この記事では「謙遜」について解説する。

端的に言えば謙遜の意味は「へりくだること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した川瀬を呼んです。一緒に「謙遜」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読む度に、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「謙遜」の意味や語源・使い方まとめ

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「謙遜」は日本の社会人のたしなみとも言える態度です。日常生活やビジネスシーンなどでもよく耳にする言葉なので、意味をなんとなく分かっているつもりで、受け答えしている方も多いのではないでしょうか。しかし、適切に使っていかないとかえって嫌味に受け取られる事もあるのです。この機会に正しい意味と使い方を学びましょう。それでは早速「謙遜」の意味や語源・使い方を見ていきます。

「謙遜」の意味は?

「謙遜」には、次のような意味があります。

へりくだること。控え目な態度をとること。また、そのさま。「謙遜して何も語らない」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「謙遜」

「謙遜」とは、「自分の功績や能力などを低く評価する事で控えめにふるまう」という意味です。例えば、自分の書いた絵が褒められたときに「いえいえ大したものではありません」などと、否定する事を「謙遜」といいます。日本人は文化的に謙遜する方が多いと同時に、それがいきすぎて卑屈になっているという、デメリットが挙げられていると聞いた事があるのではないでしょうか。

このように、「謙遜」という言葉自体にはネガティブな意味はありませんが、へりくだる控えめな態度が必ずしも良い事だけではないのです。

「謙遜」の語源は?

次に「謙遜」の語源を追っていきましょう。「謙遜」という表現自体は、中国で生まれた漢語です。謙遜の「謙」という漢字には、「へりくだる」「自分を低くして人上げる」という意味があります。「遜」という漢字には、「へりくだる」「自分のことを差しおいて人を上げる」という意味。どちらも「へりくだる」ことを意味しており、この2つの漢字で構成されているのが「謙遜」になっています。

\次のページで「「謙遜」の使い方・例文」を解説!/

「謙遜」の使い方・例文

「謙遜」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.イチローさんはメジャーリーグで大成功といえる成績を残したが「自分の目標から比べたらまだまだですよ」と謙遜な態度を取った。
2.謙遜する人は、自分を客観的に観れている人でもある。
3.彼は自分の能力に対して謙遜的な返答をしたが、私は心の底から彼をすごいと感じた。

例文1の「謙遜」は、相手の意見を受け入れたうえで現状に満足していない事を言葉で表す意味での使い方になります。例文1ではイチローさんは世間一般的に見てメジャーリーグで成功したように見えていますが、イチローさん本人は「目標と比べるとまだまだ」と謙遜したという形です。例文2についてですが、謙遜した言動をとる人の事を、「謙遜する人」と表現します。「謙遜な人」と表現する場合には「謙虚な人」と言い換えるようにしましょう。例文3ですが、謙遜している様子が現れている事を、「謙遜的な〇〇」と表現する事があります。

「謙遜」の類義語は?違いは?

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「謙遜」の類義語には「謙譲」「謙虚」「卑下」が挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

その1「謙譲」

「謙譲」は「へりくだり譲ること」という意味。「謙遜」とほぼ同じ意味のため、言い換え表現として用いられる事もあります。敬語の種類の1つで「謙譲語」がありますが、自分を低くすることで相手への敬意を表す用法で、「謙譲」の意味が良く理解出来る事例と言えるでしょう。

\次のページで「その2「謙虚」」を解説!/

その2「謙虚」

「謙虚」には「控え目で、つつましいこと。へりくだって、すなおに相手の意見などを受け入れること」という意味があります。例えば自分の作品を褒められた時には、「謙虚」な人は相手の言葉を受け入れて「ありがとうございます」と素直にお礼を言う方が多いです。一方で「謙遜」な人は、「いえ、まだまだです」と一度否定するといった違いがあります。

その3「卑下」

「卑下」には「人と比べてあえて低い位置に自分を引き下げること」という意味があります。「卑」という漢字には、「地位や身分が低いこと」「自分のことをへりくだって言う」ことを表しているのです。意味だけ見ると「謙遜」と「卑下」は全く同じ意味だと感じます。しかし、「卑下」にはへりくだるだけではなく、更に「自分を貶める」という意味合いが加わるため、注意しましょう。

「謙遜」の対義語は?

「謙遜」の対義語には「不遜」「傲慢」が挙げられます。詳しく見ていきましょう。

その1「不遜」

「不遜」とは「思いあがった態度や振る舞いをするさま」という意味です。「不遜な態度」「不遜な振る舞い」といった言い回しでよく用いられます。「不遜」は当然わきまえるべき礼儀を無視した場合に使うのが適切です。地位が高い人物が尊大な態度をとった場合には不適切なので、注意しましょう。

その2「傲慢」

「傲慢」は「ごうまん」と読み、「高ぶって人をあなどり見くだす態度であること」という意味があります。自分自身を客観的に見て控えめな態度をとる「謙遜」ですが、自分だけが正しいと思い込んで、人を見くだすという意味を持つ「傲慢」は対義語と言えるでしょう。

「謙遜」の英訳は?

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「謙遜」は英語で「modesty」と表現します。使い方についても詳しく見ていきましょう。

\次のページで「「modesty」」を解説!/

「modesty」

「modesty」には「慎み深さ」「謙虚な」という意味があり、「謙遜」を英語で表現する場合に使う事が出来ます。また、「modest behavior」で「謙遜な態度」という表現になるため、併せて覚えておくと便利です。では実際に例文も見てみましょう。

He is popular because of his modesty.(彼が人気なのは彼の謙遜によるものだ)

It is said that Japanese people are modest(日本人が謙虚だと言われている)

He has a very modest personality(彼はとても謙虚な性格がある)

「謙遜」を使いこなそう

この記事では「謙遜」の意味・使い方・類語などを説明しました。「謙遜」とは「へりくだること。控え目な態度をとること」という意味です。「謙遜」は加減を間違えてしまうと、嫌味に聞こえてしまう事もあります。「謙遜」は見方を変えると、相手の気持ちを否定する事でもあるのです。褒められた場合には「謙遜」を繰り返すよりも、素直にお礼を述べる事も大切になってきます。

「謙遜」の本来の意味、対義語や類義語について理解し、自分の表現の幅を広げていきましょう。

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国語言葉の意味

「謙遜」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「謙遜」について解説する。

端的に言えば謙遜の意味は「へりくだること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した川瀬を呼んです。一緒に「謙遜」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読む度に、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「謙遜」の意味や語源・使い方まとめ

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「謙遜」は日本の社会人のたしなみとも言える態度です。日常生活やビジネスシーンなどでもよく耳にする言葉なので、意味をなんとなく分かっているつもりで、受け答えしている方も多いのではないでしょうか。しかし、適切に使っていかないとかえって嫌味に受け取られる事もあるのです。この機会に正しい意味と使い方を学びましょう。それでは早速「謙遜」の意味や語源・使い方を見ていきます。

「謙遜」の意味は?

「謙遜」には、次のような意味があります。

へりくだること。控え目な態度をとること。また、そのさま。「謙遜して何も語らない」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「謙遜」

「謙遜」とは、「自分の功績や能力などを低く評価する事で控えめにふるまう」という意味です。例えば、自分の書いた絵が褒められたときに「いえいえ大したものではありません」などと、否定する事を「謙遜」といいます。日本人は文化的に謙遜する方が多いと同時に、それがいきすぎて卑屈になっているという、デメリットが挙げられていると聞いた事があるのではないでしょうか。

このように、「謙遜」という言葉自体にはネガティブな意味はありませんが、へりくだる控えめな態度が必ずしも良い事だけではないのです。

「謙遜」の語源は?

次に「謙遜」の語源を追っていきましょう。「謙遜」という表現自体は、中国で生まれた漢語です。謙遜の「謙」という漢字には、「へりくだる」「自分を低くして人上げる」という意味があります。「遜」という漢字には、「へりくだる」「自分のことを差しおいて人を上げる」という意味。どちらも「へりくだる」ことを意味しており、この2つの漢字で構成されているのが「謙遜」になっています。

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