3．ある芸能人がとあるアニメキャラクターのコスプレをして、オタク界隈に進出し、注目を浴びる。

例文1の「界隈」は「そのあたり一帯」という意味を使った例文になります。例文1の場合には「新宿あたり一帯には猫が住み着いている」という意味です。例文2と例文3の場合、インターネット用語での使い方になります。一般的な地理的な表現の使い方ではなく、特定のジャンルや業界での使われ方です。例文2の場合「美容垢界隈」、例文3の場合は「オタク界隈」を指しています。

「界隈」の類義語は？違いは？

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「界隈」の類義語には、「近辺」「付近」「周辺」が挙げられます。違いや意味について詳しく見ていきましょう。

その1「付近」

「付近」とは「近くの場所」という意味です。日常生活でも「駅前付近」「池袋付近」といった使い方がよくされています。そのため、「あたり一帯」という意味がある「界隈」とはニュアンスが違う点に注意しましょう。

その2「近辺」

「近辺」には「ある場所の周辺の地域」という意味があります。「辺」という文字には「おおよそ」という意味があり、地図で特定できるような場所について使われ、距離で例えると徒歩で移動できるくらいです。付近と似たような意味を持っていますが、狭い範囲を指す付近と違って、「近くのおおよその範囲」と少し広い範囲を指す言葉になります。

その3「周辺」

「周辺」とは「あるもののまわり」「あるものをとりまく部分」という意味。主に「自宅周辺」「都市周辺」といった使い方が多いです。界隈は「下北沢界隈」のように「地名と界隈」といった形で使いますが、周辺は「自宅周辺」のように「場所と周辺」という風に使います。

「界隈」の対義語は？

「界隈」の対義語には「中心」が挙げられます。違いや意味について詳しく見ていきましょう。

「中心」

「中心」には「まんなか」「すべてがそこに集まり、またそこから出る働きをするもの」という意味があります。界隈は「そのあたり一帯」という意味なので、範囲を狭めた真ん中を意味する「中心」は対義語といっていいでしょう。

「界隈」の英訳は？

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「界隈」は、英訳すると何になるのでしょうか。一緒に見ていきましょう。

その1「around」

「界隈」を英語で表現する場合には、「ある場所の周り」を位置する事を表す「around」を使いましょう。例えば「銀座界隈」であれば「around ginza」、「新宿界隈」であれば「around Shinjuku」といった表現になります。

その2「neighborhood」

「neighborhood」の意味は「界隈」です。「銀座界隈」のように、特定の場所を表す際には「around」を使います。しかし、特定の場所を指さずに「このあたり」「このあたり一帯」というニュアンスを強めたい場合には、「this neighborhood」を用いましょう。

Around Shibuya, there are so many IT companies.（渋谷界隈には、IT企業が集結している。）

Silicon Valley is such a closed community that it's very hard for foreign entrepreneurs to get financed. （シリコンバレーはとても閉ざされた界隈なので、外国人起業家が出資受けるのはとても大変だ。）

There are lots of dogs in my neighborhood. (近所にたくさんの犬がいる。)

It’s rare to see any litter in this neighborhood.(この近所でポイ捨てされたゴミを見かけることはめったにない。)

「界隈」を使いこなそう

この記事では「界隈」の意味・使い方・類語などを説明しました。「界隈」は一般的に「そのあたり一帯」という意味で使われています。ネット用語では「属性や特定のジャンル、業界」を指す言葉として使われる事が多いです。大まかな範囲を指すので、限定的な表現を避けたい場面で役立つ便利な言葉でもあります。意味を正しく理解して、適材適所で使いこなしていきましょう。