この記事では「推奨」について解説する。

端的に言えば推奨の意味は「すぐれていることを述べて、人にすすめること。」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した川瀬を呼んです。一緒に「推奨」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読む度に、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「推奨」の意味や語源・使い方まとめ

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「○○を推奨する」という言葉を、本やビジネスシーンで耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。他にも「推奨環境」などとマニュアルや広告の中でも見かけます。何となく意味は分かる方も多いと思いますが、しっかりとした読み方や意味、使い方を知っておくのは大切です。それでは早速「推奨」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「推奨」の意味は?

「推奨」には、次のような意味があります。

1.すぐれている点をあげて、人にすすめること。「公立図書館の活用を推奨する」「推奨銘柄」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「推奨」

「推奨」は「すいしょう」と読み、ある物事や人物について優れている点をあげ、人にすすめるという意味があります。「推奨」はただ人に物事や人をすすめるだけではなく、対象のどこが良いのかについてポイントを挙げたうえでおススメする事です。家族や友人との日常生活ではあまり使われませんが、宣伝や説明書、ビジネスシーンでも使われる言葉と言えます。

「推奨」の語源は?

次に「推奨」の語源を確認しておきましょう。「推奨」の「推」という漢字には「前へ押し出す」という意味があります。「奨」という漢字は「すすめる」という意味です。したがってこの2つの漢字が組み合わさった「推奨」という言葉は、「前へ押し出してすすめる」という意味を持つ言葉になります。

\次のページで「「推奨」の使い方・例文」を解説!/

「推奨」の使い方・例文

「推奨」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.スマートフォンに詳しい彼が推奨する機種を選んでおけば、ます間違いないだろう。
2.この参考書は、有名大学教授から推奨されています。
3.本当にこの商品は安くて使いやすいので推奨します!ぜひ買ってみてください。

例文1と2のように、「~が推奨している〇〇」といった使い方もよくされています。買い手側の視点から見ると、「どれを選んだらいいか分からない」という場合に「〇〇が推奨」という言葉があると商品自体へのイメージが上がるでしょう。例文3は、推奨する側の例文です。「推奨」はやんわりとおススメするという意味があるため、強引さを感じません。しかし、対象となるものについて詳しい人物からの「推奨」を受けるとどうなるでしょうか。ほとんどの場合、それがとても良いものであると強くアピールできるのです。

つまり、既に信頼を得ている人物や団体からの「推奨」には高い宣伝効果が期待できます。

「推奨」の類義語は?違いは?

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「推奨」の類義語についても知っておきましょう。「推奨」の類義語には「選奨」「奨励」「推挙」が挙げられます。

その1「選奨」

「選奨」は「せんしょう」と読み、意味は「すぐれたものを選び人にすすめること」です。「すぐれたものを人にすすめる」という意味が「推奨」と同じだと感じますが、「選奨」は使われ方が少し異なります。「推奨する」のように動詞の形でよく用いられるのに対し、「選奨」は賞の名前などによく用いられるのです。

\次のページで「その2「奨励」」を解説!/

その2「奨励」

「奨励」は「しょうれい」と読んで、「ある物事や行動がよい事だとして、それを行うように勧めること。」という意味です。柔軟にすすめる「推奨」と違い、「奨励」にはそうするように強く働きかける意味合いがあります。絶対にやるべきというニュアンスを感じる人もいるため、目上の方などに対して「奨励」を使う場合には注意しましょう。

その3「推挙」

「推挙」とは「ある官職・仕事に適当な人だとして、その人をその地位につけるように勧めること」という意味です。「推挙」は物に対しては使いません。「人」に対してだけ使えるため、注意して使い分ける事が大切です。「彼女をバレー部の部長に推挙した」のように、すすめる対象が人の場合には、「推薦」の言い換え表現として「推挙」を使う事も出来ます。

「推奨」の対義語は?

「推奨」の対義語には、「禁止」「抑止」「制止」が挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

その1「禁止」

「禁止」には「ある行為を行わないように命令すること。さしとめること」という意味があります。「ある物事の良い事を述べてすすめる」という意味を持つ推奨に対し、その人の行動を差し止めるという意味の「禁止」は対義語と言えるでしょう。

その2「制止」

「制止」には「人の行動や言動をとめて、させないこと」という意味があります。「制止」の対象となるのは、人の行動や言動である事から、物には使わないため注意しましょう。「ある物事の良い事を述べてすすめる」という意味を持つ推奨に対し、その人の行動や言動を止める「制止」は対義語と言えるでしょう。

その3「抑止」

「抑止」には「それをさせないように押さえつけること」という意味があります。相手が行動をする前にやめさせるという意味があるため、「優れている点を述べて人にすすめる」という意味を持つ「推奨」の対義語と言っていいでしょう。

\次のページで「「推奨」の英訳は?」を解説!/

「推奨」の英訳は?

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「推奨」は英語だとどういった表現になるのでしょうか。

「recommend」「recommendation」

「推奨」は英語で表現すると「recommend」「recommendation」といった形になります。「recommend」は「推奨」、「推奨する」といった動詞のような形で使いたい場合には「recommendo」を用いましょう。実際に例文も見ていきます。

a letter of recommendation (推薦状)

Sizes shown here are only recommendations.(ここで示しているサイズはあくまで推奨だ)

Tthis is just recommendation value.(これはあくまで推奨値です)

「推奨」を使いこなそう

この記事では「推奨」の意味・使い方・類語などを説明しました。「推奨」は「すぐれている点をあげて、人にすすめること」という意味です。すすめる側は「ここが良いのでおススメです」とアピールしますが、後の選択は相手に委ねる事が出来ます。類義語や対義語についても知っておくことで、さらに自分の行動や気持ちを上手に表現する事が出来るようになるでしょう。

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国語言葉の意味

「推奨」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

「推奨」の使い方・例文

「推奨」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.スマートフォンに詳しい彼が推奨する機種を選んでおけば、ます間違いないだろう。
2.この参考書は、有名大学教授から推奨されています。
3.本当にこの商品は安くて使いやすいので推奨します!ぜひ買ってみてください。

例文1と2のように、「~が推奨している〇〇」といった使い方もよくされています。買い手側の視点から見ると、「どれを選んだらいいか分からない」という場合に「〇〇が推奨」という言葉があると商品自体へのイメージが上がるでしょう。例文3は、推奨する側の例文です。「推奨」はやんわりとおススメするという意味があるため、強引さを感じません。しかし、対象となるものについて詳しい人物からの「推奨」を受けるとどうなるでしょうか。ほとんどの場合、それがとても良いものであると強くアピールできるのです。

つまり、既に信頼を得ている人物や団体からの「推奨」には高い宣伝効果が期待できます。

「推奨」の類義語は?違いは?

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「推奨」の類義語についても知っておきましょう。「推奨」の類義語には「選奨」「奨励」「推挙」が挙げられます。

その1「選奨」

「選奨」は「せんしょう」と読み、意味は「すぐれたものを選び人にすすめること」です。「すぐれたものを人にすすめる」という意味が「推奨」と同じだと感じますが、「選奨」は使われ方が少し異なります。「推奨する」のように動詞の形でよく用いられるのに対し、「選奨」は賞の名前などによく用いられるのです。

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