端的に言えば蔓延るの意味は「広がって手がつけられなくなる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んです。一緒に「蔓延る」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/ヒマワリ
今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「蔓延る」についてわかりやすく丁寧に説明していく。
「蔓延る」の意味や語源・使い方まとめ
image by iStockphoto
「蔓延る」の読み方は「はびこる」です。比較的身近で、日常会話の中でも使われる言葉ですから、読み方は耳慣れている人も多いと思います。漢字が難しいですが、熟字訓と言う特殊な読み方です。この機会に、漢字や正確な意味を覚えて正しく使えるようにしましょう。それでは早速「蔓延る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「蔓延る」の意味は?
まず初めに「蔓延る」の正確な意味を辞書からの引用で確かめてみましょう。「蔓延る」には、次のような意味があります。
1.雑草などが茂り広がる。
2.悪いものの勢力が強くなって、手が付けられなくなる。
出典:新明解国語辞典(三省堂)「蔓延る」
上記のとおり、「蔓延る」には二つの意味があります。一つめは、草木が生い茂って広がっている、と言う意味です。二つめは、悪い物が広範囲に広がっている様子を表し、病気や悪習、悪い人間など、幅広い物事に使うことができます。そして、「蔓延る」は、あくまでも悪い物に対して使われるネガティブな表現ですから、用いる時には気をつけましょう。
また、「蔓延」は「まんえん」とも読み、「蔓延る」と同じく、病気などの良くないものがとめどなく広がることを言います。
「蔓延る」の語源は?
次に「蔓延る」の語源を確認しておきましょう。
「蔓」は、木や草つる、つる草、と言う意味を持った漢字です。常用漢字ではないので、「はびこる」「まん延」とひらがな表記されることも多いでしょう。「延」は、のびる、広がる、と言う意味を持ちます。つまり、「蔓延る」は木や草のつるが広がっていく、と言うことですね。そして、つる草は成長が早く、放っておくとあっという間につるだらけになってしまって始末におえなくなることから、悪いものが広がってしまっている、と言う意味の言葉になったのでしょう。
また「蔓延る」の漢字の読み方は熟字訓と言う特別な読み方で、一つ一つの漢字で読むのではなく、熟字(今回は二文字)に訓読みを当てたものです。
\次のページで「「蔓延る」の使い方・例文」を解説!/